【完結】廃品を直して売る俺は娼婦の息子の奴隷商。聖女でも王子でもないからほっといてくれ!

鏑木 うりこ

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55 ちげーけど、違わねー

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「ふえええー!リーヤぁ!」

「母さん……子供かよ」

 久しぶりに会った母さんは、ちょっとやつれていて、少し軽くなっていた。

「父さん、ちゃんと母さんの世話してくれよ」

「仕方がなかろう。突然お前がいなくなるから」

 俺にぎゅうぎゅうと抱きついている母さん。まあ、俺と母さん肩を寄せ合って生きてきたからな。こんなに離れていたのは初めてだもんな。
 でもこんなんじゃ子離れ出来ねーぞ?!

「ん?ねぇリーヤ」

「なんだ?母さん」

「リーヤ、女の子になったの?」

「……ちげーけど、違わねーらしい」

 すごいな!これが母親の勘か?!


 面倒くせーから俺はあった事全部話ちまった。

「構わん、想定済みだ。リーヤが何か隠せるとは思ってない」

「済みだー!」

 レントの言い方に何か引っかかる物を感じながらも、リュンに有耶無耶にされる。

「眼鏡ー!集合!」

 我が帝国が誇る頭脳集団が1箇所に固まって会議を始めた。

「エリスリーヤ姫はもう使えませんよ?」「いや、それより男性が妊娠し、出産すると言う事は」「売れる!」「いや、それより先に世継ぎはどうしますか」「フローラ様はどうなのだ?!」

 丸投げすれば良いやつだ。何か良い方法を考えてくれる。

「私もお婆ちゃんかぁ~~カリウス様はお爺ちゃんよー?」

「複雑な気分だ。エルフローラと出会えただけで奇跡かと思ったのに、私の息子までいて、その息子が子供を産むと言うとは」

 まあ確かに父さんにしてみりゃびっくりだよな!俺もびっくりだけどな!

「でも、リュンちゃんみたいな可愛い子が出て来るのよー楽しみだわーー!」

「リュンも赤ちゃん楽しみー!だってね、リュンが一番小さいのよ!リュンだって赤ちゃんのお世話するんだもん!」

「そうね!二人でお世話しましょうねー!」

「うんー!」

 母さんとリュンは意気投合している。まあ母さんだしな……楽しそうだしそれでいいか。

「レントと行ったな。流石にリーヤの父親として、一言言わねばならん」

「返せ以外なら何でも、甘んじて受けましょう。尻尾も置いて行きますよ」

 いや、尻尾はいらんが、と言う顔をしかけると、横から眼鏡が飛んできてヒソヒソと耳打ちし帰って行く。

「……その覚悟や、良し。こっちだ、剣で語ればわかる事もあろう」

 多分、獣人が尻尾を切ると言う覚悟の重さを簡単に説明して貰ったんだろう。母さんのこと以外、父さんは鈍いって言うかよく分かっていない。

「勿論だ」

 脳筋達が指をポキポキ鳴らしながら待っている修羅の修練場。頑張れ、もげたら付けてやるからな……。

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