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52 王妃様とご面談
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「にーちゃんはにーちゃんであってねーちゃんになる訳ではない」
「そうです。両性が有ると言った方が正しいでしょう」
俺はレントのお母ちゃん、王妃デリウス様とご面談中だ。
「気がついた時には止められず申し訳ないが、獣人の執着は常軌を逸している所がある……諦めてくれとしか言いようがない……」
「あ、はい……」
王妃デリウス様は壮年になろうかと言う立派な男子……てかおじさんだ、髭はないけど。
「私が不幸にも王に見染められたのは乱戦の最中であった……と、いうか敵軍の軍隊長を嫁にしたいと思うか?普通」
「多分、ない」
デリウス様は積りに積もったご不満があったようで、俺に愚痴りまくった。
「分かるか?!敵軍の総大将が昼夜を問わず戦場で「嫁になれ!」と襲いかかってくる恐怖を!」
「いや、わかんねぇっす」
「だろう?!でもそれをされたんだ!私は!恐怖で補給部隊の方に回して貰ったら、本陣突っ切って私の所に襲撃をかけるんだよ!どうしたら良いんだ?!」
「どうしようもねぇっす」
「しかも!しかも!その補給基地でとっ捕まって、無理矢理アジェントの酒を飲まされて公開処刑ならぬ公開強姦だぞ!あり得ないだろう!」
「うわ……王様ドン引き……ひでぇ」
思い出してなわなわと震えるデリウス様。いや、確かに酷い話だ。
「私も騎士であり、一軍を任される立場であったから、体力もあるし、根性もあってね。なかなか気を失えなかったんだけど、あの時ばかりはか弱いご婦人が羨ましかったね……」
「あは……あはは……」
「まあ遂には獣人国へ拉致られて本格的に犯されまくって、その時の子供がレントだよ。いやーあれから24年もたったんだねぇ」
ぷはーっとお茶を飲んだ。一気に喋って喉が渇いたのかな?
「見届け人に両手両足を押さえつけられてぶち込まれるのが最初とかもう絶対殺してやるって思ってたんだけど、いやー怖いね!つがい契約。アジェントの酒との相乗効果!リーヤも味合わされただろう?」
「えー……あー……はい」
「あの快楽から逃げられた奴はまだいないらしい。神話の二人も良すぎて子供を孕みまくり、獣人族は滅びから救われたって言う話だ」
色々とんでもねーんだけど?俺、どうしたら良いんだ??
「私達は人間だから、獣人達と違って一回の出産は一人ないし二人だろう。獣人同士のように一度に何人も産む事は無いと思うから、安心ていいと思う」
「ちょっと理解出来ないですけど?!」
「そういうものだと諦めた方が早いぞ?後、アジェントの酒はまだ効いていると思うから、レントと寝てくるが良い。すっかり追い出してしまわないと、1ヶ月以上引きずる事になるよ」
「全然理解出来ないんですけど?!」
「だから早く諦めなさい、と言うのが私からのアドバイスだ」
「……とても身に染みたアドバイスありがとうございます……」
ははは、と笑ってから
「だが、まあ……悪く、ない」
と、照れながら言われてしまうからこの人は王様の事が好きなんだなーと分かってしまう。
「ディリー!ディリー!何処じゃ」
「……話はここまでにしておこう。私が姿を見せるまで、名前を呼ばれ続けるのはたまったものではないから」
そう苦笑してから「アディ、ここだ」と呼び掛ければすぐに王様は飛んで来て、デリウス様を抱き上げてしまう。
「おお、リーヤちゃんと話しておったのか?もう良いのか?」
王様の尻尾が楽しそうにブンブン振られている。
「え、いや、あの」
「ん!そうかそうか!もう良いか!ではの!リーヤちゃん。レントと励めよ。ワシはディリーと励んでくるでのう!」
「は?え、んん?」
デリウス様、もはや慈愛に満ちて悟り切った顔をしている。そうか、あれが諦めの境地に達した人間の顔か……。
「迎えに来たぞ、リーヤ。さあ、飯食ったらヤろうぜ」
「いや、待って。俺は流石にデリウス様くらい諦めの境地にまだ立てねーよ……!」
それでもスイッと片手で持ち上げられる。
「お袋、最初に逃げ回って、アジェントの酒が残っちまって1ヶ月以上ヤりっぱなしだったらしいぞ?リーヤは体力ねぇんだから、そんな事になったら大変だろ?」
「え……何、その拷問」
「そこですっかり調教されたとか言ってるけどなー。俺なしじゃいられない体にしてやろうか?」
「えっ!遠慮するっ!」
んじゃ、しっかりきっちり励んどこうや、と言われてレントの部屋に連れ込まれた。
だんだん俺も諦めの境地顔になって来た。
「そうです。両性が有ると言った方が正しいでしょう」
俺はレントのお母ちゃん、王妃デリウス様とご面談中だ。
「気がついた時には止められず申し訳ないが、獣人の執着は常軌を逸している所がある……諦めてくれとしか言いようがない……」
「あ、はい……」
王妃デリウス様は壮年になろうかと言う立派な男子……てかおじさんだ、髭はないけど。
「私が不幸にも王に見染められたのは乱戦の最中であった……と、いうか敵軍の軍隊長を嫁にしたいと思うか?普通」
「多分、ない」
デリウス様は積りに積もったご不満があったようで、俺に愚痴りまくった。
「分かるか?!敵軍の総大将が昼夜を問わず戦場で「嫁になれ!」と襲いかかってくる恐怖を!」
「いや、わかんねぇっす」
「だろう?!でもそれをされたんだ!私は!恐怖で補給部隊の方に回して貰ったら、本陣突っ切って私の所に襲撃をかけるんだよ!どうしたら良いんだ?!」
「どうしようもねぇっす」
「しかも!しかも!その補給基地でとっ捕まって、無理矢理アジェントの酒を飲まされて公開処刑ならぬ公開強姦だぞ!あり得ないだろう!」
「うわ……王様ドン引き……ひでぇ」
思い出してなわなわと震えるデリウス様。いや、確かに酷い話だ。
「私も騎士であり、一軍を任される立場であったから、体力もあるし、根性もあってね。なかなか気を失えなかったんだけど、あの時ばかりはか弱いご婦人が羨ましかったね……」
「あは……あはは……」
「まあ遂には獣人国へ拉致られて本格的に犯されまくって、その時の子供がレントだよ。いやーあれから24年もたったんだねぇ」
ぷはーっとお茶を飲んだ。一気に喋って喉が渇いたのかな?
「見届け人に両手両足を押さえつけられてぶち込まれるのが最初とかもう絶対殺してやるって思ってたんだけど、いやー怖いね!つがい契約。アジェントの酒との相乗効果!リーヤも味合わされただろう?」
「えー……あー……はい」
「あの快楽から逃げられた奴はまだいないらしい。神話の二人も良すぎて子供を孕みまくり、獣人族は滅びから救われたって言う話だ」
色々とんでもねーんだけど?俺、どうしたら良いんだ??
「私達は人間だから、獣人達と違って一回の出産は一人ないし二人だろう。獣人同士のように一度に何人も産む事は無いと思うから、安心ていいと思う」
「ちょっと理解出来ないですけど?!」
「そういうものだと諦めた方が早いぞ?後、アジェントの酒はまだ効いていると思うから、レントと寝てくるが良い。すっかり追い出してしまわないと、1ヶ月以上引きずる事になるよ」
「全然理解出来ないんですけど?!」
「だから早く諦めなさい、と言うのが私からのアドバイスだ」
「……とても身に染みたアドバイスありがとうございます……」
ははは、と笑ってから
「だが、まあ……悪く、ない」
と、照れながら言われてしまうからこの人は王様の事が好きなんだなーと分かってしまう。
「ディリー!ディリー!何処じゃ」
「……話はここまでにしておこう。私が姿を見せるまで、名前を呼ばれ続けるのはたまったものではないから」
そう苦笑してから「アディ、ここだ」と呼び掛ければすぐに王様は飛んで来て、デリウス様を抱き上げてしまう。
「おお、リーヤちゃんと話しておったのか?もう良いのか?」
王様の尻尾が楽しそうにブンブン振られている。
「え、いや、あの」
「ん!そうかそうか!もう良いか!ではの!リーヤちゃん。レントと励めよ。ワシはディリーと励んでくるでのう!」
「は?え、んん?」
デリウス様、もはや慈愛に満ちて悟り切った顔をしている。そうか、あれが諦めの境地に達した人間の顔か……。
「迎えに来たぞ、リーヤ。さあ、飯食ったらヤろうぜ」
「いや、待って。俺は流石にデリウス様くらい諦めの境地にまだ立てねーよ……!」
それでもスイッと片手で持ち上げられる。
「お袋、最初に逃げ回って、アジェントの酒が残っちまって1ヶ月以上ヤりっぱなしだったらしいぞ?リーヤは体力ねぇんだから、そんな事になったら大変だろ?」
「え……何、その拷問」
「そこですっかり調教されたとか言ってるけどなー。俺なしじゃいられない体にしてやろうか?」
「えっ!遠慮するっ!」
んじゃ、しっかりきっちり励んどこうや、と言われてレントの部屋に連れ込まれた。
だんだん俺も諦めの境地顔になって来た。
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