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20 俺はただの奴隷商だから**
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「私はね、犯される方だったよ!万が一でも私の血を引く子供が出来ると厄介だったからね!」
「やっ!やっ!フラン、深いぃーーっ!」
腹の奥底を抉られて悲鳴をあげる。
「そう、深いね。でも気持ちいいんだよ、もっと奥までしてあげる」
怖い、フランが怖い。笑いながら俺を犯すフランが怖い。
「この奥だ。イイだろう?きっと突かれるたびにイッてしまうんだ、はしたなく、よだれを垂らしながら、懇願するんだ!もっと奥まで出してくださいって!」
「いっーーーー?!」
痛い!痛い!入ってはいけないところに無理矢理ねじ込まれた気がして、俺は歯を食いしばった。
「知っているかい?リーヤ。奥の奥に種付けされると、あんまり出てこないんだよ?どうなるんだろえねぇ?」
「や、やめ、やめて、痛い……っ!」
わらう、フランが笑う。フラン、どうして笑うんだ。俺は痛いし、こんなの嫌だよ、フラン!
「痛いのもすぐに良くなるよ!」
「あっーーー!」
俺のイイところを一発で探り当てたフランは俺が痛がる度にそこを狙ってくる。
「そうそう、上手にイけたねぇ?さあ、まだ夜は長いよ。楽しもう?」
「ひ……も、もう、嫌だ……抜いて……」
俺はフランから離れようと両手で布団をかき分ける。
「ふふ。無理だよ。こんなに深く繋がっているんだから、リーヤの力じゃ抜けないよ」
「嫌だ、もうやめて……フラン……」
フランの唇が三日月型に歪む。元が美形なだけに歪な笑みは腹の底から冷えるような恐ろしさをまとっている。
「大丈夫、すぐに気持ちよくなるから。もし仮に君の手足が無くても私は君が大好きだ。途中で捨てたりせずに君が死ぬまで大切に可愛がってあげるよ」
「やめ、やめて……」
フラン、フラン。お前は俺が見えているのか?俺は過去のお前じゃないんだ、フラン。
辛かったろう、切なかったろう、悲しかったろう。諦めたかったし、自ら死んでしまいたかったろう。
でもなけなしの誇りと自尊心と部下であり友人の存在がそれを許さなかったんだろう?全てを諦めて、憎くてくびり殺したい相手に媚を売って。
心にもない言葉を吐いて、それでいて体は馬鹿みたいに悦んじまって、何一つ自由にならなくて。
疲弊して疲弊して、とうとう擦り切れて、やっと正気も手放し、命も手放そうとしたのに。
希望を与えられて、自由を取り戻してしまった。だから
「やめて……やめて、フラン。俺はお前の聖女じゃない……俺に罪の告白をしても何も、何も変わらないんだ」
「っ!」
「フラン、俺はただの奴隷商で。壊れたものを直す事が出来るだけ。神の使いでも、聖女でも何でもないんだ」
「違う!リーヤは聖女だ!もう絶対に治らない私を治し、私が救えなかった友を救った!私の罪を私の穢れの一切を知り、そして許してくれる!そうだろう、そうだと言ってくれ!リーヤ」
生まれながらの責任感の凝り固まった王子の仮面から、フランと言う人間の顔が覗いている。
「フラン……っ違う、俺は……っ」
「言うな!言わないで、くれっ!頼む、リーヤ、私に救いを、赦しをくれ!リーヤ!」
フランの受けた傷を俺は全て知ってやることは出来ない。同じ目に遭ったことなんてないんだから。想像するにも壮絶すぎて理解も出来ないし、どんな慰めも同情も表面を滑り落ちていく気がする。
俺は意外とフランが気に入っていた事に今気がついた。不自由すぎる体でにこにこと笑い、それでも何かを為そうとする。
フランの日常は酷い物だ。
「リーヤ!トイレに連れてってー!」
「くそっ!」
人として最低限の事も出来ず、頼らなければならないのに、それでも下を向く事なく。その裏でどれほどの自尊心をくびり殺して来たのだろうか。
その恐ろしい程の努力の笑顔が、俺は好きだったようだ。
これ以上何を口にしたらいいか、俺はわからなかったので、喋るのをやめた。
ただ、暖かい背中にするりと手を回し、フランを受け入れてやる事にした。
「リーヤ……リーヤぁぁーー!」
「あっ!あっ!!」
グチュグチュと粘度の高い水音。肉と肉がぶつかり合う音。2人分の体重で派手に軋むベッド。意味のない嬌声が
絶え間なく続く。気を失っても獣の様に交わり続けて意識を取り戻すと、もう昼近くだった。
どろどろの体を引きずって風呂に行き、少し身だしなみを整えて居間に降りると母さんが紙を一枚差し出してきた。
「お世話になりました」
流麗な字でそれだけ書かれている。フラン達の姿は影も形も無くなっていた。
「やっ!やっ!フラン、深いぃーーっ!」
腹の奥底を抉られて悲鳴をあげる。
「そう、深いね。でも気持ちいいんだよ、もっと奥までしてあげる」
怖い、フランが怖い。笑いながら俺を犯すフランが怖い。
「この奥だ。イイだろう?きっと突かれるたびにイッてしまうんだ、はしたなく、よだれを垂らしながら、懇願するんだ!もっと奥まで出してくださいって!」
「いっーーーー?!」
痛い!痛い!入ってはいけないところに無理矢理ねじ込まれた気がして、俺は歯を食いしばった。
「知っているかい?リーヤ。奥の奥に種付けされると、あんまり出てこないんだよ?どうなるんだろえねぇ?」
「や、やめ、やめて、痛い……っ!」
わらう、フランが笑う。フラン、どうして笑うんだ。俺は痛いし、こんなの嫌だよ、フラン!
「痛いのもすぐに良くなるよ!」
「あっーーー!」
俺のイイところを一発で探り当てたフランは俺が痛がる度にそこを狙ってくる。
「そうそう、上手にイけたねぇ?さあ、まだ夜は長いよ。楽しもう?」
「ひ……も、もう、嫌だ……抜いて……」
俺はフランから離れようと両手で布団をかき分ける。
「ふふ。無理だよ。こんなに深く繋がっているんだから、リーヤの力じゃ抜けないよ」
「嫌だ、もうやめて……フラン……」
フランの唇が三日月型に歪む。元が美形なだけに歪な笑みは腹の底から冷えるような恐ろしさをまとっている。
「大丈夫、すぐに気持ちよくなるから。もし仮に君の手足が無くても私は君が大好きだ。途中で捨てたりせずに君が死ぬまで大切に可愛がってあげるよ」
「やめ、やめて……」
フラン、フラン。お前は俺が見えているのか?俺は過去のお前じゃないんだ、フラン。
辛かったろう、切なかったろう、悲しかったろう。諦めたかったし、自ら死んでしまいたかったろう。
でもなけなしの誇りと自尊心と部下であり友人の存在がそれを許さなかったんだろう?全てを諦めて、憎くてくびり殺したい相手に媚を売って。
心にもない言葉を吐いて、それでいて体は馬鹿みたいに悦んじまって、何一つ自由にならなくて。
疲弊して疲弊して、とうとう擦り切れて、やっと正気も手放し、命も手放そうとしたのに。
希望を与えられて、自由を取り戻してしまった。だから
「やめて……やめて、フラン。俺はお前の聖女じゃない……俺に罪の告白をしても何も、何も変わらないんだ」
「っ!」
「フラン、俺はただの奴隷商で。壊れたものを直す事が出来るだけ。神の使いでも、聖女でも何でもないんだ」
「違う!リーヤは聖女だ!もう絶対に治らない私を治し、私が救えなかった友を救った!私の罪を私の穢れの一切を知り、そして許してくれる!そうだろう、そうだと言ってくれ!リーヤ」
生まれながらの責任感の凝り固まった王子の仮面から、フランと言う人間の顔が覗いている。
「フラン……っ違う、俺は……っ」
「言うな!言わないで、くれっ!頼む、リーヤ、私に救いを、赦しをくれ!リーヤ!」
フランの受けた傷を俺は全て知ってやることは出来ない。同じ目に遭ったことなんてないんだから。想像するにも壮絶すぎて理解も出来ないし、どんな慰めも同情も表面を滑り落ちていく気がする。
俺は意外とフランが気に入っていた事に今気がついた。不自由すぎる体でにこにこと笑い、それでも何かを為そうとする。
フランの日常は酷い物だ。
「リーヤ!トイレに連れてってー!」
「くそっ!」
人として最低限の事も出来ず、頼らなければならないのに、それでも下を向く事なく。その裏でどれほどの自尊心をくびり殺して来たのだろうか。
その恐ろしい程の努力の笑顔が、俺は好きだったようだ。
これ以上何を口にしたらいいか、俺はわからなかったので、喋るのをやめた。
ただ、暖かい背中にするりと手を回し、フランを受け入れてやる事にした。
「リーヤ……リーヤぁぁーー!」
「あっ!あっ!!」
グチュグチュと粘度の高い水音。肉と肉がぶつかり合う音。2人分の体重で派手に軋むベッド。意味のない嬌声が
絶え間なく続く。気を失っても獣の様に交わり続けて意識を取り戻すと、もう昼近くだった。
どろどろの体を引きずって風呂に行き、少し身だしなみを整えて居間に降りると母さんが紙を一枚差し出してきた。
「お世話になりました」
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