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16 厄介で大嫌い
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次の日の朝起きたらフラン達の処置に入ろうと思ったら
「んーーリーヤぁ」
「どぅわぁ!!何で俺のベッドにフランが寝てるの?!」
「おはようのキスがしたくてぇ~」
ぽすん!とこっちに倒れ込んでくるフランは、どこをどう見ても腕も足もないのにやたらと動き回る。
「やめろ!何すんだ!キスなんかしない!離れろ!」
「んじゃあ、その可愛い息子さんの朝のお世話して上げる~。私、こう見えてもかなりテクニック身につけたんだよ、無理矢理だったけどね!」
「いや、見た目通りだし、ご愁傷様です」
「その経験を活かしてあげますよー」
「やめろ!フラン!ちょっと!変なとこ噛み付くな!やめろ!うわー!誰だよ!フランを俺の部屋に連れ込んだのぉーー!」
「私よ」
「母さんーーーー!!」
母さんのそう言う所、良くないと思う!!
ほほほ!仲良くね!と母さんは行ってしまう。仲良くってなんだよ!仲良くなんてしねーから!
「や、やめろ!フラン!ズボンに噛み付くなって!」
「ふふふ、私ってば中々器用な物でしょう?この生活も長いですから、意外と色んな事ができるんですよ」
あまり柔らかくない俺のベッドの上で使える物はなんでも使ってフランは俺に近づいてくる。凄い根性と移動力だ!
「リーヤ!」
「うお?!飛んだ」
どこをどうやったか知らないがフランは俺に飛びついてきた。受け止めなきゃ、お前ベッドから落ちて痛い目をみるじゃねーか!
思わずフランを抱きしめる形になってしまう。ったく、なんて事するんだ!こいつは。
「……だから、私は大丈夫、だから。あの2人を先に治してやって欲しい。あの2人には自由が必要なんだ」
あーーーもーーー!お前はそういう奴だよ!なんだよ!なんだよ!あの2人より酷い状態なのはフラン、あんただろう!なのに自分は良いから奴らを治せだって?!馬鹿か、馬鹿だろう!
お前はあの2人より偉い王子様なんだろう?!偉いやつって言うのは自分の部下を犠牲にして立ってるもんだ!それなのにこいつは自分を犠牲にして、部下を立たせようとしている!
あーもー!なんなんだよ!お前、王子様なんだろ!しかも思いっきり不自由な体で何笑ってんだよ!もっと辛そうな顔して良いんだぞ!泣いて良いんだぞ!なのに、なのに、にこにこにこにこ!腹が立つ!
「それを決めるのはフランじゃねーし!俺だし!」
「だから!頼む、リーヤ!あの2人の足も君は治せるんだろう?!私なんかを庇わなければあの2人はあんな目に合うことはなかったんだ!私みたいな役立たずを庇って、あんな、あんな目に!」
枯れたはずのフランの紫の瞳からぼろぼろと涙が溢れる。ったく!なんだよ、自分の為には泣けねーのに、人の為には泣けるのかよ!本当に馬鹿じゃねーの!
「くそっ!だから嫌なんだよ!」
優しい王子様なんて厄介すぎて大っ嫌いだ!
「んーーリーヤぁ」
「どぅわぁ!!何で俺のベッドにフランが寝てるの?!」
「おはようのキスがしたくてぇ~」
ぽすん!とこっちに倒れ込んでくるフランは、どこをどう見ても腕も足もないのにやたらと動き回る。
「やめろ!何すんだ!キスなんかしない!離れろ!」
「んじゃあ、その可愛い息子さんの朝のお世話して上げる~。私、こう見えてもかなりテクニック身につけたんだよ、無理矢理だったけどね!」
「いや、見た目通りだし、ご愁傷様です」
「その経験を活かしてあげますよー」
「やめろ!フラン!ちょっと!変なとこ噛み付くな!やめろ!うわー!誰だよ!フランを俺の部屋に連れ込んだのぉーー!」
「私よ」
「母さんーーーー!!」
母さんのそう言う所、良くないと思う!!
ほほほ!仲良くね!と母さんは行ってしまう。仲良くってなんだよ!仲良くなんてしねーから!
「や、やめろ!フラン!ズボンに噛み付くなって!」
「ふふふ、私ってば中々器用な物でしょう?この生活も長いですから、意外と色んな事ができるんですよ」
あまり柔らかくない俺のベッドの上で使える物はなんでも使ってフランは俺に近づいてくる。凄い根性と移動力だ!
「リーヤ!」
「うお?!飛んだ」
どこをどうやったか知らないがフランは俺に飛びついてきた。受け止めなきゃ、お前ベッドから落ちて痛い目をみるじゃねーか!
思わずフランを抱きしめる形になってしまう。ったく、なんて事するんだ!こいつは。
「……だから、私は大丈夫、だから。あの2人を先に治してやって欲しい。あの2人には自由が必要なんだ」
あーーーもーーー!お前はそういう奴だよ!なんだよ!なんだよ!あの2人より酷い状態なのはフラン、あんただろう!なのに自分は良いから奴らを治せだって?!馬鹿か、馬鹿だろう!
お前はあの2人より偉い王子様なんだろう?!偉いやつって言うのは自分の部下を犠牲にして立ってるもんだ!それなのにこいつは自分を犠牲にして、部下を立たせようとしている!
あーもー!なんなんだよ!お前、王子様なんだろ!しかも思いっきり不自由な体で何笑ってんだよ!もっと辛そうな顔して良いんだぞ!泣いて良いんだぞ!なのに、なのに、にこにこにこにこ!腹が立つ!
「それを決めるのはフランじゃねーし!俺だし!」
「だから!頼む、リーヤ!あの2人の足も君は治せるんだろう?!私なんかを庇わなければあの2人はあんな目に合うことはなかったんだ!私みたいな役立たずを庇って、あんな、あんな目に!」
枯れたはずのフランの紫の瞳からぼろぼろと涙が溢れる。ったく!なんだよ、自分の為には泣けねーのに、人の為には泣けるのかよ!本当に馬鹿じゃねーの!
「くそっ!だから嫌なんだよ!」
優しい王子様なんて厄介すぎて大っ嫌いだ!
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