19 / 41
19 デジカメが欲しいな
しおりを挟む
「ですから、頭の上に葉っぱをのせて。ぽんぽーん!ぽんたったー!」
ぽんたが重力を忘れたような宙返りをすると、ぽん!と言う小気味いい音が鳴って、すたん!と着地したのは狐のぬいぐるみだ。
「さ、やってみて」
「わ、分かりました!こんこーん!こんたったー!」
頭?の上に赤い葉っぱ?紅生姜?を乗せたいなり寿司が、ぽんたと同じ軌道で宙返りをすると、ぽてん!と着地するのはやっぱりいなり寿司だった。
「うわーーー!どうしてぇ!」
「30回目の失敗だねぇ」
わあわあ泣く油揚げで終わるこの動画。私は少し物足りなくなって来たのです!
「もっと長く写せるのが良い……」
それは昨日DMで届いたカナンさんとにょろ助の動画を見たからだった。
かなさーん、から始まる動画は外で撮影されているらしく、とても開放感に溢れていて
「かなさん、あちらの空を見てください!」
見ると、小さな黒い点がどんどん大きくなって……
「巫女さまー!ちゅんこでございますよーーー!」
お喋りすずめのちゅんこだった。くるり、と回って着地すると、顔はすずめなのに体には可愛い着物を着たちゅんこがふわっと石の上に着地した。
「巫女さま!巫女さま!聞いてください!ちゅんこはあの後、梨花ちゃんに連れられて、おばあさんの家に来たのでございます!そこで!見てくださいー!こんな素敵なお着物を作っていただけたんですーー」
ちゅんこは嬉しそうにくるりと回った。
「おばあさんはとっても優しくて、ちゅんこの話をいっぱい聞いてくれるんです!ちゅんこの元気な声が聞こえると、おばあさんも元気になるんですって!」
ちゅんこの元気はこっちにいた時より増していた。
「しかも!おばあさんの家はカナンさんの家の近所だったんですー!ちゅんこはおばあさんの家から通ったりしてるんですよー!」
動画中ちゅんこは喋りっぱなしだった。
「わあ……ま、まあそう言う訳でちゅんこは元気です。私がお預かりしている黒月さんも、シジュウカラから今はカラスにもなれるようになりました。まだまだ力が足りないと言う事で、しばらく家にいます!」
後ろで
「白蛇様とはいえ、ぷぷ」
「このお喋りすずめ!」
なんて聞こえてくるから、本当にちゅんこは元気だった。なんだか大丈夫な気はしていたけど、ここまで元気だとは思わなかった。
「うん……デジカメ欲しいかも」
私も長い動画が撮りたくなった。
ぽんたが重力を忘れたような宙返りをすると、ぽん!と言う小気味いい音が鳴って、すたん!と着地したのは狐のぬいぐるみだ。
「さ、やってみて」
「わ、分かりました!こんこーん!こんたったー!」
頭?の上に赤い葉っぱ?紅生姜?を乗せたいなり寿司が、ぽんたと同じ軌道で宙返りをすると、ぽてん!と着地するのはやっぱりいなり寿司だった。
「うわーーー!どうしてぇ!」
「30回目の失敗だねぇ」
わあわあ泣く油揚げで終わるこの動画。私は少し物足りなくなって来たのです!
「もっと長く写せるのが良い……」
それは昨日DMで届いたカナンさんとにょろ助の動画を見たからだった。
かなさーん、から始まる動画は外で撮影されているらしく、とても開放感に溢れていて
「かなさん、あちらの空を見てください!」
見ると、小さな黒い点がどんどん大きくなって……
「巫女さまー!ちゅんこでございますよーーー!」
お喋りすずめのちゅんこだった。くるり、と回って着地すると、顔はすずめなのに体には可愛い着物を着たちゅんこがふわっと石の上に着地した。
「巫女さま!巫女さま!聞いてください!ちゅんこはあの後、梨花ちゃんに連れられて、おばあさんの家に来たのでございます!そこで!見てくださいー!こんな素敵なお着物を作っていただけたんですーー」
ちゅんこは嬉しそうにくるりと回った。
「おばあさんはとっても優しくて、ちゅんこの話をいっぱい聞いてくれるんです!ちゅんこの元気な声が聞こえると、おばあさんも元気になるんですって!」
ちゅんこの元気はこっちにいた時より増していた。
「しかも!おばあさんの家はカナンさんの家の近所だったんですー!ちゅんこはおばあさんの家から通ったりしてるんですよー!」
動画中ちゅんこは喋りっぱなしだった。
「わあ……ま、まあそう言う訳でちゅんこは元気です。私がお預かりしている黒月さんも、シジュウカラから今はカラスにもなれるようになりました。まだまだ力が足りないと言う事で、しばらく家にいます!」
後ろで
「白蛇様とはいえ、ぷぷ」
「このお喋りすずめ!」
なんて聞こえてくるから、本当にちゅんこは元気だった。なんだか大丈夫な気はしていたけど、ここまで元気だとは思わなかった。
「うん……デジカメ欲しいかも」
私も長い動画が撮りたくなった。
1
お気に入りに追加
52
あなたにおすすめの小説
未亡人となった側妃は、故郷に戻ることにした
星ふくろう
恋愛
カトリーナは帝国と王国の同盟により、先代国王の側室として王国にやって来た。
帝国皇女は正式な結婚式を挙げる前に夫を失ってしまう。
その後、義理の息子になる第二王子の正妃として命じられたが、王子は彼女を嫌い浮気相手を溺愛する。
数度の恥知らずな婚約破棄を言い渡された時、カトリーナは帝国に戻ろうと決めたのだった。
他の投稿サイトでも掲載しています。
【完結】復讐は計画的に~不貞の子を身籠った彼女と殿下の子を身籠った私
紅位碧子 kurenaiaoko
恋愛
公爵令嬢であるミリアは、スイッチ国王太子であるウィリアムズ殿下と婚約していた。
10年に及ぶ王太子妃教育も終え、学園卒業と同時に結婚予定であったが、卒業パーティーで婚約破棄を言い渡されてしまう。
婚約者の彼の隣にいたのは、同じ公爵令嬢であるマーガレット様。
その場で、マーガレット様との婚約と、マーガレット様が懐妊したことが公表される。
それだけでも驚くミリアだったが、追い討ちをかけるように不貞の疑いまでかけられてしまいーーーー?
【作者よりみなさまへ】
*誤字脱字多数あるかと思います。
*初心者につき表現稚拙ですので温かく見守ってくださいませ
*ゆるふわ設定です
お馬鹿な聖女に「だから?」と言ってみた
リオール
恋愛
だから?
それは最強の言葉
~~~~~~~~~
※全6話。短いです
※ダークです!ダークな終わりしてます!
筆者がたまに書きたくなるダークなお話なんです。
スカッと爽快ハッピーエンドをお求めの方はごめんなさい。
※勢いで書いたので支離滅裂です。生ぬるい目でスルーして下さい(^-^;
神農町奇談
棒
キャラ文芸
家の宝である「来燎火(らいりょうか)」という武器が行方をくらませる。人知を凌駕する伝説の武器の失踪にその家の守り神は、一春という家でもっとも年少の人物に目をつける。手助けのため、鹿鳴(ろくめい)という神をつける。守り神が作った偽物の神だったせいか、まるで一春の言うことをきかず、結局彼は一人で捜索することになる。
いろんな人、あるいは人以外の者と触れ、一春は自分の生まれ育った町が見た目以上に複雑にできていることを知り、その果てで鹿鳴と再会する。
ついに来燎火を発見する。しかしその犠牲は大きかった。鹿鳴はまた単独行動をして来燎火に挑むが返り討ちに遭ってしまう。
ようやくふたりは協力して討ち果たすことを約束する。その結果、鹿鳴が命を捨てて来燎火の足を止め、一春が守り神から受けとったもうひとつの力を使って見事に仕留める。
宝を失った家は勢いが衰えるが、新たな当主となった一春が立て直す。
【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?
碧桜 汐香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。
まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。
様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。
第二王子?いりませんわ。
第一王子?もっといりませんわ。
第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は?
彼女の存在意義とは?
別サイト様にも掲載しております
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
【短編】悪役令嬢と蔑まれた私は史上最高の遺書を書く
とによ
恋愛
婚約破棄され、悪役令嬢と呼ばれ、いじめを受け。
まさに不幸の役満を食らった私――ハンナ・オスカリウスは、自殺することを決意する。
しかし、このままただで死ぬのは嫌だ。なにか私が生きていたという爪痕を残したい。
なら、史上最高に素晴らしい出来の遺書を書いて、自殺してやろう!
そう思った私は全身全霊で遺書を書いて、私の通っている魔法学園へと自殺しに向かった。
しかし、そこで謎の美男子に見つかってしまい、しまいには遺書すら読まれてしまう。
すると彼に
「こんな遺書じゃダメだね」
「こんなものじゃ、誰の記憶にも残らないよ」
と思いっきりダメ出しをされてしまった。
それにショックを受けていると、彼はこう提案してくる。
「君の遺書を最高のものにしてみせる。その代わり、僕の研究を手伝ってほしいんだ」
これは頭のネジが飛んでいる彼について行った結果、彼と共に歴史に名を残してしまう。
そんなお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる