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8 風のって飛んで行った
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「つまりは私の生命力?を少し二人に分けているって事?」
「そうなんです。だから、何人もの我々のような存在を近くに置くと、人間は弱ってしまうんです」
ぽんたはすまなそうに頭を下げた。可愛いなあ!
「僕たちはむりやりカナさんから力を奪うようなことはしていませんし、ツイッツーのおかげで少しずつなんとかなっています。でも色んなモノがいるので、油断はできません」
「カナさーん……」
油揚げはまだ倒れたままだったりする。
「カナさんはいなりにカバンを汚されてますから、いなりに責任を取らせます。僕は出て行きますね。誰か良い人を見つけたいと思います!」
「ぽんた……」
ぽんたは笑って言う。
「もし、誰も見つけられなくてまた枯葉に戻ってしまったら助けて貰えますか?」
「もちろんだよ!ぽんた!」
「ありがとう!カナさん!」
羊毛フェルトのぽんたは私の指にタッチしてにっこり笑った。
「頼りなくて少しお馬鹿ないなりですが、よろしくお願いします。あと助けてくれてありがとうございました!行ってきます」
ぽんたは窓からぽん、と飛び出すと軽い体を利用してすいーっと風に乗った。風に乗る羊毛フェルトはなかなか不思議なものだったが、ぽんたは上手に飛んで行った。
「ぽんたはしっかりした子だなぁ」
それに比べて我が家の油揚げは……。疲れ切って手足をぐったりして……横倒しのまま寝ていた。
「えーー……」
漫画みたいな鼻ちょうちんを膨らませてぷーぷー寝ていたので、動画で撮っておいた。
ちょっ!これ!どんな合成なん??笑
ツイッツーにはコメントが付く。合成じゃないんだけど、今の時代って不思議な動画はちょっと弄れば作れてしまう。
だから皆、この動画が作った物だと信じて疑わない。不思議なものも作れてしまうから、信じてしまう。
その信じる心が油揚げやぽんたの生きる力になっている。
誰も損してないなんてなんて素敵な事なんだろう!
「ふふ、ツイッツーのフォロワー数増えてる」
私もなんだか楽しくなってきた。そして自分がアップしたものを誰かが見てくれて、反応してくれるという楽しさに目覚めてしまったかもしれない!
ぽんたに新しいいい人が見つかることを祈って、ぽんたの動画もアップしコメントを付けた。
『この子が風に乗って飛んでいきました。誰かが優しくしてくれるととても嬉しいです』
「そうなんです。だから、何人もの我々のような存在を近くに置くと、人間は弱ってしまうんです」
ぽんたはすまなそうに頭を下げた。可愛いなあ!
「僕たちはむりやりカナさんから力を奪うようなことはしていませんし、ツイッツーのおかげで少しずつなんとかなっています。でも色んなモノがいるので、油断はできません」
「カナさーん……」
油揚げはまだ倒れたままだったりする。
「カナさんはいなりにカバンを汚されてますから、いなりに責任を取らせます。僕は出て行きますね。誰か良い人を見つけたいと思います!」
「ぽんた……」
ぽんたは笑って言う。
「もし、誰も見つけられなくてまた枯葉に戻ってしまったら助けて貰えますか?」
「もちろんだよ!ぽんた!」
「ありがとう!カナさん!」
羊毛フェルトのぽんたは私の指にタッチしてにっこり笑った。
「頼りなくて少しお馬鹿ないなりですが、よろしくお願いします。あと助けてくれてありがとうございました!行ってきます」
ぽんたは窓からぽん、と飛び出すと軽い体を利用してすいーっと風に乗った。風に乗る羊毛フェルトはなかなか不思議なものだったが、ぽんたは上手に飛んで行った。
「ぽんたはしっかりした子だなぁ」
それに比べて我が家の油揚げは……。疲れ切って手足をぐったりして……横倒しのまま寝ていた。
「えーー……」
漫画みたいな鼻ちょうちんを膨らませてぷーぷー寝ていたので、動画で撮っておいた。
ちょっ!これ!どんな合成なん??笑
ツイッツーにはコメントが付く。合成じゃないんだけど、今の時代って不思議な動画はちょっと弄れば作れてしまう。
だから皆、この動画が作った物だと信じて疑わない。不思議なものも作れてしまうから、信じてしまう。
その信じる心が油揚げやぽんたの生きる力になっている。
誰も損してないなんてなんて素敵な事なんだろう!
「ふふ、ツイッツーのフォロワー数増えてる」
私もなんだか楽しくなってきた。そして自分がアップしたものを誰かが見てくれて、反応してくれるという楽しさに目覚めてしまったかもしれない!
ぽんたに新しいいい人が見つかることを祈って、ぽんたの動画もアップしコメントを付けた。
『この子が風に乗って飛んでいきました。誰かが優しくしてくれるととても嬉しいです』
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