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6 うぇぶ界

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 次の日にぽんたと油揚げは腐りもせずにカレー皿の上に二人並んで寝ていた。寝ている所を悪いが、一枚写真を撮りアップしてから仕事へ行った。

今日のお昼はいなり寿司食べまーす

 そんなコメントが付いていた。私もお昼はいなりずしを食べようと思っている。


 予定通り昼食はいなり寿司を食べ、仕事をこなして家に帰るとぽんたと油揚げが皿の上で話し合いをしていた。

「ただいま。どうしたの?二人とも」

「あ、カナさん。お帰りなさい」

「カナさんお帰り。今、すまほって何だろうなって話していたんです」

 二人で話して拉致があくことだったかな??

「カナさんや人間達が持っているすまほという機械の中にはうぇぶと言う世界が広がっている」

 おお!分かってるみたいだ。

「うぇぶ界は僕たちの住む世界と似てる」

うん?

「絶対的な垣根があるようで、そうでもない。割と行き来が出来る。だから僕たちもそのうぇぶ界に行って、僕たちを信じてくれる人を集めれば消えずにすむ」

う、うん??

「うぇぶ界にも、神がいるから挨拶はきちんとする事」

「ぽんた?油揚げ?なんか違うような??」

 私はwebの事をどう説明すれば良いのか、分からなくなってきた。

「ともかく大事な事はこのすまほは僕たちを生かしてくれる。忘れられ、消えていくだけの僕たちを救ってくれる人がいっぱいいるんだ」

 少し色の濃いいなり寿司は、嬉しそうだ。

「カナさん、動画を撮って下さい」

 ぽんたが言うので、私はスマホを構えた。

「ぽんぽん、ぽーん!」

 掛け声と共にぽんたは後ろ宙返りをした。なんと、いなり寿司がくるんと空を飛んだのだ。
 寿司飯は飛び散らず、着地を決めるとそこには羊毛フェルトで作ったようなタヌキのマスコットが乗っていた。

「どうです?」

「ぽんた!凄い!」

 いなり寿司より凄く可愛い!そしてもそもそと動いている。なにこれ!

「昼間にたくさんの人がえーと、イイっす?あのハートを僕たちにくれたみたいなんです」

 私は驚いてツイッツーを開いてみた。確かに、ぽんたと油揚げが遊んで?いる動画にはイイっすが30個ついていた。新記録だ!

「うぇぶ界にお邪魔した僕たちはそこで信じて貰えたんです。だからこっちにも力が回って来て出来る事が増えたんです」

 ぽんたは軽やかに回った。可愛いよ!

「昨日まで消えかけの汚い葉っぱだったとは思えないなぁ」

「えへへ」

 ぽんたは素直に笑った。

「これなら手で持てるね。いなり寿司だと油がつくから」

「そうですね」

 カレー皿の上で油揚げが呆然とぽんたを見上げていた。

「ぽんた……お前……裏切られた……」

 どうしたんだろう?いなり寿司がまた横倒しになった。

「この世界で忘れ去られる僕たちを救ってくれるのは、すまほの世界なんです」

 ぽんたは可愛い笑顔を向けてくれた。うん、いなり寿司より分かりやすくて良いね、ぽんた。
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