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友の名は
24 あいつっていつもああなのか?
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次の素材を求め、王都をでた。
「北の帝国の方が集めやすいなぁ」
ったく、この水晶は本当に素材が多いし、面倒だし……。だから実装当初は何度かやったが、廃れて不人気なのに!
「絶対文句言ってやる!」
都市間転送のポータルへ向かった。
時はかなり戻り、ファルがギルドの受け付けでジョルドに依頼をしていた時、ギルドの会議室でサラは大泣きしていた。
「先輩……月の唄声のサラさんってこんな人だったんですか?」
「やめなさいよ!あなたがとどめを刺したんでしょ。なんとかしなさいよ。冒険者って繊細な人が多いのよ……」
まあしかし……ファルセットが異常な事は職員も分かっていた。まずレベルはおかしいし、そのレベルに至る速度もおかしい。
何せ、サラ達が伝説の転生職になり、レベル99近くになるまで、ほぼファルセットが敵を倒したらしいのだ。
ファルセットとサラ達……つまりは5人分の経験値をあの高位魔導士は稼ぎだしたと言う事だ。
足手まといが居なくなればレベルは飛躍的に上がるだろう。
「ファルー!私達を捨てないでー!」
こう泣き叫ぶサラの気持ちも分からなくはない……。
「しかし、どうしましょう……」
困り果てた時に、会議室の扉がノックされた。
「あれ?まだお使いでしたか?失礼しました」
こちらもベテランの男性職員が顔を出した。戻ろうとして、もう一度顔を出す。
「ミーナさん、あのキングブラック
フロッグの依頼、受けてくれる人がいましたよ」
ミーナとは私のことよ!
「あら!エリアボスを狩れる人なんてそうそういないのに助かるわ!でも大丈夫かしら?」
「大丈夫そうでしたよ、SSランクの方でしたから。噂のファルセットさんです」
「?!ファル?!ファルセットがいたの?!」
がばっ!とサラさんは飛び上がった。
「え?ええ。グリーンフロッグを倒しに行くとか言ってついでに受けてくださいましたが……」
「グリーンフロッグね!分かったわ!」
サラさんは凄い勢いで走り去った。
「……何にせよ助かったわ」
「え?あ、はい?良かったですね?」
呆気に取られる。はぁ、業務しましょ……冒険者はまだまだたくさんいるのだから。
サラがグリーンフロッグの生息地に着くと、既にファルセットは居なかった。
「ファルは?!」
「ファルセットなら帰ったぞ……」
疲れた顔のジョルドが答える。
「うそーーー!入れ違い?!」
「なあ、あんた。ファルセットと付き合い長いよな?」
「え?そうでもないけど……どうしたの?」
「あいつっていつもああなのか?ボスを抱えて無限に刈らされ続ける」
サラは苦笑するしかない。
「あーうん、そんな感じかもね」
「だからあんたたちはそんなに強いのか……?」
ファルがサラ達パーティメンバーに求める要求は確かに高かった。しかし、無理ではない、無謀ではない。そんなちょうどいい目標設定。それがファルのすごさの真骨頂なのかもしれない。
「……ファルは凄いよ。絶対にできないことはやらせない。頑張ればなんとかなることを頑張れるように教えてくれた。……ファルは凄いんだよ」
それなのに、クランというつながりを切られてしまって、サラはどうしたらいいか分からない。
「そういえば、キングブラックフロッグをギルドに納品しに行くって言ってたぞ」
「それを早く言えーーーーーーーー!」
サラも大急ぎでギルドへ戻るがやはりすれ違いであった。
「うええええええええええ!ファルううううううううう」
月にサラの叫び声がこだましていった。
「北の帝国の方が集めやすいなぁ」
ったく、この水晶は本当に素材が多いし、面倒だし……。だから実装当初は何度かやったが、廃れて不人気なのに!
「絶対文句言ってやる!」
都市間転送のポータルへ向かった。
時はかなり戻り、ファルがギルドの受け付けでジョルドに依頼をしていた時、ギルドの会議室でサラは大泣きしていた。
「先輩……月の唄声のサラさんってこんな人だったんですか?」
「やめなさいよ!あなたがとどめを刺したんでしょ。なんとかしなさいよ。冒険者って繊細な人が多いのよ……」
まあしかし……ファルセットが異常な事は職員も分かっていた。まずレベルはおかしいし、そのレベルに至る速度もおかしい。
何せ、サラ達が伝説の転生職になり、レベル99近くになるまで、ほぼファルセットが敵を倒したらしいのだ。
ファルセットとサラ達……つまりは5人分の経験値をあの高位魔導士は稼ぎだしたと言う事だ。
足手まといが居なくなればレベルは飛躍的に上がるだろう。
「ファルー!私達を捨てないでー!」
こう泣き叫ぶサラの気持ちも分からなくはない……。
「しかし、どうしましょう……」
困り果てた時に、会議室の扉がノックされた。
「あれ?まだお使いでしたか?失礼しました」
こちらもベテランの男性職員が顔を出した。戻ろうとして、もう一度顔を出す。
「ミーナさん、あのキングブラック
フロッグの依頼、受けてくれる人がいましたよ」
ミーナとは私のことよ!
「あら!エリアボスを狩れる人なんてそうそういないのに助かるわ!でも大丈夫かしら?」
「大丈夫そうでしたよ、SSランクの方でしたから。噂のファルセットさんです」
「?!ファル?!ファルセットがいたの?!」
がばっ!とサラさんは飛び上がった。
「え?ええ。グリーンフロッグを倒しに行くとか言ってついでに受けてくださいましたが……」
「グリーンフロッグね!分かったわ!」
サラさんは凄い勢いで走り去った。
「……何にせよ助かったわ」
「え?あ、はい?良かったですね?」
呆気に取られる。はぁ、業務しましょ……冒険者はまだまだたくさんいるのだから。
サラがグリーンフロッグの生息地に着くと、既にファルセットは居なかった。
「ファルは?!」
「ファルセットなら帰ったぞ……」
疲れた顔のジョルドが答える。
「うそーーー!入れ違い?!」
「なあ、あんた。ファルセットと付き合い長いよな?」
「え?そうでもないけど……どうしたの?」
「あいつっていつもああなのか?ボスを抱えて無限に刈らされ続ける」
サラは苦笑するしかない。
「あーうん、そんな感じかもね」
「だからあんたたちはそんなに強いのか……?」
ファルがサラ達パーティメンバーに求める要求は確かに高かった。しかし、無理ではない、無謀ではない。そんなちょうどいい目標設定。それがファルのすごさの真骨頂なのかもしれない。
「……ファルは凄いよ。絶対にできないことはやらせない。頑張ればなんとかなることを頑張れるように教えてくれた。……ファルは凄いんだよ」
それなのに、クランというつながりを切られてしまって、サラはどうしたらいいか分からない。
「そういえば、キングブラックフロッグをギルドに納品しに行くって言ってたぞ」
「それを早く言えーーーーーーーー!」
サラも大急ぎでギルドへ戻るがやはりすれ違いであった。
「うええええええええええ!ファルううううううううう」
月にサラの叫び声がこだましていった。
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