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15 賑やかな夕飯

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「美味しい!ピロンって言った!」 

「美味しい!ピロンって言った!」

「熊の脂は濃いからねー。デザートにモモーの実があるよ」

「全体的にとても美味い!!」

 4人増えたけど、元々人数が多い我が家なのであまり違和感がない。

「モモーの実なんだけどねー。実は食べるとほっぺたが赤ちゃんのほっぺみたいになるのよ!」

 姉ちゃんの一言に女性陣はポロリ、とスプーンを落とした。

「ま、まさか、レベルが上がるだけでなく、び、美肌効果もあるのですか?!」

「多分ー?だってうちの母さん、すべすべだよ?」

 物凄い勢いで、母さんをみる。確かにうちの母さんはすべすべかも?いや、比べる人がいないからよく分からないな。

「あらあら?どうしたのかしら?」

 でも母さん、母さんの割に若いかな……?お姉さんと呼べば呼べる??いやそれは言い過ぎだが、それくらい言っておかねば我が家では死、あるのみだ。

「私の加護だしぃ?おかわりをくれて良いのだヨォ?ドヤドヤァ」

 神ちゃん、お前の仕業か?!

「あらあら、良い子ね」「うふふ、ありがとう」

 我が家の母さんと姉ちゃんと言う2大権力者に取り入りやがって。流石、神。やる事が汚い!

「熊、美味いねー!」

「食べ過ぎると脂でお腹が緩くなるからね?野菜を沢山食べるのよ?」

「うん!タトの野菜は美味しーからいっぱい食べれるー!」

 木のお椀にいっぱい根菜を入れてスプーンでどんどん口に運んでいる。

「負けないぞーー!」

 下の弟妹達が自分達の分が無くなる!と必死でおかわりをしている。そんな感じでうちのコ達は好き嫌いが無くていい子ばっかりだ。

「私、キャロ苦手だったわ。でもこのキャロって不思議ね。土臭くないし、キャロ特有の臭いがないわ」

 魔法使いのシシリーが銀杏切りのキャロをスプーンの上に乗せてじーっと見ている。

「このショユー味のお汁の中に溶け込んだ熊の脂が絡んだお野菜……美味しい……体も温まるし……心もほっこりしてくるわぁ」

「それは心がほっこりしたんじゃ無くて能力が爆上がりしたせいでは……」

「……毎日毎日部屋に閉じこもって古代文献を読み漁ったのは何だったのかしら……ああ、目頭が熱いわ……」

 ま、また泣いてる……妹達が囲んで慰めてるよ……。なんだか罪悪感を覚えちゃうけど、俺に言えることはただ一つ。

「い、いっぱい食べなよ。おかわりいる?」

「頂きます……」

 いっぱい食べて欲しいな……。

「おにぎりもあるよ」

「あるの!?」

「中身梅干しだけど」

「あるの!?」

 あるよ……。まあ、梅干しは庭の梅の木になった梅を漬けて干して作ったんだけどね。またコーディが笑いながら食っている。

「異世界で梅干し入りおにぎり食ってる俺!笑うー!超笑うー!しかも勇者の俺が梅干しおにぎり食ってるー!」

 いいから早く強くなって魔王倒して来いよ!




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