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その他の話
4帰るか
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「……すいませんでしたぁ」
ハイラムの息子達がキーチェに頭を下げている。ついでにヒルデも横を向いたままだったけれど、一応謝罪をしに来たらしい。
「なにがすいませんなの?何でもいいけどもう俺達は町に帰るから好きにしたらいいよ。あと、俺は平民育ちだからね、もう聞き返さないでくれる?」
子供達の会話は全然かみ合っていないけれど、キーチェは自分の意見をきちんと言えた。流石俺の子素晴らしい。
「……平民だって馬鹿にした」
そう言われてキーチェは目を丸くする。
「えっ!どうして平民だと馬鹿なの!?そんな訳ないのに!ねえねえそれ誰に習ったの?先生じゃないよね??俺に勉強を教えてくれた先生はそんなこと言わなかったもん、ねえ、誰に聞いたの??それ間違ってるから教えてくれた人に文句言った方が良いよ!」
キーチェはどこまでも正しい。平民は大切だ、王族ならそう習う。しかしその頭の中は平民の上に王族が立っている大前提で進むだろう。だから、平民は見下していい存在だと傲慢になる。
「そ、それは……お祖母様が……」
あーやっぱり出て来ちゃったか、現王の側妃様が。獅子の獣人一族だって言ってて、俺のことを毛嫌いしてるんだよな。
どうもリオウ達のお母様である正妃様が第一子のランシャ王女を産んだ後、しばらく子供に恵まれなかったらしい。しばらくと言っても2年くらいらしいけど。そこで、部下達からの熱心な勧めで迎えたのが側妃様だった。
しかし側妃様が来て暫くして、正妃様はリオウを身籠った。まあいろいろな憶測が飛んだが、側妃様も直ぐに授かり二人は歳の近い王子を産むことになる。
リオウとハイラム。しかし虎族の正妃様の子供のリオウは虎らしい虎獣人に、獅子族の側妃様の子供は虎と獅子が混じったライガーになってしまった。歳は近くてもこうなると王太子はリオウに決定してしまう。それが側妃様は受け入れ難く、ハイラムと双子のヒルデにいろいろな偏った教育を施したらしい。
その結果、ハイラムの息子達はキーチェ以下俺の子供達を馬鹿みたいに敵視するようになった。そういうことらしいかった。
「ふーん、そうなんだ。違うよって教えて上げたら?」
あー側妃様がいなくて良かったよ。キーチェの台詞は最高の煽り文句だもんな。それに俺達を貶める材料も「平民育ち」しかないしなぁ。なんだかんだで俺の魔石加工技術はすごいらしいし。
さあ、この辺でキーチェを止めよう。やっぱり矢面は親の俺じゃないとね。
「どちらにせよ、私達は町に帰るつもりでした。魔石も研究が進んだし、もう私がいる必要もない」
俺は偉い人の前だから自分のことを私って言う。TPOの分かる人間なんだぜ。
「そう言う訳で我々は帰ります。短い間でしたがお世話になりました。リオウは置いていきますので、たくさんコキ使ってやって下さい」
ペコリと頭を下げる。隣で青い顔をしている奴なんか知らん。お前は国民のために働くべき、6年もサボったんだろう?
「いや、俺もカイリについて行く。王太子はロデルが相応しい、うん。俺は町でカイリと子供達と幸せに暮らす。と言うかカイリ、一人で5人も面倒見れる訳ないだろう?絶対に俺も行く」
「ヘンリーんちの子供達マジで優秀だから問題ない。金はあるし、お前がいなくても大丈夫だ」
「嫌だ!俺が嫌だ!」
「駄々を捏ねるな」
キーチェより聞き分けが悪いんだよ、リオウはさぁ!
ハイラムの息子達がキーチェに頭を下げている。ついでにヒルデも横を向いたままだったけれど、一応謝罪をしに来たらしい。
「なにがすいませんなの?何でもいいけどもう俺達は町に帰るから好きにしたらいいよ。あと、俺は平民育ちだからね、もう聞き返さないでくれる?」
子供達の会話は全然かみ合っていないけれど、キーチェは自分の意見をきちんと言えた。流石俺の子素晴らしい。
「……平民だって馬鹿にした」
そう言われてキーチェは目を丸くする。
「えっ!どうして平民だと馬鹿なの!?そんな訳ないのに!ねえねえそれ誰に習ったの?先生じゃないよね??俺に勉強を教えてくれた先生はそんなこと言わなかったもん、ねえ、誰に聞いたの??それ間違ってるから教えてくれた人に文句言った方が良いよ!」
キーチェはどこまでも正しい。平民は大切だ、王族ならそう習う。しかしその頭の中は平民の上に王族が立っている大前提で進むだろう。だから、平民は見下していい存在だと傲慢になる。
「そ、それは……お祖母様が……」
あーやっぱり出て来ちゃったか、現王の側妃様が。獅子の獣人一族だって言ってて、俺のことを毛嫌いしてるんだよな。
どうもリオウ達のお母様である正妃様が第一子のランシャ王女を産んだ後、しばらく子供に恵まれなかったらしい。しばらくと言っても2年くらいらしいけど。そこで、部下達からの熱心な勧めで迎えたのが側妃様だった。
しかし側妃様が来て暫くして、正妃様はリオウを身籠った。まあいろいろな憶測が飛んだが、側妃様も直ぐに授かり二人は歳の近い王子を産むことになる。
リオウとハイラム。しかし虎族の正妃様の子供のリオウは虎らしい虎獣人に、獅子族の側妃様の子供は虎と獅子が混じったライガーになってしまった。歳は近くてもこうなると王太子はリオウに決定してしまう。それが側妃様は受け入れ難く、ハイラムと双子のヒルデにいろいろな偏った教育を施したらしい。
その結果、ハイラムの息子達はキーチェ以下俺の子供達を馬鹿みたいに敵視するようになった。そういうことらしいかった。
「ふーん、そうなんだ。違うよって教えて上げたら?」
あー側妃様がいなくて良かったよ。キーチェの台詞は最高の煽り文句だもんな。それに俺達を貶める材料も「平民育ち」しかないしなぁ。なんだかんだで俺の魔石加工技術はすごいらしいし。
さあ、この辺でキーチェを止めよう。やっぱり矢面は親の俺じゃないとね。
「どちらにせよ、私達は町に帰るつもりでした。魔石も研究が進んだし、もう私がいる必要もない」
俺は偉い人の前だから自分のことを私って言う。TPOの分かる人間なんだぜ。
「そう言う訳で我々は帰ります。短い間でしたがお世話になりました。リオウは置いていきますので、たくさんコキ使ってやって下さい」
ペコリと頭を下げる。隣で青い顔をしている奴なんか知らん。お前は国民のために働くべき、6年もサボったんだろう?
「いや、俺もカイリについて行く。王太子はロデルが相応しい、うん。俺は町でカイリと子供達と幸せに暮らす。と言うかカイリ、一人で5人も面倒見れる訳ないだろう?絶対に俺も行く」
「ヘンリーんちの子供達マジで優秀だから問題ない。金はあるし、お前がいなくても大丈夫だ」
「嫌だ!俺が嫌だ!」
「駄々を捏ねるな」
キーチェより聞き分けが悪いんだよ、リオウはさぁ!
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