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2 第三の性とは??
しおりを挟む「すっごーい!魔法とか!!」
「ヒューも凄いぞ」
俺とヒュー君は身柄を召喚神殿から王宮に移された。そこでこの世界について色々教えて貰っている。幸いな事に言葉は分かるのはありがたい。
「ヒュー君は、勇者ですか?」
「……そのようだ、という事です」
「そうか……なら良かったです」
剣と魔法の世界で生き生きしているヒュー君。それに比べて俺は体調を崩してベッドで寝ていた。
「世界移動の反動でしょう、との事です」
「元々の疲れや睡眠不足もありましたから」
ベッドの上で身を起こし、窓の外でヒュー君がこの国の王子とじゃれあっているのを眺めていた。侍女のメイリンと言うとても可愛らしい女性が甲斐甲斐しく世話をしてくれている。
「カイリ様の場合、身体が作り替えられたと言うのも大きいと思います」
「ああ、オメガ、だっけ?」
「ええ。第三の性がない世界もあったのですね」
この世界には第三の性と言われるアルファとベータ、オメガが存在しているらしい。大半を占める「普通」のベータ。
数%いると言う「支配階級」アルファ。それより希少だが「劣等種」オメガ。簡単に分けたらそんな感じ。
ヒュー君は見事にアルファとなり、オマケの俺はオメガへと変化してしまった。
「お気をつけ下さいませ。オメガが力で押さえつけられうなじを噛まれてしまうと強制的にアルファのつがいとされてしまいますから」
「……怖いな」
「ネックガードを外されませんよう」
「うん」
きつく言われていた。ヒートと言う発情期がある事、フェロモンでアルファを誘引してしまう事がある事、色々教えて貰い、ベッドから起きて普通に生活できるようになるまで1か月もかかってしまった。
「やっぱり俺はオマケらしいね」
「申し訳ございません」
体調が回復した俺の所に偉い神官さんが現れるようになった。ヒュー君は伝説の勇者として修行を始めたらしく、中々順調そうだと言う事だ。
最近顔も見ていないけれど、元気でやっているんだろう。
「俺はどうしたら良いかな?」
「しばらく神殿で暮らしてみてはいかがでしょう?召喚したのは我ら神殿ですし、カイリ様にも何か使命があるのでは?と我々は思っております」
「そう、ですね」
俺は神殿に移動する事になった。そこで何かが見つかれば良いなと思いながら。
だから俺は全く気が付かなかったんだ。ヒュー君が順調じゃなかった事なんて。
「ヒューも凄いぞ」
俺とヒュー君は身柄を召喚神殿から王宮に移された。そこでこの世界について色々教えて貰っている。幸いな事に言葉は分かるのはありがたい。
「ヒュー君は、勇者ですか?」
「……そのようだ、という事です」
「そうか……なら良かったです」
剣と魔法の世界で生き生きしているヒュー君。それに比べて俺は体調を崩してベッドで寝ていた。
「世界移動の反動でしょう、との事です」
「元々の疲れや睡眠不足もありましたから」
ベッドの上で身を起こし、窓の外でヒュー君がこの国の王子とじゃれあっているのを眺めていた。侍女のメイリンと言うとても可愛らしい女性が甲斐甲斐しく世話をしてくれている。
「カイリ様の場合、身体が作り替えられたと言うのも大きいと思います」
「ああ、オメガ、だっけ?」
「ええ。第三の性がない世界もあったのですね」
この世界には第三の性と言われるアルファとベータ、オメガが存在しているらしい。大半を占める「普通」のベータ。
数%いると言う「支配階級」アルファ。それより希少だが「劣等種」オメガ。簡単に分けたらそんな感じ。
ヒュー君は見事にアルファとなり、オマケの俺はオメガへと変化してしまった。
「お気をつけ下さいませ。オメガが力で押さえつけられうなじを噛まれてしまうと強制的にアルファのつがいとされてしまいますから」
「……怖いな」
「ネックガードを外されませんよう」
「うん」
きつく言われていた。ヒートと言う発情期がある事、フェロモンでアルファを誘引してしまう事がある事、色々教えて貰い、ベッドから起きて普通に生活できるようになるまで1か月もかかってしまった。
「やっぱり俺はオマケらしいね」
「申し訳ございません」
体調が回復した俺の所に偉い神官さんが現れるようになった。ヒュー君は伝説の勇者として修行を始めたらしく、中々順調そうだと言う事だ。
最近顔も見ていないけれど、元気でやっているんだろう。
「俺はどうしたら良いかな?」
「しばらく神殿で暮らしてみてはいかがでしょう?召喚したのは我ら神殿ですし、カイリ様にも何か使命があるのでは?と我々は思っております」
「そう、ですね」
俺は神殿に移動する事になった。そこで何かが見つかれば良いなと思いながら。
だから俺は全く気が付かなかったんだ。ヒュー君が順調じゃなかった事なんて。
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