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いいえ、メイドです
20 誰もが働かねば
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「し、仕事?」
「ああ、浜に海藻を拾いに行くんだ。早い物勝ちだし……これもアルカンジェル様のお陰だぞ」
貧民街の子供達に仕事をさせているなんて!ユーシスとユーノはそう思ったけど物凄く馬鹿にした顔で見られた。
「くそだな、お前。子供の読み書きも出来ねえ孤児が出来る仕事を用意して貰えるだけありがてぇって思わねぇの?」
「だって、子供が働くなんて」
「死ねってか?養ってくれるやつなんかいねーってわかってねぇの?」
そんなことすら分かっていなかった。親の庇護がないと言う現実を知らない子供。
「行くぞ、こっちだ」
何かと二人に世話を焼いてくれる少年はルカと言う。この辺りの子供達の取りまとめをしていて、数人の孤児の世話もしている。
「ノールの兄貴!あの子俺たちより有能ッスね!」
「ヒュー……あなた馴染みすぎですよ……」
ノルドは自分はともかく、ヒューバードがちゃんと貴族に戻れるか少しだけ不安になったが、交代で護衛に付いているのだ。
「はーレミさんの所行かされたり、レラさんの所行かされたり、大変ッス」
近くにいないと愚痴が漏れる様だが、ノルドにしてみれば、もうヒューバードのとばっちりはごめんなのである。
「誰がきいてるか分からないのに良くそんな事が言えますね」
「ヒュー、暇そうね。海岸の掃除をして来なさい」
「ひえっー?!」
やっぱりそうなった、とノルドはため息をつくしかない。
「海岸に打ち上げられたコンブという海藻を拾って集めるんだ」
「簡単じゃないか」
ルカの話もまともに聞かず、ユーシスとユーノは海岸に走って行く。既に沢山の人が海藻を拾っていた。
「う、うわぁぁーーー!」
「ま、魔マナコだー!」
海からオレンジの触手が伸びて来て大人の足に絡まっている。
「負けるなー!ひっぱれー!」
「負ければ食われるぞー!」
「引き上げれば買い取って貰えるぞー!!」
大人達はわっと駆け寄り、綱引きが始まる。しばらく引き合いをしていたがナマコが根を上げたようで、ズルリと海から引き上げられる。
「う、うえ」
大人二人分くらいありそうなブヨブヨのでかいナマコが砂浜に引き出され、男達がいそいそと運んでいく。
「な、何あれ」
「ナマコだよ。あれを乾燥させると高級食材になるとかで高く買い取ってくれるんだ。魔の海のせいで海の生き物は何もかもおかしくなってる」
ルカが後ろから追い付いて来た。
「海に引き込まれるなよ?死ぬから。でもああやって大物を引き上げられればしばらく買うには困らないくらい金は入る。命懸けってこと、忘れんな」
命懸け、生きる事は命懸けだと目の前で思い知る。
しかしその日は大物と言われる物が大量に打ち上げられていて、参加した人達はかなり美味しい思いをした。
「んーなんで半死半生か死んでるのがぷかぷか浮かんでるんだ??」
「さあ?金になるから、いいんじゃねぇ?!」
「ヒュー!やり過ぎだ!」
「えー!」
「ああ、浜に海藻を拾いに行くんだ。早い物勝ちだし……これもアルカンジェル様のお陰だぞ」
貧民街の子供達に仕事をさせているなんて!ユーシスとユーノはそう思ったけど物凄く馬鹿にした顔で見られた。
「くそだな、お前。子供の読み書きも出来ねえ孤児が出来る仕事を用意して貰えるだけありがてぇって思わねぇの?」
「だって、子供が働くなんて」
「死ねってか?養ってくれるやつなんかいねーってわかってねぇの?」
そんなことすら分かっていなかった。親の庇護がないと言う現実を知らない子供。
「行くぞ、こっちだ」
何かと二人に世話を焼いてくれる少年はルカと言う。この辺りの子供達の取りまとめをしていて、数人の孤児の世話もしている。
「ノールの兄貴!あの子俺たちより有能ッスね!」
「ヒュー……あなた馴染みすぎですよ……」
ノルドは自分はともかく、ヒューバードがちゃんと貴族に戻れるか少しだけ不安になったが、交代で護衛に付いているのだ。
「はーレミさんの所行かされたり、レラさんの所行かされたり、大変ッス」
近くにいないと愚痴が漏れる様だが、ノルドにしてみれば、もうヒューバードのとばっちりはごめんなのである。
「誰がきいてるか分からないのに良くそんな事が言えますね」
「ヒュー、暇そうね。海岸の掃除をして来なさい」
「ひえっー?!」
やっぱりそうなった、とノルドはため息をつくしかない。
「海岸に打ち上げられたコンブという海藻を拾って集めるんだ」
「簡単じゃないか」
ルカの話もまともに聞かず、ユーシスとユーノは海岸に走って行く。既に沢山の人が海藻を拾っていた。
「う、うわぁぁーーー!」
「ま、魔マナコだー!」
海からオレンジの触手が伸びて来て大人の足に絡まっている。
「負けるなー!ひっぱれー!」
「負ければ食われるぞー!」
「引き上げれば買い取って貰えるぞー!!」
大人達はわっと駆け寄り、綱引きが始まる。しばらく引き合いをしていたがナマコが根を上げたようで、ズルリと海から引き上げられる。
「う、うえ」
大人二人分くらいありそうなブヨブヨのでかいナマコが砂浜に引き出され、男達がいそいそと運んでいく。
「な、何あれ」
「ナマコだよ。あれを乾燥させると高級食材になるとかで高く買い取ってくれるんだ。魔の海のせいで海の生き物は何もかもおかしくなってる」
ルカが後ろから追い付いて来た。
「海に引き込まれるなよ?死ぬから。でもああやって大物を引き上げられればしばらく買うには困らないくらい金は入る。命懸けってこと、忘れんな」
命懸け、生きる事は命懸けだと目の前で思い知る。
しかしその日は大物と言われる物が大量に打ち上げられていて、参加した人達はかなり美味しい思いをした。
「んーなんで半死半生か死んでるのがぷかぷか浮かんでるんだ??」
「さあ?金になるから、いいんじゃねぇ?!」
「ヒュー!やり過ぎだ!」
「えー!」
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