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マリナデット・ウィフラート
46 やる事がいっぱいにゃん
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「冬の女神……の使者のようです!」
「ありがとうございます?」
ただ寒くて暖かい毛皮のマントが欲しかっただけなのに。どこに行ってもそんな事を言われてしまう。
「あのホワイトサーベルタイガーを一頭丸々使った贅沢なコートを優雅に着こなしていらっしゃる!なんとお美しい姿!本当に男性なのか?!」
「……あれ?」
「テスラ様と揃いのコートなのですよね!お二人で並んでいるとまるで絵画のよう!」
「はぁそんなことないと思いますけど」
「そんなことあります!」
……もしかして私は間違ったものを作ってしまったのかしら?一つ作るなら二つ作るのも一緒かと思って3体分の皮は2着のマントに仕立てて貰った。予備も特に要らないから、上質な外套を持っていないテスラ様にプレゼントしたのだ。勿論、現在の国の顔である王太子メディオ様にはブルーホワイトタイガーの皮で作ったほんのり青みがかった毛皮のマントだ。とても良く似合っていらして、仕立てた親方の腕前の良さに感服したものです。
「ほ、宝物庫にしまっておいても……?」
「着てください、何のために仕立てたと思っているんですか!」
ため息の出るやり取りを思い出してしまう。王太子なのに、身に着けている物がイマイチなのも問題がありすぎですわ。
「でも丈夫らしいし、良い物を長く着る方が好きなのですけれど」
「そうですね、マリウス様は何を着ても似合うのでそれでいいと思います」
「私もそう思います」
エレンとエレナに太鼓判を押されてちょっと安心するわ。だってエレンもエレナもサーベルタイガーはだれでも狩れるって言ってるもの。私は二人を信じます!
「元財務大臣の処刑が決まったぞ」
「やはり払えませんでしたか」
すぐに全財産を処分すればギリギリ間に合う額を算出していましたのに。想定内過ぎて困りますね。
「期限から10日過ぎたのでな。サイラス商会とやらがやって来て根こそぎ持ち出したらしい」
「ええ、サイラスは信用に足る商会です。彼女にかかれば、あの家のネズミ1匹に至るまで、全部売り払って下さいます」
いい笑顔でそろばんを弾くマリーカの顔が浮かんで笑みが溢れます。きっと盛大にやってくれているでしょう、心強いですわ。
「奴隷落ちで良いのだな?首は飛ばさなくても」
「ええ、死体より奴隷の方がまだ使えますから……多分、ですが」
「そうだな」
最初の処分者なので、見せしめ的な意味もあります。今まで見逃されて来たけれど、今日からは違うんだと全員、肝に銘じて貰わないといけません。この国は変わって行かなければ後がありませんからね。
「所で、陛下はこの事をご存知なのですか?」
「……終わらせてから話す」
「ならば、途中で邪魔されぬよう、裏切り者の対処はお任せしますね」
「分かった」
ご病気で臥せっていらっしゃると言う現陛下。事なかれ主義者の雰囲気はしますけれど、どう出るか。
「手を打っておかねばならないでしょうね」
この国にお兄様も何故か来ていらっしゃるらしいし、色々手伝って貰えそうです。
「何しに来ているのかしら??」
隣国視察と言うやつなのかしらね?しかもお忍びでなんて。あんまり見所のない国なのに。
「やっぱり寒いのがいけないのです。温泉入りましょ」
寒い時の温泉って最高ですもんね!
「ありがとうございます?」
ただ寒くて暖かい毛皮のマントが欲しかっただけなのに。どこに行ってもそんな事を言われてしまう。
「あのホワイトサーベルタイガーを一頭丸々使った贅沢なコートを優雅に着こなしていらっしゃる!なんとお美しい姿!本当に男性なのか?!」
「……あれ?」
「テスラ様と揃いのコートなのですよね!お二人で並んでいるとまるで絵画のよう!」
「はぁそんなことないと思いますけど」
「そんなことあります!」
……もしかして私は間違ったものを作ってしまったのかしら?一つ作るなら二つ作るのも一緒かと思って3体分の皮は2着のマントに仕立てて貰った。予備も特に要らないから、上質な外套を持っていないテスラ様にプレゼントしたのだ。勿論、現在の国の顔である王太子メディオ様にはブルーホワイトタイガーの皮で作ったほんのり青みがかった毛皮のマントだ。とても良く似合っていらして、仕立てた親方の腕前の良さに感服したものです。
「ほ、宝物庫にしまっておいても……?」
「着てください、何のために仕立てたと思っているんですか!」
ため息の出るやり取りを思い出してしまう。王太子なのに、身に着けている物がイマイチなのも問題がありすぎですわ。
「でも丈夫らしいし、良い物を長く着る方が好きなのですけれど」
「そうですね、マリウス様は何を着ても似合うのでそれでいいと思います」
「私もそう思います」
エレンとエレナに太鼓判を押されてちょっと安心するわ。だってエレンもエレナもサーベルタイガーはだれでも狩れるって言ってるもの。私は二人を信じます!
「元財務大臣の処刑が決まったぞ」
「やはり払えませんでしたか」
すぐに全財産を処分すればギリギリ間に合う額を算出していましたのに。想定内過ぎて困りますね。
「期限から10日過ぎたのでな。サイラス商会とやらがやって来て根こそぎ持ち出したらしい」
「ええ、サイラスは信用に足る商会です。彼女にかかれば、あの家のネズミ1匹に至るまで、全部売り払って下さいます」
いい笑顔でそろばんを弾くマリーカの顔が浮かんで笑みが溢れます。きっと盛大にやってくれているでしょう、心強いですわ。
「奴隷落ちで良いのだな?首は飛ばさなくても」
「ええ、死体より奴隷の方がまだ使えますから……多分、ですが」
「そうだな」
最初の処分者なので、見せしめ的な意味もあります。今まで見逃されて来たけれど、今日からは違うんだと全員、肝に銘じて貰わないといけません。この国は変わって行かなければ後がありませんからね。
「所で、陛下はこの事をご存知なのですか?」
「……終わらせてから話す」
「ならば、途中で邪魔されぬよう、裏切り者の対処はお任せしますね」
「分かった」
ご病気で臥せっていらっしゃると言う現陛下。事なかれ主義者の雰囲気はしますけれど、どう出るか。
「手を打っておかねばならないでしょうね」
この国にお兄様も何故か来ていらっしゃるらしいし、色々手伝って貰えそうです。
「何しに来ているのかしら??」
隣国視察と言うやつなのかしらね?しかもお忍びでなんて。あんまり見所のない国なのに。
「やっぱり寒いのがいけないのです。温泉入りましょ」
寒い時の温泉って最高ですもんね!
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