32 / 60
マリナデット・ウィフラート
31 北の魔女様ですにゃん
しおりを挟む
「そうだ、ギラの温泉に行こう」
そんな合言葉のようなものが飛び交っている。
「まりにゃんが入った温泉があるらしい」
「ふ、湯治という文化を知っているかね?紳士諸君」
皆んなから袋叩きにされて、色々変形したヴィクトルが立ち上がる。
「なるほど、然り」
「素晴らしい、名案です」
「ならば、ギラへ」
男達は北を目指すのだった。
「所で温泉のお湯はどこに捨てているのかな?!」
「然り!」「然り!」「然り!」
「実際どうします?マリナ様」
「うーん、悩んでいるのですよ」
温泉から出て、ほこほこと温まったマリナはエレンとエレナにお肌の手入れをして貰っていた。
「私達の国に居ても、どこかの貴族に男である事を隠したまま輿入れ……それは一番避けたい事なんです」
騙す上にバレたらどんな目に合うか分からない。
「かと言って、テスラ王子と結婚も……やはり結婚するなら女性と結婚したいんです」
それは難しいかもしれないと、双子は思う。これだけの美貌の隣に立つのはなかなか勇気がいることではなかろうか?
「誰かに相談……あ!そうだわ、北の魔女様のお家が近いわね!エレナ、連絡取れないかしら?」
「畏まりました、マリナデット様」
「久しぶりにお会いしたいわ、こちらにお越し頂けないかしら?」
「ご招待してみましょう」
「まあ!マリナデット。本当に久しぶりねぇ!今日は呼んでくれて嬉しいわ!わたくしったら魔女でしょう?招かれないと入れない場所が多くて困るわぁ」
「ふふ!それはお姉様が魅了的過ぎるのがイケナイって知ってましてよ?借家なのですが、温泉もついていて悪くないですわ。お寛ぎいただけたら嬉しいのですけれど」
ふふ!マリナデットは可愛いわね!と北魔女ノーレスフィアリディアは仰って下さいます。金の巻き毛に豊満なお体のとっても魅力的で美しい魔女様なんですよ。
素敵過ぎて男性は魂を抜かれるともっぱらの噂です。
「そんな事もあるような、ないような?うふふふ」
妖艶に笑うノーレス様は本当にお美しいのです。私も魂が抜けてしまうかもしれませんわ。
温泉に入り、エレンとエレナのお料理を召し上がって頂いた後で私はやっとお話を聞いていただけることになりました。
「と、言う訳なのです。私は男子として生きて行きたいのですが、どうも上手く行かないのです」
ノーレス様に隠し事は出来ません。初めて出会った時から、私が男子ということはバレていましたから。
「そりゃそうよーマリナデット。あなたは女性として17年間過ごしたのだから、同じほど男性として過ごさなきゃ釣り合いが取れないわよ」
「あっ!確かに言われる通りですわね!」
「焦らなくて良いのよ、可愛いマリナデット」
ノーレス様にナデナデされてしまいました!きゃあ、嬉しいですわ。こんな美女に可愛いなんて言ってもらえるなんて!
「にしても、マリナデットの国は酷いわね、貴方の父親もちょっと懲らしめた方が良いわ。マリナデット、少しこの国に居なさいな」
「え、でも……」
「大丈夫、あの第二王子なら、たたないように呪いでもかけておくから大丈夫よ」
「立たない?足ですか?」
違うけど大丈夫よーそーれ、悪さ出来なくなーれっと!ノーレス様がちちょいと指先を振ると何か黒い塊が現れて、凄い勢いで王城の方に飛んで行きました。
何でしょう?あれは。
「勃たないだよね」「だよね」
エレンとエレナがボソボソと二人で内緒話をしていますが、良く聞こえません。後で教えて貰いましょう。
そんな合言葉のようなものが飛び交っている。
「まりにゃんが入った温泉があるらしい」
「ふ、湯治という文化を知っているかね?紳士諸君」
皆んなから袋叩きにされて、色々変形したヴィクトルが立ち上がる。
「なるほど、然り」
「素晴らしい、名案です」
「ならば、ギラへ」
男達は北を目指すのだった。
「所で温泉のお湯はどこに捨てているのかな?!」
「然り!」「然り!」「然り!」
「実際どうします?マリナ様」
「うーん、悩んでいるのですよ」
温泉から出て、ほこほこと温まったマリナはエレンとエレナにお肌の手入れをして貰っていた。
「私達の国に居ても、どこかの貴族に男である事を隠したまま輿入れ……それは一番避けたい事なんです」
騙す上にバレたらどんな目に合うか分からない。
「かと言って、テスラ王子と結婚も……やはり結婚するなら女性と結婚したいんです」
それは難しいかもしれないと、双子は思う。これだけの美貌の隣に立つのはなかなか勇気がいることではなかろうか?
「誰かに相談……あ!そうだわ、北の魔女様のお家が近いわね!エレナ、連絡取れないかしら?」
「畏まりました、マリナデット様」
「久しぶりにお会いしたいわ、こちらにお越し頂けないかしら?」
「ご招待してみましょう」
「まあ!マリナデット。本当に久しぶりねぇ!今日は呼んでくれて嬉しいわ!わたくしったら魔女でしょう?招かれないと入れない場所が多くて困るわぁ」
「ふふ!それはお姉様が魅了的過ぎるのがイケナイって知ってましてよ?借家なのですが、温泉もついていて悪くないですわ。お寛ぎいただけたら嬉しいのですけれど」
ふふ!マリナデットは可愛いわね!と北魔女ノーレスフィアリディアは仰って下さいます。金の巻き毛に豊満なお体のとっても魅力的で美しい魔女様なんですよ。
素敵過ぎて男性は魂を抜かれるともっぱらの噂です。
「そんな事もあるような、ないような?うふふふ」
妖艶に笑うノーレス様は本当にお美しいのです。私も魂が抜けてしまうかもしれませんわ。
温泉に入り、エレンとエレナのお料理を召し上がって頂いた後で私はやっとお話を聞いていただけることになりました。
「と、言う訳なのです。私は男子として生きて行きたいのですが、どうも上手く行かないのです」
ノーレス様に隠し事は出来ません。初めて出会った時から、私が男子ということはバレていましたから。
「そりゃそうよーマリナデット。あなたは女性として17年間過ごしたのだから、同じほど男性として過ごさなきゃ釣り合いが取れないわよ」
「あっ!確かに言われる通りですわね!」
「焦らなくて良いのよ、可愛いマリナデット」
ノーレス様にナデナデされてしまいました!きゃあ、嬉しいですわ。こんな美女に可愛いなんて言ってもらえるなんて!
「にしても、マリナデットの国は酷いわね、貴方の父親もちょっと懲らしめた方が良いわ。マリナデット、少しこの国に居なさいな」
「え、でも……」
「大丈夫、あの第二王子なら、たたないように呪いでもかけておくから大丈夫よ」
「立たない?足ですか?」
違うけど大丈夫よーそーれ、悪さ出来なくなーれっと!ノーレス様がちちょいと指先を振ると何か黒い塊が現れて、凄い勢いで王城の方に飛んで行きました。
何でしょう?あれは。
「勃たないだよね」「だよね」
エレンとエレナがボソボソと二人で内緒話をしていますが、良く聞こえません。後で教えて貰いましょう。
42
お気に入りに追加
1,031
あなたにおすすめの小説
出戻り聖女はもう泣かない
たかせまこと
BL
西の森のとば口に住むジュタは、元聖女。
男だけど元聖女。
一人で静かに暮らしているジュタに、王宮からの使いが告げた。
「王が正室を迎えるので、言祝ぎをお願いしたい」
出戻りアンソロジー参加作品に加筆修正したものです。
ムーンライト・エブリスタにも掲載しています。
表紙絵:CK2さま
とある隠密の受難
nionea
BL
普通に仕事してたら突然訳の解らない魔法で王子の前に引きずり出された隠密が、必死に自分の貞操を守ろうとするお話。
銀髪碧眼の美丈夫な絶倫王子 と 彼を観察するのが仕事の中肉中背平凡顔の隠密
果たして隠密は無事貞操を守れるのか。
頑張れ隠密。
負けるな隠密。
読者さんは解らないが作者はお前を応援しているぞ。たぶん。
※プロローグだけ隠密一人称ですが、本文は三人称です。
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。
牢獄の王族
夜瑠
BL
革命軍の隊長×囚われの王子
歪んだ人生を歩んできた2人の人生が交差する。王家を憎む青年。王家ではあるものの奴隷のような扱いを受けていた少年。
これは同情か、愛情か、それとも憎悪なのか。
*完結しました!今まで読んでいただきありがとうございます。番外編など思いついたら上げていきます。
繋がれた絆はどこまでも
mahiro
BL
生存率の低いベイリー家。
そんな家に生まれたライトは、次期当主はお前であるのだと父親である国王は言った。
ただし、それは公表せず表では双子の弟であるメイソンが次期当主であるのだと公表するのだという。
当主交代となるそのとき、正式にライトが当主であるのだと公表するのだとか。
それまでは国を離れ、当主となるべく教育を受けてくるようにと指示をされ、国を出ることになったライト。
次期当主が発表される数週間前、ライトはお忍びで国を訪れ、屋敷を訪れた。
そこは昔と大きく異なり、明るく温かな空気が流れていた。
その事に疑問を抱きつつも中へ中へと突き進めば、メイソンと従者であるイザヤが突然抱き合ったのだ。
それを見たライトは、ある決意をし……?
新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる