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マリナデット・ウィフラート
22 勇者にゃん1
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「そこの女!こっちへ来い!」
マリナは一瞬、キョロキョロと辺りをみたが
「どうなさったんです?マリウス様」
そうエレンに言われ、ハッとした。
「なんでもないよ、エレン。ちょっとだけ間違いかけただけ!今日の依頼は……スライムで良いかなぁ?」
300年くらい倒し続ければ強くなれそうな依頼を受ける。さしものマリナもそんなに生きる事はできないと思うが。
「女!そこの女!勇者である俺が直々に声をかけてるんだぞ!こっちに来い!」
今日も依頼書を静かに剥がし、受付に持って行く。
「マリウスさん、今日もスライムですか?」
にっこりにこにこ、上機嫌でギルドの受付の男性が依頼書を受け取ってくれた。少し前まで、女性がいたのに、最近は男性が受け付けてくれる。
「はい。そろそろ別の物にも挑んでみたいのですが、なかなか自信がなくて……」
スライムじゃもうダメなのは分かっている。何せ時間がないのに、こんな所で足踏みをしているわけに行かないんだけれどもね。
「女ぁ!無視するな!そこの銀髪の女!」
ギルドの男性職員は顔をしかめる。
「うるさい奴がいますね。受け付けましたので、頑張って下さい。冒険者は命がけの職業です。無理をしても何も良い事はありませんよ?貴方に神の御加護を」
ふわりと体が軽くなった気がする。
「ありがとうございます。行ってきますね!」
「はい!お気をつけて、マリウスさん」
マリナは足取りも軽く、冒険者ギルドの扉を開けて外に出て行く。
「はぁん……まりにゃんとお話しちゃったぁ……!」
男性職員はにへらーと笑って後ろに立っているギルド長にどっさり金を渡した。
「明日も頼む!」
「すいません、殿下。明日は別の方の予約が入ってまして……」
「明後日は?!」
「明後日も予約が……10日後なら……」
「くっ!それで頼むっ!因みに戻りの受け付け枠は……?」
「8日後なら……」
「押さえてくれ!」
「毎度ありー……」
ギルド長は痛い頭を押さえたが、この臨時収入を見逃す手はなかった。
まりにゃんと合法的に、しかも確定でお話できる権は非常に良い金額で売れた……。
「ただ今戻りました」
「お帰りなさい、マリウスさん。依頼達成おめでとうございます!」
スライムを蹴飛ばして帰って来ると、ギルドの受付の男性も初めて見る人に変わっていた。
「ありがとうございます。新しい受付さんなのですか?」
「はぁ!可愛い!じゃなかった。はいそうなんです!よろしくお願いしますね!ふぅ!」
「こちらこそよろしくお願いします」
にこりと笑うと
「眼福よ……!」
何か後ろに仰反る不思議な職員だった。依頼終了の判子と報酬を受け取っていると
「おい!てめーだ!女ぁ!朝は散々無視しやがって……うおっ?!」
「「何用ですかっ?!」」
ダンっ!床を強く踏み鳴らす音が2人分だが揃って聞こえたら、マリナの背後に手を伸ばしていた男の首元には抜身の長剣が、腹には打ち込む寸前の火の玉がエレンとエレナの手によって準備されていた。
ついでに男の右足はエレナが左足はエレンが踏んでいる。
もっと言えば、今まで和やかに話していたギルド職員(?)も飛び出す寸前の氷の塊を手に持っているし、左右には馬鹿でかい剣を持つ男が立っているし、天井からは何本ナイフが狙っているか分からないし、足元の影は蠢いていて、号令一つで何が飛び出して来るか分かった物ではない。
「え?私ですか?」
そんな中で平然とマリナは振り返った。
「お間違えのようですが、私は女性じゃないですよ?」
変な人ですね、そう普通に呟いた。
マリナは一瞬、キョロキョロと辺りをみたが
「どうなさったんです?マリウス様」
そうエレンに言われ、ハッとした。
「なんでもないよ、エレン。ちょっとだけ間違いかけただけ!今日の依頼は……スライムで良いかなぁ?」
300年くらい倒し続ければ強くなれそうな依頼を受ける。さしものマリナもそんなに生きる事はできないと思うが。
「女!そこの女!勇者である俺が直々に声をかけてるんだぞ!こっちに来い!」
今日も依頼書を静かに剥がし、受付に持って行く。
「マリウスさん、今日もスライムですか?」
にっこりにこにこ、上機嫌でギルドの受付の男性が依頼書を受け取ってくれた。少し前まで、女性がいたのに、最近は男性が受け付けてくれる。
「はい。そろそろ別の物にも挑んでみたいのですが、なかなか自信がなくて……」
スライムじゃもうダメなのは分かっている。何せ時間がないのに、こんな所で足踏みをしているわけに行かないんだけれどもね。
「女ぁ!無視するな!そこの銀髪の女!」
ギルドの男性職員は顔をしかめる。
「うるさい奴がいますね。受け付けましたので、頑張って下さい。冒険者は命がけの職業です。無理をしても何も良い事はありませんよ?貴方に神の御加護を」
ふわりと体が軽くなった気がする。
「ありがとうございます。行ってきますね!」
「はい!お気をつけて、マリウスさん」
マリナは足取りも軽く、冒険者ギルドの扉を開けて外に出て行く。
「はぁん……まりにゃんとお話しちゃったぁ……!」
男性職員はにへらーと笑って後ろに立っているギルド長にどっさり金を渡した。
「明日も頼む!」
「すいません、殿下。明日は別の方の予約が入ってまして……」
「明後日は?!」
「明後日も予約が……10日後なら……」
「くっ!それで頼むっ!因みに戻りの受け付け枠は……?」
「8日後なら……」
「押さえてくれ!」
「毎度ありー……」
ギルド長は痛い頭を押さえたが、この臨時収入を見逃す手はなかった。
まりにゃんと合法的に、しかも確定でお話できる権は非常に良い金額で売れた……。
「ただ今戻りました」
「お帰りなさい、マリウスさん。依頼達成おめでとうございます!」
スライムを蹴飛ばして帰って来ると、ギルドの受付の男性も初めて見る人に変わっていた。
「ありがとうございます。新しい受付さんなのですか?」
「はぁ!可愛い!じゃなかった。はいそうなんです!よろしくお願いしますね!ふぅ!」
「こちらこそよろしくお願いします」
にこりと笑うと
「眼福よ……!」
何か後ろに仰反る不思議な職員だった。依頼終了の判子と報酬を受け取っていると
「おい!てめーだ!女ぁ!朝は散々無視しやがって……うおっ?!」
「「何用ですかっ?!」」
ダンっ!床を強く踏み鳴らす音が2人分だが揃って聞こえたら、マリナの背後に手を伸ばしていた男の首元には抜身の長剣が、腹には打ち込む寸前の火の玉がエレンとエレナの手によって準備されていた。
ついでに男の右足はエレナが左足はエレンが踏んでいる。
もっと言えば、今まで和やかに話していたギルド職員(?)も飛び出す寸前の氷の塊を手に持っているし、左右には馬鹿でかい剣を持つ男が立っているし、天井からは何本ナイフが狙っているか分からないし、足元の影は蠢いていて、号令一つで何が飛び出して来るか分かった物ではない。
「え?私ですか?」
そんな中で平然とマリナは振り返った。
「お間違えのようですが、私は女性じゃないですよ?」
変な人ですね、そう普通に呟いた。
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