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マリナデット・ウィフラート
16 親友……?にゃん
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「立て!立つのよ!マリナっ違った!マリウス!あなたは男の子なのよ!これ位で負けてたまるもんですかーーー」
ぱたり 次の日マリナは筋肉痛で起き上がれなかった。
「今まで食器より重い物を持った事がないんですから」
「ほ、本だって持ちましたよ!」
「そうですねーようやっとでしたけどねー」
「うぐぐっ」
上がらない両腕でマリナは呻いた。足腰は鍛えていたので問題ないが腕がパンパンに腫れている。元々細いので腫れても人並み以下だったが。
「蹴りならば少しは自信があったのですが、剣はダメでした……」
「……蹴飛ばせば良かったですね!」
「え?」
「マリウス様のキックなら倒せたかもしれません」
「えーー!」
もう一度、ベッドに突っ伏した。どうして気がつかなかったのかしら!と。
「マリナ、頑張ってる?」
「ケイト!」
お昼前の早い時間にケイトニーが現れ、驚いた。
「どうしたの?ケイト。まだ学園の授業中でしょう?あなたは模範生にならなくちゃ」
マリナの真面目な答えにケイトニーはふわりと微笑み返した。
いつでも優しくて隙のない完璧令嬢のマリナデット。ほんと、令嬢として唯一の欠点が男だってことよねー!
むしろ男の子だからこそ、完璧令嬢で居られるのかしら??理想の令嬢像を作ってるのかしら??ああ!可愛いわ!!
ケイトニーは知っていてマリナデットと一緒にいる。マリナデットはケイトニーが知っている事を知らない。
マリナ、是非ともチェイニーの側妃になってね!2人で仲良く暮らしましょう!
実の所、ほぼ完璧令嬢のケイトニーはチェイニー王子の事を別に好きではない。ケイトニーが好きなのはマリナデットただ1人だ。
しかし、マリナデットは世間的には女性であると認識されている。ならば……愛してはいないが、チェイニーのことは信じられる。ケイトニーは取引をした。
「私は貴方の妃として完璧に振る舞って見せます。子供も産みましょう。でも愛しているのはマリナデットです。どんな手を使っても彼女……彼でしょうか?マリナデットを貴方の側妃にしてください。それで私達は仲良く暮らせます!」
これがケイトニーとチェイニーが交わした約束だ。
マリナは私のものよ!ここにも闘志を燃やすものがいたのだった。
「マリナに杖を持って来たんですのよ」
「杖……魔法ですか?!」
「ええ!もしかして剣は得意ではないのかと思って。こちらが精霊魔法特化の杖。こちらが古代語魔法の杖」
どちらもとても可愛らしいデザインで、マリウスが持つには少し可愛らしすぎた。
「でも高性能ですね」
「流石にケイトニー様がお持ちになったものですね」
ひょこっとエレンとエレナは顔を出して杖を見た。
「ケイトニー様、お茶です」
「ケイトニー様、お菓子です」
「ありがとう、エレン、エレナ」
おすまし顔でケイトニーはお茶を頂いた。あー早くマリナと一緒に暮らせる日が待ち遠しいですわ!
ぱたり 次の日マリナは筋肉痛で起き上がれなかった。
「今まで食器より重い物を持った事がないんですから」
「ほ、本だって持ちましたよ!」
「そうですねーようやっとでしたけどねー」
「うぐぐっ」
上がらない両腕でマリナは呻いた。足腰は鍛えていたので問題ないが腕がパンパンに腫れている。元々細いので腫れても人並み以下だったが。
「蹴りならば少しは自信があったのですが、剣はダメでした……」
「……蹴飛ばせば良かったですね!」
「え?」
「マリウス様のキックなら倒せたかもしれません」
「えーー!」
もう一度、ベッドに突っ伏した。どうして気がつかなかったのかしら!と。
「マリナ、頑張ってる?」
「ケイト!」
お昼前の早い時間にケイトニーが現れ、驚いた。
「どうしたの?ケイト。まだ学園の授業中でしょう?あなたは模範生にならなくちゃ」
マリナの真面目な答えにケイトニーはふわりと微笑み返した。
いつでも優しくて隙のない完璧令嬢のマリナデット。ほんと、令嬢として唯一の欠点が男だってことよねー!
むしろ男の子だからこそ、完璧令嬢で居られるのかしら??理想の令嬢像を作ってるのかしら??ああ!可愛いわ!!
ケイトニーは知っていてマリナデットと一緒にいる。マリナデットはケイトニーが知っている事を知らない。
マリナ、是非ともチェイニーの側妃になってね!2人で仲良く暮らしましょう!
実の所、ほぼ完璧令嬢のケイトニーはチェイニー王子の事を別に好きではない。ケイトニーが好きなのはマリナデットただ1人だ。
しかし、マリナデットは世間的には女性であると認識されている。ならば……愛してはいないが、チェイニーのことは信じられる。ケイトニーは取引をした。
「私は貴方の妃として完璧に振る舞って見せます。子供も産みましょう。でも愛しているのはマリナデットです。どんな手を使っても彼女……彼でしょうか?マリナデットを貴方の側妃にしてください。それで私達は仲良く暮らせます!」
これがケイトニーとチェイニーが交わした約束だ。
マリナは私のものよ!ここにも闘志を燃やすものがいたのだった。
「マリナに杖を持って来たんですのよ」
「杖……魔法ですか?!」
「ええ!もしかして剣は得意ではないのかと思って。こちらが精霊魔法特化の杖。こちらが古代語魔法の杖」
どちらもとても可愛らしいデザインで、マリウスが持つには少し可愛らしすぎた。
「でも高性能ですね」
「流石にケイトニー様がお持ちになったものですね」
ひょこっとエレンとエレナは顔を出して杖を見た。
「ケイトニー様、お茶です」
「ケイトニー様、お菓子です」
「ありがとう、エレン、エレナ」
おすまし顔でケイトニーはお茶を頂いた。あー早くマリナと一緒に暮らせる日が待ち遠しいですわ!
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