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マリナデット・ウィフラート
7 親友にゃん
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「と、とりあえず1か月、ドレスは着ません!」
わたくしは家を出て、エレンとエレナの家に来ております。
「やはり、冒険者なのではないかと思うのです」
手っ取り早く稼げるのでしょう?どうです?このわたくしの完璧な作戦は!
「でも冒険者は命がけです」
「何があるか分かりません」
でも……
「このままでは男性に嫁がされてしまいますわ!」
嫌です!わたくし、こんな格好ですが、結婚は女性としたいと思っております!
エレンとエレナは顔を見合わせてますが、
「まず、今夜は我が家でお休みください」
あら?いつの間に寝巻きに着替えていたのかしら?
「冒険者の朝は早いと聞きますよ?おやすみなさいませ、マリナ様」
え?あ、はい。分かりましたわ。
「お休みなさい、エレン、エレナ」
用意されていたベッドに横になる。いつも、自室で寝ているベッドと大して変わらない寝心地の良いベッドに入るよう促され、布団をかけてもらった。
「では、明朝」
「わかり……ましたわ……すぅ」
やはり色々な出来事がありましたものね。わたくし、疲れていたのですわ。すぐに眠りについてしまいました。
明日から頑張りますわー!
「まりにゃん様ったら、本当に可愛いですねぇ」
「明日から私達も忙しいですよー」
エレンとエレナは静かに扉を閉めた。
「ま、ま、ま、ま、ま、りにゃん!じゃないですわ!マリナ!」
「きゃっ?!ケイト??」
エレンとエレナと一緒に朝食を頂いている時でした。わたくしが学園で特に親しくさせていただいているケイトニーが飛び込んで来たのは。
「あ!ごめんなさい!マリナ……わたくしったらはしたない……でもマリナが昨日ダレン様に酷い辱めを……わたくし、心配で心配で夜も良く眠れませんでしたわ!しかも家まで追い出されたと!一体どうなっているのですか!ヴィクトル様は何をしていらっしゃるのです?!」
「け、ケイト。落ち着いて?お兄様は関係ないわよ?」
エレンが新しい椅子を用意して、エレナがケイトにお茶を出してくれる。パンケーキを食べていた途中のわたくしの隣にケイトはすとんと腰を下ろした。
「マリナ、大丈夫なの?」
「ええ、平気よ?……それにわたくし、ほら、アレでしょう……?」
わたくしの手を心配そうに撫でるケイトニーに、困り気味の笑顔を向ける。
「ふふ、そう言えばマリナはダレン様の事、苦手でしたわね」
「……ごめんなさい、チェイニー様の弟なのに……でもあの方のすぐに体を触ろうとする手付きはやっぱり好きになれくて……」
女の子同士……一応学園で、わたくしは女性で通しておりますから、そう言わせていただきますが。同性同士の多少の触れ合いなら、問題ないですが……。異性の、しかもダレン様が求める触れ合いは些か度が過ぎておりました。
はっきり言って気持ち悪いのです!わたくしの友人達も逃げ回っておりますのよ……。最近はリリアナ様にご執心だったのでホッとしておりましたら、昨日の様な事に……ああ、面倒くさい男ですわ!
「ダレン様のなさりようはティニーも心を痛めておりますのよ……」
「うふふ、大丈夫よ。実はね?わたくし、市井で暮らして見ようと思っているの。どう?凄いでしょう?」
ケイトニーが驚いた顔をしています。ふふ、令嬢にあるまじきことですものね!でも1か月でお父様の言う有用性を実証しなくてはならないけれど、ケイトニーに心配もかけたくないわ!
「あら!マリナったら。面白い事を考えているのね?」
「ええ!ダレン様にされた仕打ちでマリナデットは失意のあまり、伏せっていると思わせて、市井で暮らしてみようと思っていますのよ」
そして冒険者で一発あてるのですわ!頑張りますわよ!
ケイトニーが物凄く優しい顔をしております。あれっ?呆れてる???
「あら!じゃあ1か月学園はお休みなのね……寂しいわ。……たまにこうして遊びに来ても良いかしら……?」
「ええ!大丈夫よ。ケイトならいつでも大歓迎ですもの!」
「わたくし達、親友ですものね!」
「嬉しいわ!ケイト」
ケイトニーは笑顔で帰って行きました。
「ケイトに貰っちゃったわ!」
護身用にと、短剣を一振り置いて行ったのです。良く切れそう、使わせて貰いますね!
「良かったですね!マリナ様」
「ええ、なんとかケイトもごまかせたし、今日から頑張るわよー!」
まずは朝ごはんを終わらせてしまわなくちゃ!すっかり冷めたパンケーキをもぐもぐもいただくのでした。
ふふ!美味しかったですわ、ご馳走さま!
「マリナ様、今日からマリナさまのことを何とお呼びしましょうか?」
「え」
あらやだ、わたくしったら失念しておりました。そうですわ、今日から男子として活動するのですから、マリナでは行けませんわね。
「そうですね……まり…マリウス…?マリウスでどうですか?」
「良いですね。では今からマリウス様と呼ばせていただきます。よろしくお願いしますね、マリウス様!」
エレンがにっこり笑いながら、食後のお茶を入れてくれました。ありがとう、優しくて気が効くわ!流石です。わたくしも頑張りますわよ!
わたくしは家を出て、エレンとエレナの家に来ております。
「やはり、冒険者なのではないかと思うのです」
手っ取り早く稼げるのでしょう?どうです?このわたくしの完璧な作戦は!
「でも冒険者は命がけです」
「何があるか分かりません」
でも……
「このままでは男性に嫁がされてしまいますわ!」
嫌です!わたくし、こんな格好ですが、結婚は女性としたいと思っております!
エレンとエレナは顔を見合わせてますが、
「まず、今夜は我が家でお休みください」
あら?いつの間に寝巻きに着替えていたのかしら?
「冒険者の朝は早いと聞きますよ?おやすみなさいませ、マリナ様」
え?あ、はい。分かりましたわ。
「お休みなさい、エレン、エレナ」
用意されていたベッドに横になる。いつも、自室で寝ているベッドと大して変わらない寝心地の良いベッドに入るよう促され、布団をかけてもらった。
「では、明朝」
「わかり……ましたわ……すぅ」
やはり色々な出来事がありましたものね。わたくし、疲れていたのですわ。すぐに眠りについてしまいました。
明日から頑張りますわー!
「まりにゃん様ったら、本当に可愛いですねぇ」
「明日から私達も忙しいですよー」
エレンとエレナは静かに扉を閉めた。
「ま、ま、ま、ま、ま、りにゃん!じゃないですわ!マリナ!」
「きゃっ?!ケイト??」
エレンとエレナと一緒に朝食を頂いている時でした。わたくしが学園で特に親しくさせていただいているケイトニーが飛び込んで来たのは。
「あ!ごめんなさい!マリナ……わたくしったらはしたない……でもマリナが昨日ダレン様に酷い辱めを……わたくし、心配で心配で夜も良く眠れませんでしたわ!しかも家まで追い出されたと!一体どうなっているのですか!ヴィクトル様は何をしていらっしゃるのです?!」
「け、ケイト。落ち着いて?お兄様は関係ないわよ?」
エレンが新しい椅子を用意して、エレナがケイトにお茶を出してくれる。パンケーキを食べていた途中のわたくしの隣にケイトはすとんと腰を下ろした。
「マリナ、大丈夫なの?」
「ええ、平気よ?……それにわたくし、ほら、アレでしょう……?」
わたくしの手を心配そうに撫でるケイトニーに、困り気味の笑顔を向ける。
「ふふ、そう言えばマリナはダレン様の事、苦手でしたわね」
「……ごめんなさい、チェイニー様の弟なのに……でもあの方のすぐに体を触ろうとする手付きはやっぱり好きになれくて……」
女の子同士……一応学園で、わたくしは女性で通しておりますから、そう言わせていただきますが。同性同士の多少の触れ合いなら、問題ないですが……。異性の、しかもダレン様が求める触れ合いは些か度が過ぎておりました。
はっきり言って気持ち悪いのです!わたくしの友人達も逃げ回っておりますのよ……。最近はリリアナ様にご執心だったのでホッとしておりましたら、昨日の様な事に……ああ、面倒くさい男ですわ!
「ダレン様のなさりようはティニーも心を痛めておりますのよ……」
「うふふ、大丈夫よ。実はね?わたくし、市井で暮らして見ようと思っているの。どう?凄いでしょう?」
ケイトニーが驚いた顔をしています。ふふ、令嬢にあるまじきことですものね!でも1か月でお父様の言う有用性を実証しなくてはならないけれど、ケイトニーに心配もかけたくないわ!
「あら!マリナったら。面白い事を考えているのね?」
「ええ!ダレン様にされた仕打ちでマリナデットは失意のあまり、伏せっていると思わせて、市井で暮らしてみようと思っていますのよ」
そして冒険者で一発あてるのですわ!頑張りますわよ!
ケイトニーが物凄く優しい顔をしております。あれっ?呆れてる???
「あら!じゃあ1か月学園はお休みなのね……寂しいわ。……たまにこうして遊びに来ても良いかしら……?」
「ええ!大丈夫よ。ケイトならいつでも大歓迎ですもの!」
「わたくし達、親友ですものね!」
「嬉しいわ!ケイト」
ケイトニーは笑顔で帰って行きました。
「ケイトに貰っちゃったわ!」
護身用にと、短剣を一振り置いて行ったのです。良く切れそう、使わせて貰いますね!
「良かったですね!マリナ様」
「ええ、なんとかケイトもごまかせたし、今日から頑張るわよー!」
まずは朝ごはんを終わらせてしまわなくちゃ!すっかり冷めたパンケーキをもぐもぐもいただくのでした。
ふふ!美味しかったですわ、ご馳走さま!
「マリナ様、今日からマリナさまのことを何とお呼びしましょうか?」
「え」
あらやだ、わたくしったら失念しておりました。そうですわ、今日から男子として活動するのですから、マリナでは行けませんわね。
「そうですね……まり…マリウス…?マリウスでどうですか?」
「良いですね。では今からマリウス様と呼ばせていただきます。よろしくお願いしますね、マリウス様!」
エレンがにっこり笑いながら、食後のお茶を入れてくれました。ありがとう、優しくて気が効くわ!流石です。わたくしも頑張りますわよ!
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