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マリナデット・ウィフラート
3 そっくりにゃん
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「まあ!マリナったらはしたない!お胸はしまって頂戴!」
「せめてお父様にはお伝えしてください!わたくしは男性の元に嫁ぐ訳にはいかないのですから!」
健全なる男子だからね?!見た目は美少女でもさ!
「だ、だめよ!マリナ!貴方まで殺されてしまったらお母様は!お母様はーーー!」
「17年頑張ったじゃないですか!それにもう限界ですってば!家はお兄様が継いでくださるし、わたくしは男子に戻りたいのです!!!」
「でも、でも……マリナ……」
「それに自分の身くらい自分で守れますわ!」
そうなのです。命を狙われて続けたわたくしは護身術を身につけました。ただし、蹴り技中心ですけれども……。剣はこれ以上腕やら胸が逞しくなっては隠しようもありませんが、下半身であれば令嬢たるもの、ドレスは常に身につけております。
それをわざわざ見ようと言う不届き物は紳士ではございませんので。
……ダレン様は何度も手を伸ばして来られましたが。全て華麗に避けさせて頂きましたが。
「せめて!せめてお父様にはお伝えして、婚約者はもう無しにしていただきたいのです!」
わたくしは涙ながらに訴えたのでした。
「見なさい。お前に婚約の申し込みが山ほど来ておる」
「お父様……」
お母様が止めるのも聞かず、わたくしはお父様の執務室にやってまいりました。流石にもう無理ですわ!
「お話がございます!お父様、わたくしは……実は男なのでございます」
「……1番条件が良いのがやはり隣国の王太子だな。お前なら、王太子妃教育も済んでおるから、安心出来るそうだ」
「お父様!」
少し声を荒げてしまう。お父様、わたくしは……!
「マリナデット。お前は誰かに嫁ぐ以外出来る事があるのか?」
「え……」
「剣は握れぬよな?魔法はどうだ?……お前は駒として高位貴族や他国の貴族に嫁ぐのが1番使い道があろう?」
「しかし!わたくしは男でございます!」
「婚姻の儀式を行い、初夜さえ迎えてしまえばどうということはあるまい?」
わたくしは血の気が引いて行きます。
「そ、それは先方を騙している事になります!」
「どの書面にもマリナデット・ウィフラート様との婚約をと書いてあるが、性別の指定はないぞ?」
それはわたくしが女性であると言う前提で成り立っている話でしょう?!
「お前に誰かの花嫁になる以外の有用性があるなら別だが、無ければ隣国へ嫁いで貰おう」
「お、お父様は……わたくしが男であるとお気づきだったのですか……?」
最後にそう尋ねると
「若い頃の私にそっくりだからな」
そう、仰られた。
わたくしは1ヶ月で自分の有用性を証明して見せなくてはいけなくなりました。
「せめてお父様にはお伝えしてください!わたくしは男性の元に嫁ぐ訳にはいかないのですから!」
健全なる男子だからね?!見た目は美少女でもさ!
「だ、だめよ!マリナ!貴方まで殺されてしまったらお母様は!お母様はーーー!」
「17年頑張ったじゃないですか!それにもう限界ですってば!家はお兄様が継いでくださるし、わたくしは男子に戻りたいのです!!!」
「でも、でも……マリナ……」
「それに自分の身くらい自分で守れますわ!」
そうなのです。命を狙われて続けたわたくしは護身術を身につけました。ただし、蹴り技中心ですけれども……。剣はこれ以上腕やら胸が逞しくなっては隠しようもありませんが、下半身であれば令嬢たるもの、ドレスは常に身につけております。
それをわざわざ見ようと言う不届き物は紳士ではございませんので。
……ダレン様は何度も手を伸ばして来られましたが。全て華麗に避けさせて頂きましたが。
「せめて!せめてお父様にはお伝えして、婚約者はもう無しにしていただきたいのです!」
わたくしは涙ながらに訴えたのでした。
「見なさい。お前に婚約の申し込みが山ほど来ておる」
「お父様……」
お母様が止めるのも聞かず、わたくしはお父様の執務室にやってまいりました。流石にもう無理ですわ!
「お話がございます!お父様、わたくしは……実は男なのでございます」
「……1番条件が良いのがやはり隣国の王太子だな。お前なら、王太子妃教育も済んでおるから、安心出来るそうだ」
「お父様!」
少し声を荒げてしまう。お父様、わたくしは……!
「マリナデット。お前は誰かに嫁ぐ以外出来る事があるのか?」
「え……」
「剣は握れぬよな?魔法はどうだ?……お前は駒として高位貴族や他国の貴族に嫁ぐのが1番使い道があろう?」
「しかし!わたくしは男でございます!」
「婚姻の儀式を行い、初夜さえ迎えてしまえばどうということはあるまい?」
わたくしは血の気が引いて行きます。
「そ、それは先方を騙している事になります!」
「どの書面にもマリナデット・ウィフラート様との婚約をと書いてあるが、性別の指定はないぞ?」
それはわたくしが女性であると言う前提で成り立っている話でしょう?!
「お前に誰かの花嫁になる以外の有用性があるなら別だが、無ければ隣国へ嫁いで貰おう」
「お、お父様は……わたくしが男であるとお気づきだったのですか……?」
最後にそう尋ねると
「若い頃の私にそっくりだからな」
そう、仰られた。
わたくしは1ヶ月で自分の有用性を証明して見せなくてはいけなくなりました。
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