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22 差し上げてはいかがでしょう?

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「予定以上の活躍だったよ、キャロライン嬢」

「はひぃ!」

 後日改めて、ラヴァール伯爵邸をミシェールと訪れたオスカーは苦笑した。この前の夜会の時の堂々したキャロラインは不在で、妹と一緒にわけのわからない呪文を唱えるキャロラインしかいなかった。

「わわわたしのようなものが……オスカー様と同じ空気を吸えるだけで光栄でございますううう」

「お兄様見てください!キャロラインが倒れなくなりましたわ!少し見慣れたんではないかしら!?」

「顔が圧倒的に良い!」

 気を失わなかったが、床の上の崩れてしまった。まだ駄目か、とオスカーはもう一度苦笑する。

「それにしても、噂ってすごいのね。セドリック様が悪いみたいな流れになってる」

 実際は覚醒する前のキャロラインが圧倒的に悪いのだが、リーインクール国では王太子のセドリックに問題があるように噂が流れているのだ。

 ミシェールとオスカーはそういうものだ、と笑いあう。

「実際に会った人と会ったことがない人では、やはり顔を合わせた人の方に良い印象を持ちやすいからね。キャロラインは頑張っているし、見た目も良いから良い印象を持たれやすい。助かっているよ」

「わが生涯に一片の悔いなし!」

「早いですわ、キャロライン」

 天に召されそうになっているキャロラインを冷静にミシェールは止めた。レイジットを拉致してくるまで頑張ってもらわなければ困るのだ。

「キャロライン、どうだ?シェリーは?」

「チョロそうですわね。我慢も足りないようですし、考えがすべて顔に出るタイプですね。少し突けば自爆するんじゃないでしょうか?あと香水をつけすぎなのと、シャンプーは少し安物ですわ。顔はオイリー肌っぽいので少し暴食するとニキビがたくさん出そうな方でした」

 面白い角度で人を見るな、とオスカーはキャロラインの観察眼に興味を引かれた。

「侍女はあまり質が高くなさそうです。髪型が少し古いと感じます。お飾りのグレードもあまり高くなさそうでしたから、レミーテ侯爵家は……どこかから借金していませんか?オスカー様との婚約を逃したくないと必死そうです」

「なるほど、ミシェールお前はシェリーをどう見る?」

「豪商のハラライ辺りが欲しがっていましたわ。差し上げてはいかがでしょう?」

 自分の傍には必要ない、ミシェールはそう言った。王家に迎え入れる価値はないと。

「はは、ただ捨てるだけでなく売れというのか」

「人は財産ですわよ。捨てるだなんてもったいないですわ」

 ミシェールは笑顔でとんでもないことを言うが「操ってこういうところある子だったわねぇ~」とキャロラインはほほえましく見ていた。

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