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14 突然は良くない

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「何か楽しそうな話をしているね、ミシェール」

「楽しそうではないのです、楽しいのですよ。お兄様」

 おに?おにっていった?

「ミシェールがそんなに心を許す友達がいたなんて、ちっとも知らなったよ。初めまして、キャロライン嬢。私は……」

「お……おす……」

 ぱたり、私の目の前は真っ白になって気を失ってしまったのです。

「きゃ!キャロライン!?驚かせるつもりで内緒でお兄様を連れてきたら」

「ミシェール、どうしたんだ!?キャロライン嬢は!」

「キャロラインはお兄様の事が好きすぎて倒れたのですわ!」

「意味が分からん!とりあえず誰か、誰か!」

「どうしました!殿下!」


 突然、推しを近くに出現させるのはやめましょう。心臓が止まります(キャロライン・談)


 うっすらと目を開けると、私が使っている部屋のいつものベッドの上のようでした。

「あら……?私どうしたのかしら……?」

「キャロライン!良かった、気が付いたのね!どこか痛いところはないかしら?頭は大丈夫?」

 心配そうな操……ううん、ミシェールの声がするわ。

「ありがとうミシェール。頭はちょっと危険かもしれないわ。起きているはずなのに素敵な夢を見ちゃったのよ。ふふ、私ったらいやね。まさかオスカー様が目の前にいる夢をみちゃうなんて、どれだけお会いしてみたかったかしら?」

「大丈夫かい?キャロライン嬢」

 あらやだわ、まだオスカー様の幻が見えるわ。しかもなんて素敵なイケメンボイス惚れる。惚れなおしてしまう。

「駄目みたいですわ。まだ夢の中ですものね。オスカー様の幻が見えますもの」

「……駄目みたいですわ、お兄様。ちょっとキャロラインには刺激が強すぎたようです」

 ふう、とため息をつくミシェール。

「刺激って私は普通に妹が最近懇意にしている友人が、どのようなお嬢さんか興味が湧いて……」

 ミシェールとオスカー様の幻がお話をしています。なんて尊い絵面なんでしょう。拝んでおきましょう、なんまいだなんまいだ……明日も元気に暮らせそうです。ありがとうございます、神様。この世に恋リフという素晴らしい小説を生み出してくれて。あ、生み出したのはるりさんか。るりさんありがとうありがとう大好きです。虐めてごめんね。

「キャロライン。言っておきますが、本物のお兄様でしてよ。今日一緒に伯爵家に遊びに来たのですから」

「嫌だわ、ミシェール様ったらご冗談が……」

 しかし、手を伸ばせば近くに最推しのオスカー・フィル・リーインクール様がいらっしゃるように見えるわね?あら?あらら……

「え、まさかほんも……の……うーん」

 私はまた目の前が真っ白になった。

「キャロラインーーーーー!」

 推しのイケボを初めて聞いたら普通倒れるだろう?(キャロライン・談)

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