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3 王女ミシェール様

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「よういらっしゃいました。キャロライン嬢。ささ、こちらへ」

 私は隣国の貴族の家に迎え入れられた。なんで?

「私は、ドルトン・ラヴァール。爵位は伯爵を賜っております。ミシェール様のお願いにより、今日よりキャロライン嬢の後見人をさせていただきたいと思います」

「……わたくしのようななんの価値もない女を保護していただけるだけで、感謝に堪えません。ありがとうございます」

 ラヴァール伯爵は品のいいおじいさんで、何故かそう言って私を家に迎え入れてくれた。はて?王女様の願い?なんだろう?

 私が色々と聞きたくて、口を開く前に

「おお、やってこられたようですよ」

 ラヴァール伯爵が目を細めると、ノックの音が響き

「失礼致します」

 と、若い女性の声が。聞いた事はないですね?

 どうぞ、と声をかけると同時にドアが開き、美しいドレスの同い年くらいのお嬢さんが素早く入ってきた。
 うっわ!美少女!そして我が友操に似てる。操より、髪の色が茶色……栗毛?いや、もっと薄い……ああ、亜麻色!の、髪の乙女ってやつだわ!うっわー可愛いーお友達になりたーい!
 美少女は紫色のきれいな目をいっぱいに見開いて、こう言った。

「グレートマックはなんで箱に入ってるかしら?」

「紙で頼むよ、ラップで宜しく!」

「「……」」

 私はとりあえず叫んだ。

「み、操?!」

「キサラぁ!やっと記憶が戻りましたのねぇ!」

 わぁっと私達は抱き合って泣いた。色々私もダメージを背負っていたみたいだった。

 ラヴァール伯爵は気を利かせてか、退出し、操についてきた侍女達も下がらせた。

「良かった!良かったですわ!キサラがいつまで経っても記憶が戻らずに気を揉んでおりましたら、とうとうこの日が来てしまいました。色々手を尽くしたのですが、ここまでしかできませんでしたわ……」

 ポロポロと操……いや、ミシェール・フェル・リーインクール第二王女は涙を零した。

「ごめん……実は最近記憶が戻って、色々分からない。ここは「恋リフ」の世界なの?」

 操、ミシェールはキョトンとして

「キサラ、ううん、キャロライン。セドリック様の顔を舐めるように見てこなかったの?所でご幼少のみぎりのレイジット様の姿絵が届かないんですけと、バグかしら?ん?」

「レイジット……ああ!いたわね!本ばっかり読んでるポチャで……痛い痛い痛いぃ!!」

「その記憶をおよこしやがれですわよ!!」

「ああーん!ミシェールさまぁ!お許しを!」

 操得意のアイアンクローで鷲掴みにされた。きれいに整えられた爪が刺さって痛かった。

「るりさんの話によると、大分「恋リフ」に近いんだそうよ。巻き込んでごめんなさい、なるべく楽しく暮らせるようにお願いはしたけれど、ですって」

「るりさん??」

 増えた登場人物に私は首を捻るしかなかった。

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