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24 掴んだ私の幸せ
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「ど、どこぞの馬の骨の子供を産んだ阿婆擦れ令嬢と欠陥のある元王太子が結婚……は、はは! お似合いではないか!」
そう揶揄する人は少ない。そんなことをいわれたって、なんのダメージもないんだから。
「ねぇねぇ! きょうからおとうさまってよんでいいのでしょう?!」
「そうね、ディルフィル。今日からラナン様ではなくてお父様ってお呼びして」
「やったー! ぼくのおとうさまだー!」
白い可愛らしい礼服に身を包んだディルフィルがはしゃいで私の真っ白なドレスの裾を抱きしめた。
「ぼくね、ぼくね、ほんとはずーっとおとうさまがいたらいいなっておもってたの。おじいさまはやさしいけど、じょうばもおさかなつりもおへたでしょう?」
「ふふ、そうね」
「ラナンさまはおさかなもいっぱいつれるし、おうまもじょうずなんだもん!」
「背も高いから肩車も楽しいしね?」
「うん!」
あれからディルフィルはすぐにラナン様に懐いてしまった。一緒に暮らしていなかったのに、ずっと一緒にいたかのようにスッとウィンフィールド家にラナン様は溶け込んだ。
「アネモネ、ディルフィル。行こうか」
「はーい! おとうさまー!」
「ええ」
ディルフィルとお揃いの真っ白な礼服を着たラナン様が控え室の扉を開けて現れる。ディルフィルは素早くラナン様に駆け寄り、当然といわんばかりに、両手を開いて見上げる。
ラナン様も当たり前のようにディルフィルを片手で抱き上げた。
「さあ、行こう。アネモネ」
「はい」
片手には可愛い息子を、空いた片手を私に差し出してくれる。私はもう躊躇わず自分の手を添えて立ち上がる。真っ白なウエディングドレスは王妃殿下が瞳をキラキラさせて用意してくれた。ディルフィルを初めて連れて行ったら飛び上がって喜んでくれたっけ。何せ諦めた息子の子供が現れたんだもの、びっくりくらいするわよね。
ラナン様は私を気遣い、お父様を大切にしてくれて、ディルフィルとも仲が良い。ウィンフィールド家の皆を見下す事もない本当に素晴らしい方だ。ナルクと同じの人間・男性という分類分けをして良いのか悩んでしまう程だ。
そんな素晴らしい方と私は結婚して良いのだろうか?
「君を傷物にしたのは私なんだし、それに私なんてタネなしだよ!」
「そ、それは別に構わないのですが……」
「ディルフィルがいるからね」
そんな言い難いことも笑いながらいってのける心の強さもある。
「周りはもう私の味方にしちゃったんだ、アネモネ。どうか私と結婚して欲しい」
「う、浮気はしないでくださいね」
「神に誓って」
そうしてラナン様に頷いて、今日、式を挙げる。
私は幸せだわ!
ハッピーエンド!
そう揶揄する人は少ない。そんなことをいわれたって、なんのダメージもないんだから。
「ねぇねぇ! きょうからおとうさまってよんでいいのでしょう?!」
「そうね、ディルフィル。今日からラナン様ではなくてお父様ってお呼びして」
「やったー! ぼくのおとうさまだー!」
白い可愛らしい礼服に身を包んだディルフィルがはしゃいで私の真っ白なドレスの裾を抱きしめた。
「ぼくね、ぼくね、ほんとはずーっとおとうさまがいたらいいなっておもってたの。おじいさまはやさしいけど、じょうばもおさかなつりもおへたでしょう?」
「ふふ、そうね」
「ラナンさまはおさかなもいっぱいつれるし、おうまもじょうずなんだもん!」
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「うん!」
あれからディルフィルはすぐにラナン様に懐いてしまった。一緒に暮らしていなかったのに、ずっと一緒にいたかのようにスッとウィンフィールド家にラナン様は溶け込んだ。
「アネモネ、ディルフィル。行こうか」
「はーい! おとうさまー!」
「ええ」
ディルフィルとお揃いの真っ白な礼服を着たラナン様が控え室の扉を開けて現れる。ディルフィルは素早くラナン様に駆け寄り、当然といわんばかりに、両手を開いて見上げる。
ラナン様も当たり前のようにディルフィルを片手で抱き上げた。
「さあ、行こう。アネモネ」
「はい」
片手には可愛い息子を、空いた片手を私に差し出してくれる。私はもう躊躇わず自分の手を添えて立ち上がる。真っ白なウエディングドレスは王妃殿下が瞳をキラキラさせて用意してくれた。ディルフィルを初めて連れて行ったら飛び上がって喜んでくれたっけ。何せ諦めた息子の子供が現れたんだもの、びっくりくらいするわよね。
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「そ、それは別に構わないのですが……」
「ディルフィルがいるからね」
そんな言い難いことも笑いながらいってのける心の強さもある。
「周りはもう私の味方にしちゃったんだ、アネモネ。どうか私と結婚して欲しい」
「う、浮気はしないでくださいね」
「神に誓って」
そうしてラナン様に頷いて、今日、式を挙げる。
私は幸せだわ!
ハッピーエンド!
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