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アリア、追放される
55 さようなら~ぐすん
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「あれぇ?アリアさん……早いですね?」
「……リードさん……うう……短い間ですがお世話になりました……ぐすん」
「お世話されたの俺の方だし!?ど、どうしたの!?アリアさん」
「リードさあん……わ、私この国から追い出されます~~~もう二度と会う事はないでしょうがお元気でぇ~」
なんと、私はこの国の王太子様と言うとっても偉い方から直々に出ていけ!とお𠮟りを受けたのです。ここで何も悪い事はしていないと思うのですが、きっと何か礼儀知らずな事をしてしまったんでしょう……。
「神殿の生活はとっても楽しかった……でも今すぐに出て行けと言われたんです……皆さんさようなら……」
祝日祭のお疲れでまだみんな寝ています。起こしては可哀想ですから、ご挨拶はお手紙で済ませます……悲しいけれど、仕方がありません。
「待って、待ってアリアさん!俺もいく!」
慌ててリードさんが荷物を一つ持って走ってきます。
「いやあ、なんでも入っちゃうバッグホント便利だね」
「はい……ぐすん」
リードさんは何も言わずについてきてくれました。
「とりあえず隣の国行きの馬車でも乗ろうか」
「はい……」
ガタゴトと揺られながら、朝に合った事をリードさんに伝えました。
「はあ……王太子自らね……そりゃ災難だったね」
「きっと私が田舎者だから、何か王太子様にご無礼を働いたんだわ……国から出て行くだけで済んで良かったのかも……下手したら死刑だった……ううっ」
なぁんか違う気もするんだけどなあ……とリードさんは呟いていますが、他の神官さんやマグノリア様にご迷惑が掛からなければ良いのですが……。
「マグノリア様にはご挨拶したかったな……」
「落ち着いたら手紙を書けばいいさ。それに隣の国なら俺、知り合いが結構いるんだ。そして半魔神様の教会もあるし、元気出しなよ」
「ありがとう……リードさん。いつも頼りないけれど、いざと言うときは頼りになるんですね……見直しました」
「何気に酷くね!?」
リードさんの驚いた顔にあははと笑ってしまいます。ありがとう、リードさん。私、笑えました。大丈夫、これからいっぱい頑張りますね!
「少し落ち着いたらお腹がすきました。朝ごはんまだでした……リードさんも食べますよね?」
「勿論!何が出てくるの?」
「今日はですねー黒パンのチーズ焼きベーコンとサラダトッピングですよ~」
「美味そう!」
お腹が空いては元気が出ません!いっぱい食べて出来ることをしましょう!
「お、お嬢ちゃん美味しそうだねえ」
「まあ~焼きたての良い匂い」
「あ、たくさんありますよ。食べませんか?」
「良いのかい!?」
乗りあい馬車の乗客は少なかったので全員にいきわたってもまだまだたくさんパンはあります。
「美味い!」
「だろう!この子はなんと半魔神様の聖女なんだぜ!美味いだろう~!」
「なんと!?」
美味しい物は人を笑顔にしてくれます。笑顔があればどこでだって頑張れます!ルー様、アリア頑張りますね!
「……リードさん……うう……短い間ですがお世話になりました……ぐすん」
「お世話されたの俺の方だし!?ど、どうしたの!?アリアさん」
「リードさあん……わ、私この国から追い出されます~~~もう二度と会う事はないでしょうがお元気でぇ~」
なんと、私はこの国の王太子様と言うとっても偉い方から直々に出ていけ!とお𠮟りを受けたのです。ここで何も悪い事はしていないと思うのですが、きっと何か礼儀知らずな事をしてしまったんでしょう……。
「神殿の生活はとっても楽しかった……でも今すぐに出て行けと言われたんです……皆さんさようなら……」
祝日祭のお疲れでまだみんな寝ています。起こしては可哀想ですから、ご挨拶はお手紙で済ませます……悲しいけれど、仕方がありません。
「待って、待ってアリアさん!俺もいく!」
慌ててリードさんが荷物を一つ持って走ってきます。
「いやあ、なんでも入っちゃうバッグホント便利だね」
「はい……ぐすん」
リードさんは何も言わずについてきてくれました。
「とりあえず隣の国行きの馬車でも乗ろうか」
「はい……」
ガタゴトと揺られながら、朝に合った事をリードさんに伝えました。
「はあ……王太子自らね……そりゃ災難だったね」
「きっと私が田舎者だから、何か王太子様にご無礼を働いたんだわ……国から出て行くだけで済んで良かったのかも……下手したら死刑だった……ううっ」
なぁんか違う気もするんだけどなあ……とリードさんは呟いていますが、他の神官さんやマグノリア様にご迷惑が掛からなければ良いのですが……。
「マグノリア様にはご挨拶したかったな……」
「落ち着いたら手紙を書けばいいさ。それに隣の国なら俺、知り合いが結構いるんだ。そして半魔神様の教会もあるし、元気出しなよ」
「ありがとう……リードさん。いつも頼りないけれど、いざと言うときは頼りになるんですね……見直しました」
「何気に酷くね!?」
リードさんの驚いた顔にあははと笑ってしまいます。ありがとう、リードさん。私、笑えました。大丈夫、これからいっぱい頑張りますね!
「少し落ち着いたらお腹がすきました。朝ごはんまだでした……リードさんも食べますよね?」
「勿論!何が出てくるの?」
「今日はですねー黒パンのチーズ焼きベーコンとサラダトッピングですよ~」
「美味そう!」
お腹が空いては元気が出ません!いっぱい食べて出来ることをしましょう!
「お、お嬢ちゃん美味しそうだねえ」
「まあ~焼きたての良い匂い」
「あ、たくさんありますよ。食べませんか?」
「良いのかい!?」
乗りあい馬車の乗客は少なかったので全員にいきわたってもまだまだたくさんパンはあります。
「美味い!」
「だろう!この子はなんと半魔神様の聖女なんだぜ!美味いだろう~!」
「なんと!?」
美味しい物は人を笑顔にしてくれます。笑顔があればどこでだって頑張れます!ルー様、アリア頑張りますね!
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