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王都に

52 みみっちくやってる場合じゃない!ふぎゃあ

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「では手付金として、郊外にある王家専属農場のものを全て頂きます」

「すべてって……何を言っているの?マグノリア。あそこは牛だけでもいっぱいいるのよ?」

「何の問題もありません。そしてドルトン王子の件はきちんと対処願います。今度戻って来いと神殿の前で叫ばれましたら衛兵に引き渡しますので」

「え……衛兵!?」

「……ドルトンの件は分かった……頭が冷えるまで城から出るなと伝えておこう」

「ではそういう事で。お金の件は全て明らかにしてくださいね」

「善処します……」

 そうしてマグノリアは郊外の農場へ行き、本当に全て回収してから半魔神神殿へ戻って来たのだった。

「ただいまー!さあ、やるわよおおおおお!」

「おーーーーー!」


 神官達総出で、良く油の乗った牛や豚を美味しく調理していった。

「ほ、本当に何もいないんだけど!??」

「どこいったんだーーー!?」

「ギリギリ繁殖できる雄雌2頭づつ残して全部いないんですけどーー!?」

 マグノリアの辞書に容赦と言う言葉はない。


「祝日祭まであと3日だー!野郎ども死ぬ気で調理せよ!」

「うおおおおおおおお!」

 何か分からない強化合宿のようになっていた。

「リードさん、私どうして半魔神様の祝日祭が7年に一度しかないか分かりましたよ!」

 ぐつぐつとトンコツの灰汁を取り続けるアリアが同じく隣で牛骨の灰汁を取り続けるリードに話しかける。

「何でですかッアリアさん!」

「こんなのしょっちゅうやってたら倒れるからですね!」

「間違いありませんね!!7年に一回でも大変ですね!7年前もこうだったんでしょうかっ!」

「7年前はもっと質素ですよ!神様が降臨されるのにみみっちくやってる場合じゃないから、今年はド派手なんですよっ!」

 横で鳥骨の灰汁を取っている神官長が汗をかきながら答えてくれる。

「そうなんですか!私のせいじゃないですよねっ!?」

「……お答えしかねますねっ!」

「ふぎゃあ」

「まあでもいい経験ですよ。骨を煮込むとこんなに濃厚なスープが取れるなんて知りませんでした。鳥の足もこんなに美味しいんですね。今まで捨てていたなんてなんてもったいない事をしたんでしょうか!」

「ふふ、知らないと雑草、知ってると薬草と一緒ですね」

「まさにその通り。半魔神様の知恵と知識に感謝です」

 ルー様、私達頑張ってお料理作ります!
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