【完結】半魔神の聖女は今日も反省する

鏑木 うりこ

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王都に

43 死した屍で出汁でも取ります

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「まあまあ!お帰り、アリア。どうだった?」

「とりあえずって感じですね~」

 神殿に帰って収穫物をマグノリア様と確認する。

「お肉は少ないわね……でも香草とか頑張ったじゃない?……よくわからない木の根とか入ってるけどこれなに?」

「リードさんが、手あたり次第毟ってて……」

「俺、あんなに辛い狩りもう行きたくないです!」

 酷いです!たくさん美味しい物を食べるならたくさん材料がいるんですよ!?

「この軟弱者ーーー!」

「ギャー!」

 マグノリア様にビンタ喰らってる……きっとこれでリードさんは強くなったはず!

「今から一週間肉狩地獄旅ミートゲットブートキャンプに連行します!アリア、下拵えは頼んだわよ!」

了解であります!イエッサー!ボス!

 逃げ出そうとするリードさんは一瞬で首根っこを押さえられ、ずるずる引き摺られている。

「た!助けて!助けて!アリアさん!何でもするから!助けてぇーーー!」

 リードさん、ごめん、私でも無理よ。私史上最高に慈悲深い笑みを浮かべたら、リードさんが「あ」と察したらしく、そのまま大人しく引き摺られて消えたわ。
 マグノリア様は私のお師匠様なのよ?リードさん。

「い、良いのですか?アリアさん……」

 他の神官さん達が私と絶望にどっぷり浸かったリードさんを交互に見てるけど、どうしようもないわよ。

「大丈夫、死して屍拾うものなし。骨は出汁でも取ってあげましょう」

「死ぬの前提かい!」

 あらやだ、キレの良いツッコミを貰ってしまったわ!

「どちらにしろマグノリア様のやる事に私が待ったをかける事なんて出来ませんから。大丈夫、多分死なずに帰ってくると思います!」

 すると全員「そうだよねー」という納得の表情を浮かべてくださいました。

「さあ、ご飯の支度頑張りましょう!マグノリア様がお戻りになられた時に終わっていなかったら、次にああなるのは私達ですよ!」

「ひぃ!」

 全員の調理の手際が格段に良くなったのはマグノリア様の采配のお陰でしょうね。

「お肉だけじゃなくて、繊細な物とかきれいなお菓子、飴細工も用意しますよ~!きっと美人な神様も来られますよ!」

「うわーそれは楽しみだ!」

 未婚の男性神官達がウキウキしたり、

「あの!音楽の神のアルピオネ様とか……?」

「あると思います!」

「おっけえええええ!」

 女性神官も沸き立ちます。楽神アルピオネ様はものっすごい美形ですからね!

「ああ見えてモツ煮込みが好きだとか……」

「モツ洗い行ってきますッ!!」

 ものすごくきれいで臭みの全くない凄い下拵えのモツが大量に出来ていました!これは絶対美味しそうです!!



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