【完結】半魔神の聖女は今日も反省する

鏑木 うりこ

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王都に

42 お肉を食べたらみんな幸せ

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「では一狩り行きましょうか!リードさんっ!」

「嫌です、アリアさん」

「リードさんは晩御飯ナシですね?」

「何を狩るんですか!アリアさん!」

「お肉です!」

 とにかくお肉です!


「お肉を食べたら~皆幸せ~~お肉はつよーい体を!つ、く、るぅー!女の子はぁーさっぱり部分ー男の子はーコッテリぃーお爺さんは柔らかいーところー♪」

「一応聞くけど何の歌?」

「お肉の歌です!」

 そうか、とリードさんが遠くを見たわ?!お肉の素晴らしさが伝わったようね!
 私とリードさんは王都から少し離れた山まで来ました。この辺に住んでいるお肉は何肉か分かりませんが、山に入ればお肉はいるはずです。

「せめて動物って言ってあげて、アリアさん」

「えっ?!口に出してましたか??」

「そう言う顔してた。あと、よだれ……」

「はっ?!」

 いけないいけない!女の子なのよ、私は。

「で、何を狩るんだ?俺はあんまり狩りは上手くないぞ……」

「何でも!何でも狩ります!狩りが駄目なら山菜摘みとかお願いします!」

「何でもって……」

 だって料理次第で何でも美味しく食べられますよ!リードさん!

「……半魔神の聖女こえぇ……」

 えっ?!何が怖いのでしょうか?!?!


「ホーリー撲殺斬!」

「うぎゃーーー!」

 叫んだのは何故かリードさんなのよね、何でかしら?

「アリアリアリアリアリアさん?そ、それ、それ食べるの?!」

「はい!今から毒袋外しちゃいますから安心して下さい!」

「やめて、やめて……牙毒一滴で牛も殺すポイズンバイパーとか食べたくないよお……」

 あらやだ!何言ってるのかしら!リードさんは!

「美味しいですよ!身はプリプリとした弾力があって。皮も表面を剥いてしまえばこの毒々しい模様もなくなりますし、湯引きでこう、きゅっとしめて……」

「やめてー!アリアさんが言うと本当に美味しそうに聞こえてくるぅー!」

 美味しいんですってば!もう!

「さあ、どんどん狩りますよー!」

「イヤーー!どうしてワシルさんを連れてこなかったのぉーー!どうして俺なのぉーーー!」

「ワシルさんは別口でお肉を仕入れに行ってもらってますけど?」

「もう働いてたぁーーー!?」

「さ!リードさんも頑張って!」

「ひいいいーーー!」

 まあまあのお肉を集め終わったのはそれから二日後だったんですけど、リードさんが

「もう帰ろう?ね?ね?」

 って泣くんですもん。人一倍食べるくせにそれはいけませんよ?


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