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半魔神の残念聖女
15 お供しましょう
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ミラージ領に向かう馬車は空いていた。私とリードさん、お母さんお兄ちゃんと赤ちゃんの他は
「あれ?昨日馬車で一緒でしたよね?」
こくり、帽子を目深にかぶっていたが、脱いで頭を下げてくれた。ここまで移動してきた馬車で一緒だった、休憩所では弓で鳥を撃ってくれた人だ。珍しい!
それともう1人、若い男の人。乗り込んだのはこれで全員だった。
「出発しますよ」
御者さんの合図でがたり、馬車は動き出す。ここから3日かけてミラージまで行く工程になっています。
「少し回り道になるけど、王都へ行く道としてはミラージから行く方が人通りも多い。あとミラージは大きな街だから、色んなものが見れるな」
「楽しみです!」
こっそり揺れて軽減を馬車にかける。貴族の馬車なら違うんでしょうが、庶民の乗り合い馬車はこんな物ですよね。
景色を見るのに窓から顔を出すと、王都方面への馬車が近くを走っていた。
「あーーーーーーー!!」
「えっ?!」
「なんでそっちにぃいいい!!」
び、びっくりした!どこかで見た事があるような男の人が大声をあげた。慌てて窓から顔を引っ込める。
「どうしたの?アリアさん?」
「な、なんでもないです」
いきなり大声はびっくりするなぁもう!少し怖かったので外の景色を見るのはもっと街から離れてからにしよう。それがいい!
はてさて、お守りのブレスレットでも編みましょうか!
「怪我をしませんように。病気になりませんように。お腹を壊しませんように……」
「……」
隣でリードさんが物珍しそうに見ている。紐をくるくると結んであみあげて行く。結び目の一つ一つに小さな願い事を込めて。
途中に石を挟んで、紐の色を変える。
「良い出会いがありますように。恋人ができますように。夫婦が円満でありますように。長生きできますように……」
「アリアさん、1本にいくつ願いを入れるんだい?」
「えっ!結び目の数だけですが」
「……だから凄まじい威力なのか…」
「ん?」
小さな声だったので、聞こえませんでしたが、なんでもないよと言われたので気にしない事にします。
ガタゴトと馬車は予定通り進み、何事もなく今日の野営地に着きました。
さあ!私の仕事ですね!リードさんに魔除の石を置いてもらい、かまどに火を入れます。泉が側にあるので水を汲み、お湯を沸かします。その間に近くへ野草や薬草を摘みに出かけ、今日は早めに戻りました。
発酵済みのパン種を出してフライパンでパンを焼き、多い分はマジックバッグに仕舞い込む。
「お姉さん、良い匂い!」
「本当だなぁ。窯もないのにパンって焼けるんだなぁ」
「あら?不思議ですか?本当に焼けてるか味見をします?」
「「するする!」」
子供と同じ事をしているリードさんが面白くて笑ってしまいます。さて、このまま何事も無ければ良いのですが……。
旅の無事を半魔神さまにお祈りいたしますが、どうもそうは行かないようです。
「あれ?昨日馬車で一緒でしたよね?」
こくり、帽子を目深にかぶっていたが、脱いで頭を下げてくれた。ここまで移動してきた馬車で一緒だった、休憩所では弓で鳥を撃ってくれた人だ。珍しい!
それともう1人、若い男の人。乗り込んだのはこれで全員だった。
「出発しますよ」
御者さんの合図でがたり、馬車は動き出す。ここから3日かけてミラージまで行く工程になっています。
「少し回り道になるけど、王都へ行く道としてはミラージから行く方が人通りも多い。あとミラージは大きな街だから、色んなものが見れるな」
「楽しみです!」
こっそり揺れて軽減を馬車にかける。貴族の馬車なら違うんでしょうが、庶民の乗り合い馬車はこんな物ですよね。
景色を見るのに窓から顔を出すと、王都方面への馬車が近くを走っていた。
「あーーーーーーー!!」
「えっ?!」
「なんでそっちにぃいいい!!」
び、びっくりした!どこかで見た事があるような男の人が大声をあげた。慌てて窓から顔を引っ込める。
「どうしたの?アリアさん?」
「な、なんでもないです」
いきなり大声はびっくりするなぁもう!少し怖かったので外の景色を見るのはもっと街から離れてからにしよう。それがいい!
はてさて、お守りのブレスレットでも編みましょうか!
「怪我をしませんように。病気になりませんように。お腹を壊しませんように……」
「……」
隣でリードさんが物珍しそうに見ている。紐をくるくると結んであみあげて行く。結び目の一つ一つに小さな願い事を込めて。
途中に石を挟んで、紐の色を変える。
「良い出会いがありますように。恋人ができますように。夫婦が円満でありますように。長生きできますように……」
「アリアさん、1本にいくつ願いを入れるんだい?」
「えっ!結び目の数だけですが」
「……だから凄まじい威力なのか…」
「ん?」
小さな声だったので、聞こえませんでしたが、なんでもないよと言われたので気にしない事にします。
ガタゴトと馬車は予定通り進み、何事もなく今日の野営地に着きました。
さあ!私の仕事ですね!リードさんに魔除の石を置いてもらい、かまどに火を入れます。泉が側にあるので水を汲み、お湯を沸かします。その間に近くへ野草や薬草を摘みに出かけ、今日は早めに戻りました。
発酵済みのパン種を出してフライパンでパンを焼き、多い分はマジックバッグに仕舞い込む。
「お姉さん、良い匂い!」
「本当だなぁ。窯もないのにパンって焼けるんだなぁ」
「あら?不思議ですか?本当に焼けてるか味見をします?」
「「するする!」」
子供と同じ事をしているリードさんが面白くて笑ってしまいます。さて、このまま何事も無ければ良いのですが……。
旅の無事を半魔神さまにお祈りいたしますが、どうもそうは行かないようです。
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