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半魔神の残念聖女
8 乗れなかった人々
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アリアが泊まった宿屋のそばにみんな泊まり、様子を伺っていた。
あの聖女様は王都へ行くと言っていた!
あの聖女と偶然を装って同じ馬車に乗り込めば毎日美味い物が食える!
みろ!古傷の痛みがピタリと止まった!
酒で荒れた腹の具合が良くなった!
半魔神の聖女様が乗り合い馬車に?!
一緒に乗れば美味い物が食える!!
『あの聖女様と同じ馬車に乗らなくては!!!』
「くすん」
王都行きの馬車は空前絶後の大混雑で、アリアの乗る隙間が無かったのである。
「良く聞け、俺たちは野宿前提の馬車だろ?」
「そんなこたぁ分かってる!」
「野宿する……何回、飯の時間があるんだろうな……?」
「はっ?!」
「あの聖女様は世間知らずのお人好しだ。必ず手伝ってくださる!」
「おおおおおーー?!」
「美味いぞ……半魔神の聖女様の「おいしくなーれ」は……」
「ま、マジか?!」
「あとあの方は魔物除けを張ってくださってる。無料で、だ」
「女神教会に頼んだら大して効かないのに10万ギル取られるアレか?!」
「昨日、馬車は一度も魔物に襲われなかった。安全かつ、美味い飯付きの旅の始まりだぜぇ……?」
「乗せろ!いや!乗っていただけ!!他の馬車に取られてたまるか!!乗ったらすぐ出るぞ!」
「助かる」
こうしてリードとアリアを乗せて、馬車は出発する。
「せ、聖女様があの馬車に?!」
「なんだと?!」
「リードだ!あいつが手引きしたんだ!!」
傭兵仲間は立ち上がる。聖女様が乗らないならこの馬車に用はない。さっきはこの馬車に乗りかけたのに、満員ですと断られたのだ。
御者ーーー!お前なんて事おおおおーーー!
「追え!今からでもあっちに乗り込むんだ!!」
「そうだ!俺たちはまたあの美味い飯を食うんだ!!!!」
「うおおおーーーー!!」
がたん、見えては居るが少し遠くで馬車は動き出す。
「ま、間に合えーーーー!!」
満員で乗れませんよ?
「俺たちの熱い気持ち!届けーーー!」
「りーーーどおおおーー!てめー!!」
馬車は途中から、突然スピードを上げ、走り出す。
「な、なんだありゃ……?」
「まるで重さが減ったような?」
「まさかな?」
走り去る馬車を呆然と見送る。
「美味い飯がーーーー!」
「馬鹿野郎!追うぞ!王都までまだ遠い!チャンスはあるだろう!!」
「そうだ!そうだ!」
男たちは王都行きの馬車を探して飛び乗った。
あの聖女様は王都へ行くと言っていた!
あの聖女と偶然を装って同じ馬車に乗り込めば毎日美味い物が食える!
みろ!古傷の痛みがピタリと止まった!
酒で荒れた腹の具合が良くなった!
半魔神の聖女様が乗り合い馬車に?!
一緒に乗れば美味い物が食える!!
『あの聖女様と同じ馬車に乗らなくては!!!』
「くすん」
王都行きの馬車は空前絶後の大混雑で、アリアの乗る隙間が無かったのである。
「良く聞け、俺たちは野宿前提の馬車だろ?」
「そんなこたぁ分かってる!」
「野宿する……何回、飯の時間があるんだろうな……?」
「はっ?!」
「あの聖女様は世間知らずのお人好しだ。必ず手伝ってくださる!」
「おおおおおーー?!」
「美味いぞ……半魔神の聖女様の「おいしくなーれ」は……」
「ま、マジか?!」
「あとあの方は魔物除けを張ってくださってる。無料で、だ」
「女神教会に頼んだら大して効かないのに10万ギル取られるアレか?!」
「昨日、馬車は一度も魔物に襲われなかった。安全かつ、美味い飯付きの旅の始まりだぜぇ……?」
「乗せろ!いや!乗っていただけ!!他の馬車に取られてたまるか!!乗ったらすぐ出るぞ!」
「助かる」
こうしてリードとアリアを乗せて、馬車は出発する。
「せ、聖女様があの馬車に?!」
「なんだと?!」
「リードだ!あいつが手引きしたんだ!!」
傭兵仲間は立ち上がる。聖女様が乗らないならこの馬車に用はない。さっきはこの馬車に乗りかけたのに、満員ですと断られたのだ。
御者ーーー!お前なんて事おおおおーーー!
「追え!今からでもあっちに乗り込むんだ!!」
「そうだ!俺たちはまたあの美味い飯を食うんだ!!!!」
「うおおおーーーー!!」
がたん、見えては居るが少し遠くで馬車は動き出す。
「ま、間に合えーーーー!!」
満員で乗れませんよ?
「俺たちの熱い気持ち!届けーーー!」
「りーーーどおおおーー!てめー!!」
馬車は途中から、突然スピードを上げ、走り出す。
「な、なんだありゃ……?」
「まるで重さが減ったような?」
「まさかな?」
走り去る馬車を呆然と見送る。
「美味い飯がーーーー!」
「馬鹿野郎!追うぞ!王都までまだ遠い!チャンスはあるだろう!!」
「そうだ!そうだ!」
男たちは王都行きの馬車を探して飛び乗った。
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