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121 まずいことになっちゃってた(ラセル
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待っていろと言われて部屋に案内されたけど、扉の前には衛兵さんが立っていてちょっと扉を開いて確認すると
「何か御用ですか? 」
「いえ……何でもないです」
なんだか見張られているような気がして嫌で、すぐに部屋の中に逃げ込んだ。
「そうだ」
この部屋にも窓がある。多分ここは3階だけれど、小さなバルコニーが付いていて中庭の景色が良く見えるようになっているから……急いで近づいて行って大きな窓を開ける。鍵はかかっていたけれど、内側からなら開けられるものだったから、ぼくだって難なく外に出ることができた。
バルコニーから下を見る……うん、飛び降りるのは良くない高さだ。きっとどこか怪我をする、下手したら死んじゃうと思う。庭木は……遠い。飛び移れる感じじゃないよ……ロイは来ているのかな、どうなんだろう。
「ラセル、部屋に入るよ」
「あっ、うん!」
上から声が聞こえた。見上げるとロイがトカゲみたいに壁に張り付いてる!なんで!?驚いていると上から静かにバルコニーに足を下ろして部屋にロイがやって来る。窓の傍に立っているのは部屋に誰か来た時にすぐ逃げられるように、だって。でもぼくはそれより聞きたいことができてしまった。
「どうやって壁にくっ付いてたの!? 」
「あーここの城って外壁に装飾があるんだよ。そこに足を引っ掛けてたんだ。別に張り付いてないぞ?かっこいい外観も考えもんだよなあ、ここの壁登りやすいもん」
「そうなの? 」
「うん。しかも壁の装飾は後からつけられたみたいなんだよね。壁と装飾のちぐはぐ感が凄いし。あの飾りがなきゃ俺だって登れないくらいいい城なんだけどねえ、なんであんなのつけたんだろ?」
ロイは首を傾げているけれど、そのお陰で会えたんだから良いんじゃないのかなっ!ぼくはロイに助けてほしくて話しかけた。
「ねえ、ロイ。なんか変な話になってるんだけど、ぼく、もう帰りたい」
「分かる~!でもまずあれだな、ラセルの短剣の話だ。あれはちょっとまずいかも」
「まずい?どういうことなの、ロイ」
「あの短剣は、どうもこの国を興した初代って人の持ち物らしい。城に飾られている初代って人の肖像画にあの短剣を持った姿で書かれているんだ。更にまずいことにその短剣を持つ者がこの国の王になるべし、なんて言葉まで残されてたらしい」
「え? 」
「な、まずいだろ? 」
ぼくはロイが言っていることが良く分からなかった。どうして遺跡で見つけた短剣を持ってたら王様になれるの?
「似てるけど違うものなんじゃないの……? 」
「いやそれが、皆そう考えて、この国一番の鑑定士が呼ばれて鑑定の結果は本物って出ちゃったんだよ」
「そ、そうなんだ……」
えっと、本当にどうしよう……。
「何か御用ですか? 」
「いえ……何でもないです」
なんだか見張られているような気がして嫌で、すぐに部屋の中に逃げ込んだ。
「そうだ」
この部屋にも窓がある。多分ここは3階だけれど、小さなバルコニーが付いていて中庭の景色が良く見えるようになっているから……急いで近づいて行って大きな窓を開ける。鍵はかかっていたけれど、内側からなら開けられるものだったから、ぼくだって難なく外に出ることができた。
バルコニーから下を見る……うん、飛び降りるのは良くない高さだ。きっとどこか怪我をする、下手したら死んじゃうと思う。庭木は……遠い。飛び移れる感じじゃないよ……ロイは来ているのかな、どうなんだろう。
「ラセル、部屋に入るよ」
「あっ、うん!」
上から声が聞こえた。見上げるとロイがトカゲみたいに壁に張り付いてる!なんで!?驚いていると上から静かにバルコニーに足を下ろして部屋にロイがやって来る。窓の傍に立っているのは部屋に誰か来た時にすぐ逃げられるように、だって。でもぼくはそれより聞きたいことができてしまった。
「どうやって壁にくっ付いてたの!? 」
「あーここの城って外壁に装飾があるんだよ。そこに足を引っ掛けてたんだ。別に張り付いてないぞ?かっこいい外観も考えもんだよなあ、ここの壁登りやすいもん」
「そうなの? 」
「うん。しかも壁の装飾は後からつけられたみたいなんだよね。壁と装飾のちぐはぐ感が凄いし。あの飾りがなきゃ俺だって登れないくらいいい城なんだけどねえ、なんであんなのつけたんだろ?」
ロイは首を傾げているけれど、そのお陰で会えたんだから良いんじゃないのかなっ!ぼくはロイに助けてほしくて話しかけた。
「ねえ、ロイ。なんか変な話になってるんだけど、ぼく、もう帰りたい」
「分かる~!でもまずあれだな、ラセルの短剣の話だ。あれはちょっとまずいかも」
「まずい?どういうことなの、ロイ」
「あの短剣は、どうもこの国を興した初代って人の持ち物らしい。城に飾られている初代って人の肖像画にあの短剣を持った姿で書かれているんだ。更にまずいことにその短剣を持つ者がこの国の王になるべし、なんて言葉まで残されてたらしい」
「え? 」
「な、まずいだろ? 」
ぼくはロイが言っていることが良く分からなかった。どうして遺跡で見つけた短剣を持ってたら王様になれるの?
「似てるけど違うものなんじゃないの……? 」
「いやそれが、皆そう考えて、この国一番の鑑定士が呼ばれて鑑定の結果は本物って出ちゃったんだよ」
「そ、そうなんだ……」
えっと、本当にどうしよう……。
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