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81 ラセルの血縁を探して
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「レオンーまた来るね~」
「ああ!それまでに私も強くなっておくからな!」
私達はマリアお姉さんのお屋敷から北へ旅立った。暫くは貸してもらった幌馬車で移動し、人通りが減ってきたら歩きに変える。いつまでも馬車で移動すると目立ってしまうからね。
「馬車って楽しいね~!」
「そうだね、ガタゴト揺れるし……あ、上に乗ってもいいかな?」
「乗れるの!?」
ヘイズに下から押してもらって幌馬車の幌の上に乗せてもらった。
「わあ~良い眺め~」
「ホントだねえ~」
大人程体重があれば乗るのはちょっとといわれるだろうけれど、ラセルと子狐の私では御者も笑って許可してくれた。
「きもちいー」
「うん」
今日は晴れていて青空が良く広がっている。このまま行けば天候に恵まれた行程になるだろう。
「ねえ、イアン。僕達どこへ行くの?」
「この国のもうちょっと北の方にあるハイランド王国へ行くんだきゅん」
「ふうん……どうして?」
追手の事もあるし、急いで出たのでラセルに旅の目的を話していなかった……もう伝えてもいいだろう、きっとラセルは分かってくれるはず。
「……ラセルの家にはラセルのお父さんとお母さんの荷物が残ってた。クレヤボンスさんがね、それについてた模様がハイランド王国で見たことがあるっていうんだ。だから、もしかしたらなんだけど、ラセルのお父さんかお母さんの兄弟とかおじいさんとかが生きてるかもしれないって」
「ええ! 僕、おじいちゃんとかいるの!?」
「まだわかんないよ? だから調べに行ったらどうかなって思って。いや? 」
ラセルは首が取れちゃうんじゃないかってくらいな勢いで横に振る。
「ううん! もしおじいちゃんとかおばあちゃんがいるなら会いたい! 」
「ボクもラセルのおじいちゃんとかおばあちゃんに会ってみたいよー」
ハイランド王は老齢に差し掛かる……ちょうどおじいさんと呼ぶにふさわしい年代だったはずだから、つじつまは合っている。
「会えるといいなー!」
「うん」
行くと決めた時点でクレヤボンスには動いて貰っている。もう既に何人かの部下はハイランド王国へ潜入して街の様子や国の様子を探ってくれているだろう。まだ何の情報も入って来ていないけれど、ラセルの期待通りの人物ならいいが……期待をし過ぎるのも良くないだろうな。
何せ、セレスフィール姫は他国へ嫁に行くのが嫌で騎士と駆け落ちしたんだ。セレスフィール姫がわがままだったのか、それとも嫁ぎたくないほど酷い男だったのか。ラセルの性格から推し量ると、セレスフィール姫がわがまま放題な女性であったとは思いにくい。となると、嫌がる娘を無理やり嫁がせようとした父親なのかと予想をしてしまうのだが……。
「僕のおじいちゃんかーどんなひとかな?お父さんみたいに狩りとかできる人だったのかなあ?」
「ラセルのお父さんは狩りが上手だったの? 」
「うん! 弓が上手かったんだよ。だから森で一人で迷子になってたイアンを見つけて連れて来たんでしょ?忘れたの? 」
「あ、うん……そうだったね」
話は合わせたけれど、私の知らない話。ラセルの両親がどんな人だったか色々聞きだしたい気もするけれど、それより私がボロを出してしまいそうだったのでやめておくことにしよう。
……いつか、私が子狐ではないことをラセルにも話さなければならないんだろうか。空は晴れていて日差しは気持ちいいのに、心に暗雲がかかってしまった。
「ああ!それまでに私も強くなっておくからな!」
私達はマリアお姉さんのお屋敷から北へ旅立った。暫くは貸してもらった幌馬車で移動し、人通りが減ってきたら歩きに変える。いつまでも馬車で移動すると目立ってしまうからね。
「馬車って楽しいね~!」
「そうだね、ガタゴト揺れるし……あ、上に乗ってもいいかな?」
「乗れるの!?」
ヘイズに下から押してもらって幌馬車の幌の上に乗せてもらった。
「わあ~良い眺め~」
「ホントだねえ~」
大人程体重があれば乗るのはちょっとといわれるだろうけれど、ラセルと子狐の私では御者も笑って許可してくれた。
「きもちいー」
「うん」
今日は晴れていて青空が良く広がっている。このまま行けば天候に恵まれた行程になるだろう。
「ねえ、イアン。僕達どこへ行くの?」
「この国のもうちょっと北の方にあるハイランド王国へ行くんだきゅん」
「ふうん……どうして?」
追手の事もあるし、急いで出たのでラセルに旅の目的を話していなかった……もう伝えてもいいだろう、きっとラセルは分かってくれるはず。
「……ラセルの家にはラセルのお父さんとお母さんの荷物が残ってた。クレヤボンスさんがね、それについてた模様がハイランド王国で見たことがあるっていうんだ。だから、もしかしたらなんだけど、ラセルのお父さんかお母さんの兄弟とかおじいさんとかが生きてるかもしれないって」
「ええ! 僕、おじいちゃんとかいるの!?」
「まだわかんないよ? だから調べに行ったらどうかなって思って。いや? 」
ラセルは首が取れちゃうんじゃないかってくらいな勢いで横に振る。
「ううん! もしおじいちゃんとかおばあちゃんがいるなら会いたい! 」
「ボクもラセルのおじいちゃんとかおばあちゃんに会ってみたいよー」
ハイランド王は老齢に差し掛かる……ちょうどおじいさんと呼ぶにふさわしい年代だったはずだから、つじつまは合っている。
「会えるといいなー!」
「うん」
行くと決めた時点でクレヤボンスには動いて貰っている。もう既に何人かの部下はハイランド王国へ潜入して街の様子や国の様子を探ってくれているだろう。まだ何の情報も入って来ていないけれど、ラセルの期待通りの人物ならいいが……期待をし過ぎるのも良くないだろうな。
何せ、セレスフィール姫は他国へ嫁に行くのが嫌で騎士と駆け落ちしたんだ。セレスフィール姫がわがままだったのか、それとも嫁ぎたくないほど酷い男だったのか。ラセルの性格から推し量ると、セレスフィール姫がわがまま放題な女性であったとは思いにくい。となると、嫌がる娘を無理やり嫁がせようとした父親なのかと予想をしてしまうのだが……。
「僕のおじいちゃんかーどんなひとかな?お父さんみたいに狩りとかできる人だったのかなあ?」
「ラセルのお父さんは狩りが上手だったの? 」
「うん! 弓が上手かったんだよ。だから森で一人で迷子になってたイアンを見つけて連れて来たんでしょ?忘れたの? 」
「あ、うん……そうだったね」
話は合わせたけれど、私の知らない話。ラセルの両親がどんな人だったか色々聞きだしたい気もするけれど、それより私がボロを出してしまいそうだったのでやめておくことにしよう。
……いつか、私が子狐ではないことをラセルにも話さなければならないんだろうか。空は晴れていて日差しは気持ちいいのに、心に暗雲がかかってしまった。
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