48 / 229
48 やはり違う
しおりを挟む
「げぇ!銀のリゼレンじゃねえか!」
「リゼレンが何の用だ! 」
「モテるからってなんでも許されると思うなよ!」
ヘイズ兄弟の前に現れたリゼレン大隊長。同じ剣士なのに、こうも違うのかといつも驚く。脳みそまで筋肉のヘイズ達の半分くらいの細さしかないようにみえるのに、リゼレン大隊長はヘイズ達と渡り合う。正面から当たればヘイズ達が勝つだろうけれど、私達が良くカチ合った戦場で正面から当たるなんてことは少ない。物陰、足場、天候や自然、すべてを使いこなしてリゼレン大隊長はヘイズ達と渡り合うんだ……あの人の脳みそは絶対筋肉じゃない。
その華麗にして流麗な体捌きはファンが多い。そしてリゼレン大隊長は顔がかっこいい。しかも本人もそれを知っていて、目立つ銀髪を長く伸ばして……凄くかっこいい、狡い。ヘイズ達が怒るのも無理ないんだ。
「君、ラセル君っていったね。こっちの細身の剣は持てる?」
「え?あ、軽い。持てます」
笑いながらリゼレン大隊長から木製の剣を受け取ったラセル。ヘイズ達はパプリーを口いっぱいに頬張ったような顔をしていたけれど、こればっかりはしょうがない。あとでパムに肉を焼いてもらおうね。
「弟子は貰っていくよ、フフ」
「くそおっ!イケメン狡い!その前髪をパッツパッツに切り取ってやる!」
「前髪がなくても私がかっこいいことに変わりはないと思うよ?フフ」
無理だ……ヘイズ達の脳みそが6個集まってもリゼレン大隊長に舌戦で勝てるわけがない……ちくしょー!と泣きながらやけ食いするしかないのだ。だ、大丈夫だよ、私はヘイズ達が凄いこと知ってるからね!ヘイズ達は女性にもてないけど、兵士達の間ではすんごい人気あるんだよ、兄貴兄貴って皆慕ってるからね!大丈夫、大丈夫だよ!
「義父上、多分あまりヘイズ達の慰めにならないようなこと考えてるでしょ?」
「そ、そんなことないよ?へ、変だなあ」
狐って口笛吹けないんだよねぇ……。とにかくラセルはリゼレン大隊長の指導を受け始めた。まずは剣の握り方、そして構え方。そんな所から教えてくれてる、流石リゼレン大隊長!ヘイズ達とは違う~!安心できる。
「静かに立って……すっと持ち上げ、振り下ろす。そう、良いね。力の抜き方と入り方もいい。君はセンスがある」
「はいっ」
ラセルも真剣に剣を振り上げ、振り下ろす。本当に型に沿ったきれいな形だ……ラセルは良い剣士になれると思う。
「両手両足の肉球を揉ませてあげないと駄目じゃないですか?」
「ぎゅう……あれちょっとくすぐったいんだよねえ……でもラセルの為ならしょうがないきゅん、我慢するぅ」
「リゼレンが何の用だ! 」
「モテるからってなんでも許されると思うなよ!」
ヘイズ兄弟の前に現れたリゼレン大隊長。同じ剣士なのに、こうも違うのかといつも驚く。脳みそまで筋肉のヘイズ達の半分くらいの細さしかないようにみえるのに、リゼレン大隊長はヘイズ達と渡り合う。正面から当たればヘイズ達が勝つだろうけれど、私達が良くカチ合った戦場で正面から当たるなんてことは少ない。物陰、足場、天候や自然、すべてを使いこなしてリゼレン大隊長はヘイズ達と渡り合うんだ……あの人の脳みそは絶対筋肉じゃない。
その華麗にして流麗な体捌きはファンが多い。そしてリゼレン大隊長は顔がかっこいい。しかも本人もそれを知っていて、目立つ銀髪を長く伸ばして……凄くかっこいい、狡い。ヘイズ達が怒るのも無理ないんだ。
「君、ラセル君っていったね。こっちの細身の剣は持てる?」
「え?あ、軽い。持てます」
笑いながらリゼレン大隊長から木製の剣を受け取ったラセル。ヘイズ達はパプリーを口いっぱいに頬張ったような顔をしていたけれど、こればっかりはしょうがない。あとでパムに肉を焼いてもらおうね。
「弟子は貰っていくよ、フフ」
「くそおっ!イケメン狡い!その前髪をパッツパッツに切り取ってやる!」
「前髪がなくても私がかっこいいことに変わりはないと思うよ?フフ」
無理だ……ヘイズ達の脳みそが6個集まってもリゼレン大隊長に舌戦で勝てるわけがない……ちくしょー!と泣きながらやけ食いするしかないのだ。だ、大丈夫だよ、私はヘイズ達が凄いこと知ってるからね!ヘイズ達は女性にもてないけど、兵士達の間ではすんごい人気あるんだよ、兄貴兄貴って皆慕ってるからね!大丈夫、大丈夫だよ!
「義父上、多分あまりヘイズ達の慰めにならないようなこと考えてるでしょ?」
「そ、そんなことないよ?へ、変だなあ」
狐って口笛吹けないんだよねぇ……。とにかくラセルはリゼレン大隊長の指導を受け始めた。まずは剣の握り方、そして構え方。そんな所から教えてくれてる、流石リゼレン大隊長!ヘイズ達とは違う~!安心できる。
「静かに立って……すっと持ち上げ、振り下ろす。そう、良いね。力の抜き方と入り方もいい。君はセンスがある」
「はいっ」
ラセルも真剣に剣を振り上げ、振り下ろす。本当に型に沿ったきれいな形だ……ラセルは良い剣士になれると思う。
「両手両足の肉球を揉ませてあげないと駄目じゃないですか?」
「ぎゅう……あれちょっとくすぐったいんだよねえ……でもラセルの為ならしょうがないきゅん、我慢するぅ」
107
お気に入りに追加
1,888
あなたにおすすめの小説
【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」
洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。
子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。
人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。
「僕ね、セティのこと大好きだよ」
【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印)
【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ
【完結】2021/9/13
※2020/11/01 エブリスタ BLカテゴリー6位
※2021/09/09 エブリスタ、BLカテゴリー2位
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが
松林 松茸
BL
私は「南 明日香」という平凡な会社員だった。
ありふれた生活と隠していたオタク趣味。それだけで満足な生活だった。
あの日までは。
気が付くと大好きだった乙女ゲーム“ときめき魔法学院”のモブキャラ「レナンジェス=ハックマン子爵家長男」に転生していた。
(無いものがある!これは…モブキャラハーレムを作らなくては!!)
その野望を実現すべく計画を練るが…アーな方向へ向かってしまう。
元日本人女性の異世界生活は如何に?
※カクヨム様、小説家になろう様で同時連載しております。
5月23日から毎日、昼12時更新します。


家を追い出されたのでツバメをやろうとしたら強面の乳兄弟に反対されて困っている
香歌奈
BL
ある日、突然、セレンは生まれ育った伯爵家を追い出された。
異母兄の婚約者に乱暴を働こうとした罪らしいが、全く身に覚えがない。なのに伯爵家当主となっている異母兄は家から締め出したばかりか、ヴァーレン伯爵家の籍まで抹消したと言う。
途方に暮れたセレンは、年の離れた乳兄弟ギーズを頼ることにした。ギーズは顔に大きな傷跡が残る強面の騎士。悪人からは恐れられ、女子供からは怯えられているという。でもセレンにとっては子守をしてくれた優しいお兄さん。ギーズの家に置いてもらう日々は昔のようで居心地がいい。とはいえ、いつまでも養ってもらうわけにはいかない。しかしお坊ちゃん育ちで手に職があるわけでもなく……。
「僕は女性ウケがいい。この顔を生かしてツバメをしようかな」「おい、待て。ツバメの意味がわかっているのか!」美貌の天然青年に振り回される強面騎士は、ついに実力行使に出る?!

ハイスペックストーカーに追われています
たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!!
と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。
完結しました。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる