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14 枝投げは楽しい!
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「イアンー!」
「わぁーい!」
今日は久しぶりにラセルと一緒に遊んでいる。おじさん達がたくさん来て、色々教えてくれるけれど、ずっと学びまくるのもよくないってミニィが休みの日を作っている。
期限があってそこまでに砦を落とさなければならないとか、交渉のために早く攻略しなければならないということでもないからな。
「パムさんがくれたふかふかパンもあるから、今日のご飯もあるし!」
「きゅうん!」
パムは私の部隊で料理番をしていた男だ。従軍していない時は私の家でご飯を作ってくれていた。パムのご飯は美味しい。パムはとにかく料理を作るのが大好きだ。人数が10人しかいない時も30人分のパンを焼く。こだわりがあるんだ。
「料理はいっぱい作った方が美味い! 」
よく分からんがパムの自論で、別の部隊にいたが食料を無駄にすると言って追い出されたんだ。
「はあ?いっぱいできたらいっぱい食えてありがたいだろう?何でクビにされるんだ?意味が分からん」
「イアン様ぁーー!」
なんかパムも付いてきた。分からん、何も分からん……。
「や、それは時空魔法を操って時止めの保管庫を作れる義父上だからですよ、普通あんなに作られたら困りますって」
ミニィがなんか言ってたけど、聞き直しても怒り気味に
「何でもないですっ」
って言われた……何でも無いなら良いけど、なんで怒ってるんだろう……最近ミニィと遊んでないからか。うう、なんでこんなに仕事が多いんだ、今夜も徹夜かぁ。
「イアン?イアン??」
「きゅうん?あっ」
目の前でラセルが心配そうに私を見下ろしている。しまった、過去を思い出してボーッとしていたんだな。ラセルはあまり大きくない手を差し伸べて来る。脇の下に手を入れて抱き上げてくれた。
「大丈夫?おなか減ってるの?ご飯食べようか?」
「お腹空いてないよ、大丈夫。もっと枝投げて!遊ぼっ」
「うん!」
そうだ、今の私はとても可愛い白い子狐。昔のことはもう忘れて子狐として真っ当に生きるぞ。しかしこうも見知った顔が多いと思い出さずにはいられないし、薄い探索魔法が流れて来てるし、隠しているようだけど、向こうの木の影からクレヤボンスが見てるのは分かるし……。
「いっくよー!イアン」
「あ!うんー!」
ぽーいとラセルが投げた木の枝を拾いに行く。この遊び、狐になるまで知らなかったが凄く楽しい!こんなに楽しいなら近所にいた犬にもやってやれば良かったなあ。
「ラセルー!」
「わー凄いよイアン!」
「えへへ」
枝を持って行ったときたくさん撫でてくれるのも嬉しい。不思議だな、とても不思議だな。ラセルの傍にいるだけでとっても楽しいんだ。
「楽しい?」
「きゅん!」
「僕も!」
えへへと笑うラセルを見るととても嬉しい気持ちになる。尽きかけたイアン・ワイアードの命だったけれど、こうやってこの子を笑顔に出来ているなら、あのまま燃やし尽くすより何倍も良かったのではないかと思うのだ。それに私は必死に生き過ぎた気がする。こうして穏やかな時間を過ごせるのはある意味神の采配によるものなのではないかとさえ思えてくる。
私の魂は確実に安らいだ時間を満喫しているのだから。
「わぁーい!」
今日は久しぶりにラセルと一緒に遊んでいる。おじさん達がたくさん来て、色々教えてくれるけれど、ずっと学びまくるのもよくないってミニィが休みの日を作っている。
期限があってそこまでに砦を落とさなければならないとか、交渉のために早く攻略しなければならないということでもないからな。
「パムさんがくれたふかふかパンもあるから、今日のご飯もあるし!」
「きゅうん!」
パムは私の部隊で料理番をしていた男だ。従軍していない時は私の家でご飯を作ってくれていた。パムのご飯は美味しい。パムはとにかく料理を作るのが大好きだ。人数が10人しかいない時も30人分のパンを焼く。こだわりがあるんだ。
「料理はいっぱい作った方が美味い! 」
よく分からんがパムの自論で、別の部隊にいたが食料を無駄にすると言って追い出されたんだ。
「はあ?いっぱいできたらいっぱい食えてありがたいだろう?何でクビにされるんだ?意味が分からん」
「イアン様ぁーー!」
なんかパムも付いてきた。分からん、何も分からん……。
「や、それは時空魔法を操って時止めの保管庫を作れる義父上だからですよ、普通あんなに作られたら困りますって」
ミニィがなんか言ってたけど、聞き直しても怒り気味に
「何でもないですっ」
って言われた……何でも無いなら良いけど、なんで怒ってるんだろう……最近ミニィと遊んでないからか。うう、なんでこんなに仕事が多いんだ、今夜も徹夜かぁ。
「イアン?イアン??」
「きゅうん?あっ」
目の前でラセルが心配そうに私を見下ろしている。しまった、過去を思い出してボーッとしていたんだな。ラセルはあまり大きくない手を差し伸べて来る。脇の下に手を入れて抱き上げてくれた。
「大丈夫?おなか減ってるの?ご飯食べようか?」
「お腹空いてないよ、大丈夫。もっと枝投げて!遊ぼっ」
「うん!」
そうだ、今の私はとても可愛い白い子狐。昔のことはもう忘れて子狐として真っ当に生きるぞ。しかしこうも見知った顔が多いと思い出さずにはいられないし、薄い探索魔法が流れて来てるし、隠しているようだけど、向こうの木の影からクレヤボンスが見てるのは分かるし……。
「いっくよー!イアン」
「あ!うんー!」
ぽーいとラセルが投げた木の枝を拾いに行く。この遊び、狐になるまで知らなかったが凄く楽しい!こんなに楽しいなら近所にいた犬にもやってやれば良かったなあ。
「ラセルー!」
「わー凄いよイアン!」
「えへへ」
枝を持って行ったときたくさん撫でてくれるのも嬉しい。不思議だな、とても不思議だな。ラセルの傍にいるだけでとっても楽しいんだ。
「楽しい?」
「きゅん!」
「僕も!」
えへへと笑うラセルを見るととても嬉しい気持ちになる。尽きかけたイアン・ワイアードの命だったけれど、こうやってこの子を笑顔に出来ているなら、あのまま燃やし尽くすより何倍も良かったのではないかと思うのだ。それに私は必死に生き過ぎた気がする。こうして穏やかな時間を過ごせるのはある意味神の采配によるものなのではないかとさえ思えてくる。
私の魂は確実に安らいだ時間を満喫しているのだから。
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