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オマケの話
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私はかなり……いや結構恐れている事がある。
「ユールこの書類お願い」
「分かった」
私達は学んだことを活かしながら、フェルム家で実践している。学園と実際では差異が多くて、公爵様や執事さんに指摘されながらの日々だ。それでもやりがいはあるし、楽しいと思う。ステファン家の手伝いも出来たらいいななんて思っているのだが。恐れているのはそこじゃあない。
---アンセルは望まない子を何人も孕まされ……。
「俺」の作ったゲームの設定だ。そうなんだよ「何人も」なんだ。私とアンセルの可愛い息子ルディは仕事中は乳母さんに見てもらいながら元気に成長している。ゲームのアンセルの最初の子の名前もルディ。顔つきは全く違うけれど、名前は同じになってしまった。
そう、何人も、って……何人?
「3人くらいは……いける……か?その先は……?」
「ユール?どうしたの??3人ってなあに?」
「あ、アンセル。何でもないよ」
そう、なんとダルタンが3人目を妊娠中なんだよね。今回も意気揚々で鼻息も荒い。
「僕はさ、この薬を作った責任上やっぱり安全性をね」
ダルタンはもっともらしい事を言う。それもあるだろうけど、ただ単に先生とイチャイチャしただけだ。指摘したら顔をボン!と赤くしたからダルタンは嘘がつけない。
「それでも、3人目ともなると少しお腹が心配だね。危険な事はしたくないから様子を見ながらだよ」
グリーブ先生もダルタンのお腹をさすりながらそんな風に言っている……けど、やめないんだよね、この人達!今の所順調だからきっと3人くらいまでは問題がなさそうだ。
「もしかして、次の赤ちゃんの事考えてた?でも、私はダルタンと違って少し時間を置いてからの方が良いと思うんだ。ごめんねユール」
「え?いや、ってそ、そうじゃないし!?」
「ダルタン達はさておきとして、やっぱり2.3歳離した方が良いと思うんだ。でも……ユールがすぐが良いって言うなら……いやでも駄目だなあ」
「アンセルっ違う、違うったら!」
違わないんだけど、違うっ!
「うん、分かったよ~。あの水色の薬を使わないで愛し合ったらいいじゃない?暫くはルディをうんと可愛いがろうよ」
「ルディは可愛がるけど」
「俺」の作ったゲームでもアンセルはルディに愛を注いだ。望んでいない子供でもアンセルは我が子を全員愛した。愛しても……最後にアンセルは子供達とも無理やり引き離され、酷い最期を迎える。引き離された後の子供達についての言及はしなかったけれど、唯一の庇護者を失った子供達が幸せになれた確率はとても低いと思う。
だからという訳ではないけれど、私はルディを幸せでいっぱいに埋めて上げたい。ゲームだった頃のアンセルの子供達を全員幸せにしてあげたいんだ。
「ソレにはやっぱり私が気合入れて産むしかないな!」
「2年おきくらいにしよっか!」
「うん」
よーし頑張るぞ!きっと私なら出来るはずだ!隣でアンセルがいやにニコニコしているけど、何か良い事があったのかな?
「ユールに無理をさせたくないからルディ一人で良いかなって思ってたんだけど、ユールは私との子供を次も欲しかったんだね、嬉しいよ」
「そりゃそうだろう、幸せいっぱいにするんだからね!」
「うん、大好きユール」
「私もだよ、アンセル」
仕事中だったけれど、笑いあってキスをした。皆、皆幸せになーれ!
「ユールこの書類お願い」
「分かった」
私達は学んだことを活かしながら、フェルム家で実践している。学園と実際では差異が多くて、公爵様や執事さんに指摘されながらの日々だ。それでもやりがいはあるし、楽しいと思う。ステファン家の手伝いも出来たらいいななんて思っているのだが。恐れているのはそこじゃあない。
---アンセルは望まない子を何人も孕まされ……。
「俺」の作ったゲームの設定だ。そうなんだよ「何人も」なんだ。私とアンセルの可愛い息子ルディは仕事中は乳母さんに見てもらいながら元気に成長している。ゲームのアンセルの最初の子の名前もルディ。顔つきは全く違うけれど、名前は同じになってしまった。
そう、何人も、って……何人?
「3人くらいは……いける……か?その先は……?」
「ユール?どうしたの??3人ってなあに?」
「あ、アンセル。何でもないよ」
そう、なんとダルタンが3人目を妊娠中なんだよね。今回も意気揚々で鼻息も荒い。
「僕はさ、この薬を作った責任上やっぱり安全性をね」
ダルタンはもっともらしい事を言う。それもあるだろうけど、ただ単に先生とイチャイチャしただけだ。指摘したら顔をボン!と赤くしたからダルタンは嘘がつけない。
「それでも、3人目ともなると少しお腹が心配だね。危険な事はしたくないから様子を見ながらだよ」
グリーブ先生もダルタンのお腹をさすりながらそんな風に言っている……けど、やめないんだよね、この人達!今の所順調だからきっと3人くらいまでは問題がなさそうだ。
「もしかして、次の赤ちゃんの事考えてた?でも、私はダルタンと違って少し時間を置いてからの方が良いと思うんだ。ごめんねユール」
「え?いや、ってそ、そうじゃないし!?」
「ダルタン達はさておきとして、やっぱり2.3歳離した方が良いと思うんだ。でも……ユールがすぐが良いって言うなら……いやでも駄目だなあ」
「アンセルっ違う、違うったら!」
違わないんだけど、違うっ!
「うん、分かったよ~。あの水色の薬を使わないで愛し合ったらいいじゃない?暫くはルディをうんと可愛いがろうよ」
「ルディは可愛がるけど」
「俺」の作ったゲームでもアンセルはルディに愛を注いだ。望んでいない子供でもアンセルは我が子を全員愛した。愛しても……最後にアンセルは子供達とも無理やり引き離され、酷い最期を迎える。引き離された後の子供達についての言及はしなかったけれど、唯一の庇護者を失った子供達が幸せになれた確率はとても低いと思う。
だからという訳ではないけれど、私はルディを幸せでいっぱいに埋めて上げたい。ゲームだった頃のアンセルの子供達を全員幸せにしてあげたいんだ。
「ソレにはやっぱり私が気合入れて産むしかないな!」
「2年おきくらいにしよっか!」
「うん」
よーし頑張るぞ!きっと私なら出来るはずだ!隣でアンセルがいやにニコニコしているけど、何か良い事があったのかな?
「ユールに無理をさせたくないからルディ一人で良いかなって思ってたんだけど、ユールは私との子供を次も欲しかったんだね、嬉しいよ」
「そりゃそうだろう、幸せいっぱいにするんだからね!」
「うん、大好きユール」
「私もだよ、アンセル」
仕事中だったけれど、笑いあってキスをした。皆、皆幸せになーれ!
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