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14 先輩もノーセンキュー

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「ねぇアンセル君、私の家で私的に行うパーティがあってね?どう参加しない?君が来てくれたら盛り上がるんだけどなあ」

「お断り致しますよ、ランディ先輩。そのパーティってかなり悪評が立ってますよ?」

「ちぇー」

 ダルタンの薬がないランディ先輩のパーティは精彩を欠いているし、参加者も不満を持つ人が多くそろそろ検挙されそうな勢いだ。ゲームの時、ダルタンの作った媚薬やらで色々盛り上がっていたパーティだったし、一度強引に連れていかれたアンセルが無茶苦茶に犯されて

「皆に黙っていてほしかったら、分かるよねえ?」

 なんて脅されて……何度も呼び出され、たくさんの人の前でストリップショウをさせられ、最後にはランディの選んだゲストに貪られる。屈辱と恐怖とに歪んだ顔で自分から服を脱いでいく様を見世物にされるアンセルのスチルはまあキラキラしてて見えるか見えないか?うん、見える、見えるぞーーーっていうスチルは大人気だったな。
 見えない差分も貰ったけれどそこは「俺」。見える方を採用したよね、うん。

「確か右のお尻にほくろが……」

 思い出して呟いたら、アンセルが赤くなってお尻を隠したので本当にあるみたいだった。

「いつ見たの!?」

「え?何のこと??」

 とぼけておこうっと……。

「嘘だ!どうしてユールが私のお尻にほくろがある事を知っているの!?狡いっ私もユールのお尻を見るっ!」

「わっ!アンセル、ズボン引っ張らないでっ!」

 どうしてこんな事にっ!

「良いから見せてっ狡い狡いっ」

「やめてーっ」

 しかもここは学園で今はお昼休みなんですけど!?

「おいおい、昼間っから嫁に襲い掛かってるのかあ?アンセル~?」

「そういう事は家に帰ってからヤれよ~」

 ちょっと口の悪い同じクラスの連中が囃し立てる。誰が嫁かっ!私はアンセルの腰巾着であって嫁ではない!

「それもそうか。じゃあ今日家に帰ってからやろっか、ユール」

「今もしないし、帰ってからもしないけど!?」

 まあそれでもランディ先輩との繋がりは薄くなっているし、このままアンセルは先輩とは関わらない方向へ向かってもらおう。私もランディ先輩のお友達と関わらない方向で進んでいく事にする。先輩のお友達、ニアリス・カナン侯爵令息だ。



「ユール、良いな?次のパーティもアンセルを連れてくるんだ」

「うん、そしたら先輩は私を……」

「ああ、いつも通り可愛がってやる」

 嬉しい、と顔を赤くするゲーム内のユール。アンセルと共に無理やりランディのいかがわしい薬物パーティに引きずり込まれたユールはこのニアリスに派手に犯される。しかしユールはニアリスの事が忘れられなくてニアリスに言われた通り何でもやってしまい……最後の一番ヤバイパーティにアンセルを送り込む。そしてそのパーティでアンセルを連れてくる役目を終えたユールはニアリスに捨てられるのだ。

「お前の相手はいちいち面倒だった。大してヨくもない癖に毎回抱かなきゃならないこっちの苦労を知れよ。あーあー私もアンセルを抱きたかったな。お前みたいなハズレはもう要らない」

「ニ、ニアリス……様……?」

 突き飛ばされ、吐き捨てられ。目の前で言われているのに受け止めきれないユールは転がった床でカタカタ震えるしか出来ない。

「でもなあ、そんなお前でも遊んでくれる奴らがいるってよ。ホラ、今日からはこいつらに可愛がって貰え。もう二度と私に話しかけるんじゃないぞ」

「ニ、ニアリスっ……さまあああっ」

 冷たく背を向けられても信じられないと縋るユールを数人の男達が遮る。

「まあまあじゃないかぁ?アンセル君に比べたら残念な顔つきだけれどな」

「ヨくないとニアリス様は言っていたが、そこはあったろう?あの薬を使えばいい」

「頭がぶっ飛ぶかもしれんが、あれならきっと気持ちよくなれるさ、良かったなあ?ユール君」

「ひ……」

 そうやって名前も知らない男達にどろどろに犯されるユールのスチルが一枚。「そんな感じで」って注文を出したら「こんな感じでいかがですか」と帰って来たので、軽くオッケーした適当な奴。ちなみにゲームではその後ユールは出てこない。多分闇に売られたんだろう。あれだけよくしてくれたゲームのアンセルを裏切ったんだ、ゲームのユールには相応しい末路だった。

 私はそんな風になりたくないし、アンセルを裏切ったりは絶対しない!因みにランディ先輩と一緒に歩くニアリス・カナン侯爵令息をちらりと見た事があるが、全然ときめかなかったしかっこいいとも思わなかった。なんでゲーム内のユールはそんなにニアリスの事を好きになったんだろう?
 ヤられちゃったからなのか?やっぱり体の関係はある程度強固な絆を生み出してしまうものなんだろうか?ニアリス先輩とイチャイチャするくらいならアンセルと馬鹿な事やって遊んでた方が何倍も楽しいよ。


「ユール?どうしたの、ぼーっとして。帰ってお尻見せてよ」

「お尻は見せないけれど、大丈夫」

 まだ見たがってたの??アンセルってば!結局家に帰るとお尻を見せろとアンセルに追い回され、とうとう根負けしてズボンを降ろされてしまった。

「ユールのお尻って意外と小さくて張りがあって可愛いね!」

「何言ってるんだ、もう見ただろう??しまうぞっ」

「……こっちも未使用っぽいし?」

「ひゃんっ!!どこつついてるんだよ!!!」

 美形キャラが触っていい場所じゃない所を突かれて飛び上がったりした。私であるユールのそこは出口としてしか使う予定がないからっ!




 
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