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12 お薬マニアの実力
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「まずは頑張って少しづつ歩いて下さい。痛み止めをお持ちしました」
「……ふむ、君の言う事も一理あるな」
公爵の前にダルタンと私、アンセルがドキドキしながら立っていた。
「回復は中々しないと思いますけど、動かさないのはダメですから」
「相当痛むが?」
「我慢していただくより他ありません」
ダルタンの言う事は正しいが権威ある公爵様に痛みを堪えて歩けなんて子爵の身分じゃ言いづらい。ただそこは薬マニアの血が騒いだんだろう。自分の作った痛み止めでどこまで行けるのかと。
「分かった、試してみよう。作成する薬代を用意する、作ってみてくれ」
「は、はい!!」
良し!ダルタンをこっちに引き込んだぞ!!ダルタンは薬の材料費が無くてランディ先輩からの悪い誘いに乗ってしまう。そこで違法な薬を作っては先輩に二束三文で買い叩かれ、ズブズブと悪い沼に埋まって抜け出せなくなってしまう。
今度はきちんとしたスポンサーがついたからランディ先輩におかしな薬を調合させられる事もないだろう。公爵の前から礼をして辞し、三人でフェルム邸を歩いている。空いている所にダルタンの製薬室を設けてくれる事になった。
「なーダルタン。美味しい解毒剤って作れない?」
私がお願いすると、ダルタンは口を尖らせる。
「やだよ、味をよくすると効果が落ちるか高価になるもん、意味ないよ」
「意味あるよ?!」
だからダルタンなんだよなーーー!飲む人の事なんて何も考えてないんだもの!だから駄目なんだよ~~!くすりと笑ってアンセルが横から言ってくれた。
「美味しいの作ってよ、ダルタン。私が費用を出すから」
「……アンセルが言うならぁ」
最初、アンセルの側に寄るだけで眩しそうにしていたけれど、慣れたのか普通に会話できるようになってた。そんなダルタンなんだけどちょっと前髪を上げたら……わかってる、イケメンなんだよ。そう言う設定にしたのは「俺」です、ドヤァ!
「ありがとう、ダルタン」
「アンセルは人気者だからなぁ、どこで媚薬盛られるか分かったもんじゃないしね。ユール、ちゃんとアンセルのこと守ってよ?」
「勿論だとも!」
因みにダルタンは完璧な薬オタクで、アンセルを好きになる事はないようだった。流石だ……。
「私はむしろアンセルが子供を産んだらどんな美形が産まれて来るかが気になるな!」
「ダルタン……私は男だよ?赤ちゃんは産めないよ、何言ってるの?」
だよな?ダルタン……まさか……?
「それがね!最近の研究でさ、すんごい論文が発表されたんだよ!なんと、男の子でも赤ちゃんが産める可能性があるんだって!」
おいおい!風向きが怪しいんですけど?!
「へーじゃあさ、ユールが私の子供を妊娠したらどうなる?」
「あっ!それ良いね。すごく興味ある」
2人とも何を言ってんだよ……。
「そうだよなー、公爵になるアンセルが赤ちゃんを産むのはやっぱり不味いもんね。そこは腰巾着のユールが産んでくれればいいんだよね、成果を見たいところだ!」
「私とユールの子供かぁ。絶対可愛いよねぇ」
「アンセルの血を引いたら皆可愛いと思うけど、まあユールも中々見れる顔だしいいと思う!それでね?ヒドラっているだろ?アレの体組織を使うんだ!やっぱり魔物を使うから公爵様では試せないし、ユール出番だよ!」
そんな出番要らないし!!全くランディ先輩から離れたんだからそう言う薬の開発は要らないって言うんだよ!ちょっと、二人で盛り上がらないで欲しいんですけれど!?
「……ふむ、君の言う事も一理あるな」
公爵の前にダルタンと私、アンセルがドキドキしながら立っていた。
「回復は中々しないと思いますけど、動かさないのはダメですから」
「相当痛むが?」
「我慢していただくより他ありません」
ダルタンの言う事は正しいが権威ある公爵様に痛みを堪えて歩けなんて子爵の身分じゃ言いづらい。ただそこは薬マニアの血が騒いだんだろう。自分の作った痛み止めでどこまで行けるのかと。
「分かった、試してみよう。作成する薬代を用意する、作ってみてくれ」
「は、はい!!」
良し!ダルタンをこっちに引き込んだぞ!!ダルタンは薬の材料費が無くてランディ先輩からの悪い誘いに乗ってしまう。そこで違法な薬を作っては先輩に二束三文で買い叩かれ、ズブズブと悪い沼に埋まって抜け出せなくなってしまう。
今度はきちんとしたスポンサーがついたからランディ先輩におかしな薬を調合させられる事もないだろう。公爵の前から礼をして辞し、三人でフェルム邸を歩いている。空いている所にダルタンの製薬室を設けてくれる事になった。
「なーダルタン。美味しい解毒剤って作れない?」
私がお願いすると、ダルタンは口を尖らせる。
「やだよ、味をよくすると効果が落ちるか高価になるもん、意味ないよ」
「意味あるよ?!」
だからダルタンなんだよなーーー!飲む人の事なんて何も考えてないんだもの!だから駄目なんだよ~~!くすりと笑ってアンセルが横から言ってくれた。
「美味しいの作ってよ、ダルタン。私が費用を出すから」
「……アンセルが言うならぁ」
最初、アンセルの側に寄るだけで眩しそうにしていたけれど、慣れたのか普通に会話できるようになってた。そんなダルタンなんだけどちょっと前髪を上げたら……わかってる、イケメンなんだよ。そう言う設定にしたのは「俺」です、ドヤァ!
「ありがとう、ダルタン」
「アンセルは人気者だからなぁ、どこで媚薬盛られるか分かったもんじゃないしね。ユール、ちゃんとアンセルのこと守ってよ?」
「勿論だとも!」
因みにダルタンは完璧な薬オタクで、アンセルを好きになる事はないようだった。流石だ……。
「私はむしろアンセルが子供を産んだらどんな美形が産まれて来るかが気になるな!」
「ダルタン……私は男だよ?赤ちゃんは産めないよ、何言ってるの?」
だよな?ダルタン……まさか……?
「それがね!最近の研究でさ、すんごい論文が発表されたんだよ!なんと、男の子でも赤ちゃんが産める可能性があるんだって!」
おいおい!風向きが怪しいんですけど?!
「へーじゃあさ、ユールが私の子供を妊娠したらどうなる?」
「あっ!それ良いね。すごく興味ある」
2人とも何を言ってんだよ……。
「そうだよなー、公爵になるアンセルが赤ちゃんを産むのはやっぱり不味いもんね。そこは腰巾着のユールが産んでくれればいいんだよね、成果を見たいところだ!」
「私とユールの子供かぁ。絶対可愛いよねぇ」
「アンセルの血を引いたら皆可愛いと思うけど、まあユールも中々見れる顔だしいいと思う!それでね?ヒドラっているだろ?アレの体組織を使うんだ!やっぱり魔物を使うから公爵様では試せないし、ユール出番だよ!」
そんな出番要らないし!!全くランディ先輩から離れたんだからそう言う薬の開発は要らないって言うんだよ!ちょっと、二人で盛り上がらないで欲しいんですけれど!?
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