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13 たくさん取れてウハウハだったんですが
しおりを挟む「どっせーいっ!」
上から下へ斧を振り下ろすとやっぱり木だな、パッカーンと二つに割れた。
「見ろ、リン。こいつの表面にびっしり綺麗な草生えてるぞ!」
「うわっ、本当だ! 取り放題じゃん! 超毟るわ!」
「おう! どんどんむしっていけぇ。あ、向こうのやつ、なんか蔦っぽいの巻きついてる? てかあれぶどうじゃねぇか? うひょー美味そう!」
「うわー良いね、いっぱい倒してよ」
「任せとけ」
パッカーン! パッカーン! パッカーン! 小気味いい音を立てて俺はダークエルダートレントを真っ二つにして行く。いいな、こいつら薪にもなるし勝手にわいわい集まって来て探さなくていいから楽ちんだ。
そうやって物音を立ててるもんだから、別の魔物も音を聞きつけてやってくる。
「お、狼っ……で、でかい」
ダイヤーウルフの巨大種かな?! 確か爪と牙が使えるんだよな。ちなみに毛皮は臭い!
「えーと、まあ斧でいっか!」
「がぁああっ!」
正面で迎え撃つ俺に向かって飛びかかって来る。大口の中には良い素材になりそうな牙が大量に並んでいる! これは楽しみだ。素材を傷つけないように斧を水平に一振りで、首がスッポーンと飛んで行く。意外と弱いなぁ。
「あーっ! ウルフの生き血も使えるんだぞ!」
「なら流れちゃう前に早く回収しとけ」
「仕方ない、トレントはこのままストレージ行き、あーっダメだウルフもまずストレージに入れるよ」
「任せたー」
それにしても俺の欲しい素材を持った奴が現れないなぁ?
「兄ちゃん! 亀来たぞ!」
「おっ! そいつそいつ!」
斧をストレージに仕舞い、次にハンマーを出す。
「硬い物はやっぱりこれだよなぁ」
「餅つきみたいだけどな!」
でっかいからなー! 俺はのそのそ歩いて来る亀が待ちきれなくて、ハンマーを担いで走り出す。
「レンさん?!」
「大丈夫でーす。慣れてますんで」
そして4.5メートルはあるかと思う高さの位置にある亀の頭を思いっきりぶん殴った。めきょとか変な音がして、ちょっとした地響きを上げて亀は地上に潰れる。
「おーし、甲羅は無傷!お、やっぱり色んな鉱物の結晶が成長してる!」
「おー良いね。あと亀って食える?」
どうだろうなぁ魔物だぞ? 魔力抜きしたら食えるかな?! ゲームの時はモンスターを倒したらドロップは数個だったけど、こうして自分で倒すと色んなものが大量に手に入るんだよー、コレは凄く楽しい!
「このロックタートル系の奴、あと4.5匹欲しいなぁ。近くにいない? リン」
「んー……索敵かけてみる……あー、西に2匹と北西にでっかいのいるなぁ」
「おっ! じゃあちょっと狩ってくる」
「わかったよー」
俺は普通の魔法はからっきしだから助かるー。
【レン、迷子になりそうだから私が案内してあげる】
「助かるーシルフィード! じゃあ、すぐ戻るから」
「オッケー」
薄緑の風の精霊が先導してくれるんでその後ろを追いかける。森の中って迷いやすいから困るよな。
でかい亀を三匹倒して戻って来るとリンが騎士さんと殿下に囲まれてた。ど、どうしちゃったの?
「た、ただいまぁって何かあったの……?」
「わぁん! 兄ちゃん助けて」
「へ?」
皆に囲まれて涙目のリン。そしてやけに爽やかな殿下の笑顔。俺、最近知ったんだ……殿下って爽やかすぎる時って結構、いやかなり怒ってるんだって……ど、どうしよう!
だ、だって素材集めっていったら基本、狩りだよな? 俺達がいつもしてる事だよな?!
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