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そして入学へ
58 聖女パニック
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「ですから、ユウキさん。話を聞いて……」
「ウワアアアーー怖いー!クラブクイーンに殺されるー!助けてルドルフ様ああああ!」
「フン!」「うおりゃあああああ!」
なんと、ルドルフ殿下の護衛が二人に増えてたわ。今までいたエディソン・マキシモ君(22)とモリスン・マキシモ君(22)よ。何と双子の兄弟なんですって。
「たかが女生徒の突進くらい一人で対処できんとはエディソンのやつ情けないと思っていたが、これはエディソンは悪くないな……もう一人くらい応援がいてもいいくらいだ」
「殿下の安全のためだ、手配しておこうネルソンの奴も呼ぼう」
……3つ子なのかしら?因みにゲームにはエディソン君しか出てこないから、やっぱりゲームと違うところも多々存在しているわよ。
殿下の護衛のマキシモ兄弟に阻まれると、ユウキさんは次にお兄様を狙ってくる。
「ヴィンセント様ぁあああ」
「お下がりください、ヴィンセント様」
こっちはクラブ10オリオス・クラブ9マギウスが人の壁になっている。そしてお兄様が駄目ならスペードキング、ダイヤキング、ハートキングと順々に標的を変えるのだ。毎日そんな感じだから、護衛の数で今、学園の人口密度はとても高い。キング達だけではく、近くにいる子息にはすり寄るし、令嬢には怒鳴りつけたりするから怖くて護衛なしでは歩けない状態になっている。
流石にやばいと思ってユウキさんに注意しようと声をかけると大声で叫んで走り回って、殿下かお兄様に突進していくから悪循環だった。
「あ、あの子……この世界を壊す気なの??」
私も暴走することはあるけれど、ユウキさんはどうしていいか分からないわ……。本当に恋愛する気があるのかも不明だけれども、推しの笑顔の為に何とか、何とかしなくちゃ……!
「良い加減にしろ!聖女見習いユウキ!」
「いやーー!!スペードクイーンに殺される!助けて!デュカス様ぁ!」
ユウキさんは今日はスペード10とスペード9に腕を掴まれ、連行されていったわ。行く先は学園副長ユリアンナ教授のいる反省室。
冷血のユリアンナと呼ばれるとても厳しい女性教授ですが、三つ葉塚歌劇団の大手スポンサーにして会員No.二桁の強者なのよ?勿論年間シートを押さえてあるわ。
「また来たのね、ユウキ。そろそろ次はないと言ってあるのを覚えていて?貴方の後見人のニギル子爵に話さねばならないようね」
「ク、クラブクイーンの差金ね!」
「マリエル・クラブがなぜ出てくるか意味が分からないわ」
うーん……「トランプる!」を箱推ししている私だけど、ここまで大暴れするヒロインをどうしたら良いか分からないわ。
「悪いがどうする事も出来ん!声をかけただけで大声を上げて、助けて殺されるだぞ?!」
スペードクイーン・アリアネットがダン!と拳で机を殴った。
「本当よね、廊下を歩いていただけで私を陥れようとしてるんでしょ?!怖い!助けて!ですもんね。近づきたくもないわ」
ダイヤクイーン・ケイトリンも綺麗に整えられた眉を顰めるし
「あの人嫌いよ!リズを見かける度に物凄い遠くからデブが来た!怖い殺される!って叫ぶんだもん!リズ、そんなに太ってないわ……」
ハートクイーン・ローズリットは涙目。これじゃあどうしようもないわ……。
「で、でもユウキさんって聖女なのよね?色々すごい力が使えるのでは?」
「トランプる!」の召喚聖女は素敵だったわよ。神聖力を使うと蝶のエフェクトがふわわーって広がってキラキラしてて。ちょっと青みがかった白い神聖力の欠片がヒラヒラ舞ってさぁ。
「聖女じゃないんだ、聖女見習いなんだよ。神聖力が低くて傷を癒すのもままならないし、聖女になるための修業もどうも進んでいないらしい。本人にやる気が見られなってもっぱらの噂だ」
「そうだったの……」
それは困った物ね。ユウキさんは間違いなく「トランプる!」では主要キャラクターの一人なんだから頑張って貰わないといけないのに!
「ウワアアアーー怖いー!クラブクイーンに殺されるー!助けてルドルフ様ああああ!」
「フン!」「うおりゃあああああ!」
なんと、ルドルフ殿下の護衛が二人に増えてたわ。今までいたエディソン・マキシモ君(22)とモリスン・マキシモ君(22)よ。何と双子の兄弟なんですって。
「たかが女生徒の突進くらい一人で対処できんとはエディソンのやつ情けないと思っていたが、これはエディソンは悪くないな……もう一人くらい応援がいてもいいくらいだ」
「殿下の安全のためだ、手配しておこうネルソンの奴も呼ぼう」
……3つ子なのかしら?因みにゲームにはエディソン君しか出てこないから、やっぱりゲームと違うところも多々存在しているわよ。
殿下の護衛のマキシモ兄弟に阻まれると、ユウキさんは次にお兄様を狙ってくる。
「ヴィンセント様ぁあああ」
「お下がりください、ヴィンセント様」
こっちはクラブ10オリオス・クラブ9マギウスが人の壁になっている。そしてお兄様が駄目ならスペードキング、ダイヤキング、ハートキングと順々に標的を変えるのだ。毎日そんな感じだから、護衛の数で今、学園の人口密度はとても高い。キング達だけではく、近くにいる子息にはすり寄るし、令嬢には怒鳴りつけたりするから怖くて護衛なしでは歩けない状態になっている。
流石にやばいと思ってユウキさんに注意しようと声をかけると大声で叫んで走り回って、殿下かお兄様に突進していくから悪循環だった。
「あ、あの子……この世界を壊す気なの??」
私も暴走することはあるけれど、ユウキさんはどうしていいか分からないわ……。本当に恋愛する気があるのかも不明だけれども、推しの笑顔の為に何とか、何とかしなくちゃ……!
「良い加減にしろ!聖女見習いユウキ!」
「いやーー!!スペードクイーンに殺される!助けて!デュカス様ぁ!」
ユウキさんは今日はスペード10とスペード9に腕を掴まれ、連行されていったわ。行く先は学園副長ユリアンナ教授のいる反省室。
冷血のユリアンナと呼ばれるとても厳しい女性教授ですが、三つ葉塚歌劇団の大手スポンサーにして会員No.二桁の強者なのよ?勿論年間シートを押さえてあるわ。
「また来たのね、ユウキ。そろそろ次はないと言ってあるのを覚えていて?貴方の後見人のニギル子爵に話さねばならないようね」
「ク、クラブクイーンの差金ね!」
「マリエル・クラブがなぜ出てくるか意味が分からないわ」
うーん……「トランプる!」を箱推ししている私だけど、ここまで大暴れするヒロインをどうしたら良いか分からないわ。
「悪いがどうする事も出来ん!声をかけただけで大声を上げて、助けて殺されるだぞ?!」
スペードクイーン・アリアネットがダン!と拳で机を殴った。
「本当よね、廊下を歩いていただけで私を陥れようとしてるんでしょ?!怖い!助けて!ですもんね。近づきたくもないわ」
ダイヤクイーン・ケイトリンも綺麗に整えられた眉を顰めるし
「あの人嫌いよ!リズを見かける度に物凄い遠くからデブが来た!怖い殺される!って叫ぶんだもん!リズ、そんなに太ってないわ……」
ハートクイーン・ローズリットは涙目。これじゃあどうしようもないわ……。
「で、でもユウキさんって聖女なのよね?色々すごい力が使えるのでは?」
「トランプる!」の召喚聖女は素敵だったわよ。神聖力を使うと蝶のエフェクトがふわわーって広がってキラキラしてて。ちょっと青みがかった白い神聖力の欠片がヒラヒラ舞ってさぁ。
「聖女じゃないんだ、聖女見習いなんだよ。神聖力が低くて傷を癒すのもままならないし、聖女になるための修業もどうも進んでいないらしい。本人にやる気が見られなってもっぱらの噂だ」
「そうだったの……」
それは困った物ね。ユウキさんは間違いなく「トランプる!」では主要キャラクターの一人なんだから頑張って貰わないといけないのに!
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