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22 しゅんってする推しとチャチャってする私

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「頼もう!!」

「あ、マリエル。来てくれてありがとう……でもお母様とローズが今寝込んでて……」

「しゅんってする推し尊い」
 
 危ない他家で前のめりに倒れる所だったわ。私はお母様にごねくりまくってハート家へ殴り込み?奇襲?をかけたのだ。テオドールたんの未来は私が守る!!!

「ま、マリエル……?」

「危うし危うし……ってそのためにお邪魔したのですわ、テオドール様」

「その為ってどういう……?」

「まあ百聞は一見に如かず、なのですわ」

 さーてちゃちゃっと治しちゃいましょか。


「ちゃちゃっ!」

「ま、マリエル!?」

 治ったわよ。ヘヘン。

「テ、テオドール……?」

「お母様……!!」

「お兄様……ローゼ、苦しくないわ」

「ローゼも!!」

 あ、な、なに!?なんだって……

「兄妹天使か……!」

 100キロ超級になる前のローゼリッテは見まごうことなき天使であったとさ。ピンクゴールドの映える髪に、以前は肉に潰されて細くて何色か分からなかった瞳は綺麗な空色で、色は白くて、私と背の高さは同じくらい。服装はピンクのロリータ好きは変わらないらしくていっぱいふりふりとリボンがついた寝間着を着ていた。

 ピンクの甘ロリちゃん……ッ!どうかそのままで!!

 流石にこの衝撃は耐えきれず、私は他家の床に五体投地してしまったのだった。あああ、ありがとうございますありがとうございます!

「ま、マリエル!?」

「えっ!クラブ家のマリエルさまですか!?」

「マリエルちゃんが治してくれたの……ってその前にマリエルちゃん!マリエルちゃんーーー!誰かお医者様をー!」

 空いたベッドに私が寝るという体たらくよ……悲しみ。

「マリエル!なんてすごい事をしてくれるんだ、リエリルの娘は!!」

 あ、ハート・エースだわ。このイケメンが!このダルウィン・ハートはハート家の現エース(エースが当主なのよ)にしてリエリルお母様の兄である方ですわ。ついでに言えばテオドールとローゼリッテのお父様ね。このピンクの髪はハート家の証みたいなもんで、ローゼリッテはお母様の金髪にピンクが入った感じで、テオドールはピンク。可愛いんだけど、ありえねーとか思ったりもしたわ。でも見慣れたわ。

「お、おじさま……」

 あれ?怒られるの?いやいや、妻と娘が助かったんだぞ!怒る訳ないだろよ!

「ありがとう、ありがとうマリエル!君はハート家の自慢だ!!」

 一応私はクラブ家のお嬢さんなんだけどな……。まあダルウィン伯父様は喜んでくれたし、これでローゼも横に広くならないで済むかもしれないわ。

「ありがとう……マリエルのお陰で私はお母様も妹も失わずに済んだんだね」

 手をぎゅっと握りながらテオドールがうるうるした目で私を見ている。これは脳内カメラがフル活動ですわああああ!静止画から動画まで幅広く●Rec!●Rec!●Rec!!の嵐ですわあああああ!


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