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82 リンカ神誕生……か?(リンカ
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「風呂とは最高じゃなぁ、リンカちゃん」
「えー! お爺ちゃんまた来たの? お城に帰ってよ!」
「そんなこと言わんでくれぇ~あーあったかいお風呂に冷たい酒! くぅ~極楽極楽。露天風呂最高じゃあ~」
「マリルさんに言いつけときます」
「ひょえええ!」
リンカが趣味で作った露天風呂にお爺ちゃんが毎日入りにくる。お爺ちゃんはルシ様……つまりはルシルフェルム様のお爺ちゃんで、前銀竜公主なの。今の公主はルシルフェルム様のお父さんなんだ。
「何というか、こっちの家に比べたら城はカビ臭いし、変な匂いするし……風呂というものを知ってしまうと毎日入りたくなるもんじゃなぁ」
「じゃあ、お風呂入ったら帰ってよ!」
「そんなこと言わずにぃ~今日の夕食はスキヤキなんじゃろ? あの牛の肉を甘辛のタレで煮たやつ。アレ、わし大好きなんじゃよねぇ」
「すき焼きはリンカがルシ様とアリアンに食べさせたくて作ったんだよ! お爺ちゃん用じゃないんだから」
「そう言わずに、のう~」
お爺ちゃんがリンカ達の家に入り浸ってるの!
「新婚の孫の家に入り浸るなんて非常識よ!」
「まだ婚約者ではないか~大丈夫、大丈夫!」
「もうっ!」
リンカがこういえばああいうって感じでのらりくらり交わすんだもん!
「まあっ! またご隠居さま?! 城にお帰りください!」
「ひえっ!マリルが来たぁ」
マリルさんはルシ様の乳母なの。最初に黒竜山に来た時に瀕死のルシ様を抱っこして来た人なのよ。ずっとルシ様の心配してたから、近くに来てもらった方がいいかなって、リンカの館で働いて貰ってるんだ。お爺ちゃんを動かせる数少ない人なのよ。
「お風呂が好きなら城につければ良いでしょう!」
「そういう新しいものは息子が嫌がってつけてくれんのじゃ……」
「それはそっちのご都合でしょう!? ぼっちゃま達に迷惑かけないでくださいませ!」
「ひょえ~! だってこっちの暮らし便利で良いんだもん~」
「ダメです!」
「けちー」
こんな感じなの! そこにルシ様を抱っこしたアリアンがぴょこっと現れる。もうっどうしてこういうときに来ちゃうかなあ!
「じーちゃん来てんのかぁ?」
「アリアンちゃん! 助けておくれぇ」
「んが? どうしたんだ? そういや、晩飯はスキヤキだぞ。じーちゃんも食ってくだろ?」
「アリアンちゃんー! アリアンちゃんは女神のようじゃー!」
そしてアリアンに取り入ることを覚えたお爺ちゃん……! アリアンが許せば何とかなるって学習しちゃったのよねえ……私も皆もアリアンに甘いから……。
「アリアンは私のです、お祖父様」
「取ったりせんよぉ、ルシル~。お前の大事なつがいチャンだもんなぁ」
「そうです、私のつがいです」
「ウヒャヒャ! くすぐったいぞ、ルシ~~」
あの日からルシ様はアリアンの胸にずっと引っ付いている。アリアンもずっとルシ様を手放さない。あの二人が離れるのはおトイレにいくときだけ……リンカ知ってる。
ルシ様ったらアリアンの胸を撫で回してるわね……ふふ、いいわよ、もっとやれ。因みにアリアンがおトイレに行く時はリンカに預けて行くのよ、可愛いでしょ?
「この快適さを知ってしまったら戻れないんじゃよぉ~」
「知りません」
「知らないわよ」
「私には関係のないことです」
「好きにしたらいんじゃね?」
「アリアンちゃんだけじゃぁ~わしの味方は!」
もうっ!
「実際、こちらの館の便利さを知ってしまったらお城の暮らしは不便に感じますね。この仕事服一つとっても、こちらの館のものは着心地も良く、デザインも可愛らしく……清潔です」
「ごめん、メイド服はやっぱりああじゃないとリンカが納得しないっていうか~」
黒っぽいワンピースに白いエプロンじゃないと、やっぱり駄目じゃない? 後、薄汚れた格好でいて欲しくないし、ついでに洗濯機も作れたし。
「ルシー、ちゅーして~」
「唇か?」
「そ、それは照れるからほっぺでいいよ~」
いちゃいちゃしている二人をマリルさんと眺めながらここでの暮らしの話をしていた。マリルさんも尊みのマシマシの笑顔なのできっとリンカと同じで寿命が延びてるに違いない。
「いつも青い顔で生死の境を彷徨っていたお坊ちゃまがあんなに楽しそうに……ううう、マリルは嬉しゅうございます。これも何もかもリンカ様とアリアン様のお陰です」
「でも穴はふさがってないんだけどね~……」
「それはお坊ちゃまの我が儘と承知しております」
ルシ様ったら力が抜ける穴をそのままにしてあるのよ。穴の塞ぎ方はなんとなくわかってる。アリアンに一つだけある銀の鱗をつけるか、アリアンの鱗を一枚穴にあてがって塞げばいい……それだけなのにルシ様はその儘にしてほしいとこっそりアリアンと私にいったのだ。
「ああやって至近距離でくっ付いていれば平気だから……くっ付いていたい公然の理由のために生死の境を彷徨うような元凶を改善しないなんて……ルシ様も相当よねえ」
「ルシルフェルム様の最初に喋ったお言葉は「アリアンはどこだ」でしたからね……」
「そりゃ相当だわね……」
どうしようリンカの寿命は天元突破でホントに神様になっちゃうかもしんないわ!
「えー! お爺ちゃんまた来たの? お城に帰ってよ!」
「そんなこと言わんでくれぇ~あーあったかいお風呂に冷たい酒! くぅ~極楽極楽。露天風呂最高じゃあ~」
「マリルさんに言いつけときます」
「ひょえええ!」
リンカが趣味で作った露天風呂にお爺ちゃんが毎日入りにくる。お爺ちゃんはルシ様……つまりはルシルフェルム様のお爺ちゃんで、前銀竜公主なの。今の公主はルシルフェルム様のお父さんなんだ。
「何というか、こっちの家に比べたら城はカビ臭いし、変な匂いするし……風呂というものを知ってしまうと毎日入りたくなるもんじゃなぁ」
「じゃあ、お風呂入ったら帰ってよ!」
「そんなこと言わずにぃ~今日の夕食はスキヤキなんじゃろ? あの牛の肉を甘辛のタレで煮たやつ。アレ、わし大好きなんじゃよねぇ」
「すき焼きはリンカがルシ様とアリアンに食べさせたくて作ったんだよ! お爺ちゃん用じゃないんだから」
「そう言わずに、のう~」
お爺ちゃんがリンカ達の家に入り浸ってるの!
「新婚の孫の家に入り浸るなんて非常識よ!」
「まだ婚約者ではないか~大丈夫、大丈夫!」
「もうっ!」
リンカがこういえばああいうって感じでのらりくらり交わすんだもん!
「まあっ! またご隠居さま?! 城にお帰りください!」
「ひえっ!マリルが来たぁ」
マリルさんはルシ様の乳母なの。最初に黒竜山に来た時に瀕死のルシ様を抱っこして来た人なのよ。ずっとルシ様の心配してたから、近くに来てもらった方がいいかなって、リンカの館で働いて貰ってるんだ。お爺ちゃんを動かせる数少ない人なのよ。
「お風呂が好きなら城につければ良いでしょう!」
「そういう新しいものは息子が嫌がってつけてくれんのじゃ……」
「それはそっちのご都合でしょう!? ぼっちゃま達に迷惑かけないでくださいませ!」
「ひょえ~! だってこっちの暮らし便利で良いんだもん~」
「ダメです!」
「けちー」
こんな感じなの! そこにルシ様を抱っこしたアリアンがぴょこっと現れる。もうっどうしてこういうときに来ちゃうかなあ!
「じーちゃん来てんのかぁ?」
「アリアンちゃん! 助けておくれぇ」
「んが? どうしたんだ? そういや、晩飯はスキヤキだぞ。じーちゃんも食ってくだろ?」
「アリアンちゃんー! アリアンちゃんは女神のようじゃー!」
そしてアリアンに取り入ることを覚えたお爺ちゃん……! アリアンが許せば何とかなるって学習しちゃったのよねえ……私も皆もアリアンに甘いから……。
「アリアンは私のです、お祖父様」
「取ったりせんよぉ、ルシル~。お前の大事なつがいチャンだもんなぁ」
「そうです、私のつがいです」
「ウヒャヒャ! くすぐったいぞ、ルシ~~」
あの日からルシ様はアリアンの胸にずっと引っ付いている。アリアンもずっとルシ様を手放さない。あの二人が離れるのはおトイレにいくときだけ……リンカ知ってる。
ルシ様ったらアリアンの胸を撫で回してるわね……ふふ、いいわよ、もっとやれ。因みにアリアンがおトイレに行く時はリンカに預けて行くのよ、可愛いでしょ?
「この快適さを知ってしまったら戻れないんじゃよぉ~」
「知りません」
「知らないわよ」
「私には関係のないことです」
「好きにしたらいんじゃね?」
「アリアンちゃんだけじゃぁ~わしの味方は!」
もうっ!
「実際、こちらの館の便利さを知ってしまったらお城の暮らしは不便に感じますね。この仕事服一つとっても、こちらの館のものは着心地も良く、デザインも可愛らしく……清潔です」
「ごめん、メイド服はやっぱりああじゃないとリンカが納得しないっていうか~」
黒っぽいワンピースに白いエプロンじゃないと、やっぱり駄目じゃない? 後、薄汚れた格好でいて欲しくないし、ついでに洗濯機も作れたし。
「ルシー、ちゅーして~」
「唇か?」
「そ、それは照れるからほっぺでいいよ~」
いちゃいちゃしている二人をマリルさんと眺めながらここでの暮らしの話をしていた。マリルさんも尊みのマシマシの笑顔なのできっとリンカと同じで寿命が延びてるに違いない。
「いつも青い顔で生死の境を彷徨っていたお坊ちゃまがあんなに楽しそうに……ううう、マリルは嬉しゅうございます。これも何もかもリンカ様とアリアン様のお陰です」
「でも穴はふさがってないんだけどね~……」
「それはお坊ちゃまの我が儘と承知しております」
ルシ様ったら力が抜ける穴をそのままにしてあるのよ。穴の塞ぎ方はなんとなくわかってる。アリアンに一つだけある銀の鱗をつけるか、アリアンの鱗を一枚穴にあてがって塞げばいい……それだけなのにルシ様はその儘にしてほしいとこっそりアリアンと私にいったのだ。
「ああやって至近距離でくっ付いていれば平気だから……くっ付いていたい公然の理由のために生死の境を彷徨うような元凶を改善しないなんて……ルシ様も相当よねえ」
「ルシルフェルム様の最初に喋ったお言葉は「アリアンはどこだ」でしたからね……」
「そりゃ相当だわね……」
どうしようリンカの寿命は天元突破でホントに神様になっちゃうかもしんないわ!
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