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55 年末から年始へ
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「年の瀬になんじゃが、朝比奈の家を買ったぞ」
「はぁ?!マジかじーちゃん」
なかなかローンの審査が通らなかったわい!なんて言ってるけど、通ったようだ。どうやったの?!またラッキーか!!
「うむ、しかし向こうから会社に通うのはちと遠いでの。クロや、誰か管理してくれる地域猫又はおらんかのう」
「良いぜ!誰か選んどくよ。嬉しいなぁ!朝比奈の家にも自由に出入り出来るなんて!タクシーで行っちゃおうかなー!」
「あら?皆アパート出るの?」
グツグツと煮えるすき焼きを囲みながら、りおさんはびっくりする。
「出ませんよ!職場に通えねーもん!」
「わしもまだまだお世話になるぞい」
なんのために買ったのか分からん……いや、何となくわかる。きっとじーちゃんはばーちゃんの面影を買ったんだ。あの家にはみんなで暮らした記憶がいっぱいあるから。
「休みの日は向こうで過ごす事もあるじゃろうとな。みんなも遊びに来なされ」
「そうだな、懐かしい。大福も行こうぜ」
「誠子の生まれ育った家か。楽しみにしているぞ」
年越しはじーちゃんの部屋に集まって蕎麦を食べた。ダラダラと過ごし、あけて
「あけましておめでとうございます」
と、新年の挨拶を交わしてから、それぞれの部屋に戻っていった。
「年が明ける、力に満ちた朝日が登る。今年も息災でありたいな」
「そうだな……今日くらいは飲むか!大福!」
私と大福はじーちゃんの部屋から戻って眠らずに酒盛りを始めた。アテはおせちと言う豪華なもんだ。ザジィ君が全員におせちの予約をしてくれたようだ。勿論払いはザジィ君だ。
「ぐふ!ぐふふ!相場が当たってさぁ!」
どれだけ儲かったか聞かないでおいたが、一つ2万円くらいしそうなおせちを大福にも丸々一個送ってくれたから、聞かないでおいた。きっとサラリーマンが聞いたら脱力する金額だろう。
「良いかー?大福ー!動物病院も休みのだからなー腹壊すなよー」
「心得た!と言えども一度も腹を壊してないからな!」
そうだったな!しっかり者め!
「頂きまーす」
正月だから、日本酒を2人でちびちび呑んだ。
「意外とイケるな!」
「だろう、だろう!最近は甘口が流行らしくてな?」
呑んだ。いっぱい呑んだ。酒は飲んでも飲まれるな、だが正月くらいはぐでんぐでんになっても良いだろう?
先に大福がヘソを天井に向けてひっくりがえった。
「しぇいこー楽しいなぁーしぇいこの周りはいい人ばっかりだー」
「おーそうだろうそうだろう!私はアレだが、みぃーんな良い奴ばっかりだぞー」
大福の丸い腹を指の先でつつくとぽにょんとする。平和な腹だ。
「しぇいこーしゃちょーなんかとけっこんするなー」
「大福、よっぱらってんなぁ?どこの社長と結婚すんだよ、そんな物好きいねーよ。結婚かー売れ残りだからなーそーだ、大福と結婚すっか!」
「おーそうしようーしぇいこー私がずーっとめんどうみてやるぞー」
「おー頼もしいなーたのんだー」
逆じゃないのかぁ?大福よ。しかし、大福はすぴょすぴょ言い出した。
「ありゃ、大福寝たのか?しょうがねぇなあ、旨い酒も残してんじゃないよ、勿体ない」
大福の飲み残しをちびちびと飲み切る。
「うまー……あー眠くなってきたーもー片付けは明日で良いやー」
おやすみ大福ー。私もそのまま炬燵で寝てしまった。
「はぁ?!マジかじーちゃん」
なかなかローンの審査が通らなかったわい!なんて言ってるけど、通ったようだ。どうやったの?!またラッキーか!!
「うむ、しかし向こうから会社に通うのはちと遠いでの。クロや、誰か管理してくれる地域猫又はおらんかのう」
「良いぜ!誰か選んどくよ。嬉しいなぁ!朝比奈の家にも自由に出入り出来るなんて!タクシーで行っちゃおうかなー!」
「あら?皆アパート出るの?」
グツグツと煮えるすき焼きを囲みながら、りおさんはびっくりする。
「出ませんよ!職場に通えねーもん!」
「わしもまだまだお世話になるぞい」
なんのために買ったのか分からん……いや、何となくわかる。きっとじーちゃんはばーちゃんの面影を買ったんだ。あの家にはみんなで暮らした記憶がいっぱいあるから。
「休みの日は向こうで過ごす事もあるじゃろうとな。みんなも遊びに来なされ」
「そうだな、懐かしい。大福も行こうぜ」
「誠子の生まれ育った家か。楽しみにしているぞ」
年越しはじーちゃんの部屋に集まって蕎麦を食べた。ダラダラと過ごし、あけて
「あけましておめでとうございます」
と、新年の挨拶を交わしてから、それぞれの部屋に戻っていった。
「年が明ける、力に満ちた朝日が登る。今年も息災でありたいな」
「そうだな……今日くらいは飲むか!大福!」
私と大福はじーちゃんの部屋から戻って眠らずに酒盛りを始めた。アテはおせちと言う豪華なもんだ。ザジィ君が全員におせちの予約をしてくれたようだ。勿論払いはザジィ君だ。
「ぐふ!ぐふふ!相場が当たってさぁ!」
どれだけ儲かったか聞かないでおいたが、一つ2万円くらいしそうなおせちを大福にも丸々一個送ってくれたから、聞かないでおいた。きっとサラリーマンが聞いたら脱力する金額だろう。
「良いかー?大福ー!動物病院も休みのだからなー腹壊すなよー」
「心得た!と言えども一度も腹を壊してないからな!」
そうだったな!しっかり者め!
「頂きまーす」
正月だから、日本酒を2人でちびちび呑んだ。
「意外とイケるな!」
「だろう、だろう!最近は甘口が流行らしくてな?」
呑んだ。いっぱい呑んだ。酒は飲んでも飲まれるな、だが正月くらいはぐでんぐでんになっても良いだろう?
先に大福がヘソを天井に向けてひっくりがえった。
「しぇいこー楽しいなぁーしぇいこの周りはいい人ばっかりだー」
「おーそうだろうそうだろう!私はアレだが、みぃーんな良い奴ばっかりだぞー」
大福の丸い腹を指の先でつつくとぽにょんとする。平和な腹だ。
「しぇいこーしゃちょーなんかとけっこんするなー」
「大福、よっぱらってんなぁ?どこの社長と結婚すんだよ、そんな物好きいねーよ。結婚かー売れ残りだからなーそーだ、大福と結婚すっか!」
「おーそうしようーしぇいこー私がずーっとめんどうみてやるぞー」
「おー頼もしいなーたのんだー」
逆じゃないのかぁ?大福よ。しかし、大福はすぴょすぴょ言い出した。
「ありゃ、大福寝たのか?しょうがねぇなあ、旨い酒も残してんじゃないよ、勿体ない」
大福の飲み残しをちびちびと飲み切る。
「うまー……あー眠くなってきたーもー片付けは明日で良いやー」
おやすみ大福ー。私もそのまま炬燵で寝てしまった。
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