【完結】イケボなハムスターと同居中~愚痴聞き神様と枯れ女子の日常

鏑木 うりこ

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40 食いすぎの後は

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 サンマを焼いた次の日の朝。

「しぇいこ、頭が痛い」

「二日酔いだろ!馬鹿ハムスター!」

「うう……だって久しぶりの酒は旨かったんだもん」

 だもんじゃねえよ!だもんじゃ!

「心配したんだからな!なんで酒なんか飲むんだよ!あとサンマも食うなよ!」

「いやぁ……多少なら大丈夫かなって……すまん。心配をかけるつもりはなかったんだが、目の前に置かれるとどうしても我慢できなくてな……旨かった、旨かった……」

 反省しているのかしていないのか分からない大福に怒りを覚えたが、大福の体調は二日酔い以外大丈夫そうだ。

「どうなんだ?腹は痛くないか?下痢はしてないか?」

「二日酔い以外何もおかしなところはないぞ?」

 それを聞いてやっと胸をなでおろした。さて、私は会社に行かなければな。

「それなら会社に行ってくるからな。何かあったら連絡よこせよ?今日はおとなしくしてんだぞ?」

 水を出して大福に念を押し、私は会社に向かった。全く大福には困ったものだ。

「ふう、ハムスターか」

 大福がぽつりと呟いていたが、わたしには聞こえなかった。



 私は帰りにランニングシューズを買って帰って来た。

「誠子、おかえり」

「遅くなった、すまん大福。具合はどうだ?腹は痛くないか?」

「ああ!すこぶる快調だ。酒は百薬の長だな」

「だーいーふーくーーーー!調子に乗るな!」

「ひぇーーーー!」

 今日の大福の夕飯は茹でた豆腐とハムスターフードだ!それ以外は許さん!全く!
 豆腐を買うのにスーパーに寄ったので、弁当以外にお惣菜も買ってきた。明日の朝は白メシでも炊いてインスタント味噌汁であったまろう。

「よし、ウォーキングでもするか!」

「何を言っているんだ?!誠子!もう夜ではないか!今から外に出るとかダメだ」

「しかしな、大福。今でなければ走ってる時間ないし。最初からだから30分くらいウォーキングするつもりだ」

「わ、私も行くぞ!」

「そうか、一緒に行こう」

 大福をポケットに入れて、私は玄関を出た。夕飯を食べて、少し腹がこなれてから出たので時間はかなり遅い。

「うーん……だが、靴を買ったしな」

「今日はやめたらどうだ?誠子」

「いや、行く!」

 203の自分の部屋を出て202の前を通る。真っ暗だからクロは今日夜のお仕事なんだろう。明かりのついている201の前を通ると、扉がいきなり開いた。

「おい、こんな夜中にどこに行くんだ」

 ザジィ君だ。

「ウォーキングだよ。最近運動不足でな」

 ザジィ君はチッと舌打ちをしてぶつぶつ何か言ったが

「俺も行く」

 そう言って靴を履いたので、私はびっくりした。この子、靴あったんだ!

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