【完結】双子の隠キャが踊ります？約束された幸せは幸せでした

49 赤い髪のレイ殿は過保護

　おかしい。ニールの愚痴を聞いていたはずなのに、いつの間にか自室のベッドに寝かされている。

「リュキ、大丈夫ですか？　」
「大丈夫でござる、物の例えでござって、拙者はピンピンしてるでござるよ～～！」
「でも顔が赤いです。熱があるのでは」

　そっと伸ばされてくる指先は意外とゴツゴツしていることを私は知っている。そしてこの指が恐る必要のないものだと言うことも。割と尖った物を向けられると恐怖を感じる質だけれども、レイ殿の指先は怖くない。
　だってこの指ば怖いことを一つもしてこないってわかっているから。叩いたり殴ったり、絶対にない。もし、万が一、いや億が一にでもそんなことがあったなら、間違いなく自分が何かヤバいことをやらかしたか、やりかけたかのどちらかだと思う。それくらい信用できる指先だと知っているんだから。
　その優しい指先は私の前髪をスッと上に上げる。ふへ？何だろうとされるがままになっていると、イケメンフェイスが大接近して来るだと？！うおおお？！
　そのままおでこがコツンとぶつかって、なんだか爽やかだけれども心配そうに言われた。

「熱は……ないようですが、やはり顔が赤いです」
「そ！」

　そんなのこんなイケメンのドアップを見たら顔どころか耳まで赤くなってとうぜんじゃぁあないてすかあぁぁ！
　うおおおー！デコで熱測られたー？！漫画で見たことある奴！！スマートイケメンかー！

「そ、それは……レイ殿がイケメンでかっこいいから、です……」
「え……」
「レイ殿がかっこいいから照れちゃうでござるよ！！　」

　思わずちょっと大きな声が出てしまって、レイ殿に引かれたかも……。

「私はリュキから見てカッコいいですか？　」
「そりゃもちろん！背も高いし胸板厚いし、やることなすことかっこいいし！優しいし！あー拙者、レイ殿が金髪なら結婚したいでござるよー！」

　こんなスマートイケメンと結婚したら一生幸せにして貰えそうだ。でもレイ殿は金髪じゃないし女性でもない。くぅっ！残念！

「そう、ですか。金髪なら結婚出来ますかね？」
「うんうん！絶対、絶対ー！　」

　若干だけレイ殿が考え込んでいたみたいだけれも、私はすっかり見落としていた。そして思いっきり忘れていたけれど、洗濯機をつけに行ったレイ殿のご実家でお母上はそれはそれは見事な金髪であっとことを。

　そして、元スカーレット王女の護衛騎士団は皆、一様に赤髪である事。まるで狙ったように……いや、そうなるように作られたように、皆真っ赤な事。