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番外編
1 ビバノノ!
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この話はディエス達がもうおじさんになった本編よりだいぶ後の話です(*´ω`*)
ーーーーーーーーー
「待って、待て!ちょっと……アッーーー!」
夜のアイリス邸にディエスの悲鳴がいつもとちょっと違う感じで響き渡る。そのちょっとの差に気がついてもうおじいちゃんになったニコラスがランタンを片手に足音一つ立てずにやって来て扉をノックする。
「旦那様方?いかがなさいました??」
いつもは絶対に返事をしない夫の方が
「入れ」
と、声をかける。これは何かあったな、とニコラスは二人の寝室の扉を開けると割と予想通りのことが起こっている。
「いかが……あぁ……」
「グギっていった、グギって……」
上半身裸のまま、腰を押さえて蹲るディエスと、ガウン姿で憮然と立っているラムシェーブルがいる。
まあ大体全て察したニコラスが湿布や痛み止めの軟膏を塗ってくれたが、回復はしなかった。
「大体、あんな格好出来る訳ないだろ!俺達もう歳なんだから」
「いや、お前は十分若い」
「歳だよ!」
会う度に女性陣からは
「時間を何処に置いて来たのかしら?」
なんて冗談を言われるが、ディエス自身はちゃんとおじさんになっていると思っている。
「しわも増えたし、髪の毛も白髪があるし。なんかかさかさして来た」
「それをいってレーツィアに殴られたのに?」
「ツィアの攻撃力は年々上がってるよ……」
先日また訳の分からない物を売りに来て
「その下着なのかベルトなのか分からない謎の衣服は要らないよ」
「あんたに拒否権はないわ。これでもくらいなさい」
と、冗談気味にお腹をパンチされて、気を失うなんて言う事件も発生したのだ。
「一体何処であんな強烈なパンチを身につけたんだ?ツィアは」
「日々の訓練の賜物だと言っていたな」
それよりと溜息をつくラムシェーブル。彼の心配事はレーツィアの逞しさではない。
「腹より腰だろう?どうなんだ」
「すげぇ痛え……ギックリ腰だよ……触んな!あだだだだ……」
大きな声を出しても響くらしく、大人しくベッドで丸まっているディエス。
「……そうすると、夜は」
「別々のベッドだよ!大体何だよ、この歳なのに毎晩毎晩、底なしかっつーの!腰が痛いんだから昨日は止めようって言ったのに、変な格好させるから……いででで」
腰痛のせいで後ろを振り向けなかったディエスだったので、自分の背後で無表情のままショックで固まっているラムシェーブルに気がつかなかった。
ディエスが来てから一人で寝るのは初めてで、ラムシェーブルは大変混乱を来し、そして無表情のまま暴走しかけて
「火山を買おうと思う」
「旦那様、それを言うなら温泉郷に一つ別荘がありますから、そこに湯治に行ってはどうでしょうか」
後から聞いてディエスはニコラスがいて良かったと心から思ったのだった。
こうしておじさん二人とおじいちゃんと大勢の使用人達で温泉旅行に出かける事になったのだ。
馬車に最高級クッションを引き詰め、温泉郷への道が揺れないように整備された中、そろりそろりと進み誰の首も何とか切られる事なく到着した。
「硫黄くせぇ!最高!!」
痛む腰を押さえつつ、ディエスは飛び回りたい気持ちでいっぱいだった。
「やっと来れたー!温泉だーーーー!」
ーーーーーーーーー
「待って、待て!ちょっと……アッーーー!」
夜のアイリス邸にディエスの悲鳴がいつもとちょっと違う感じで響き渡る。そのちょっとの差に気がついてもうおじいちゃんになったニコラスがランタンを片手に足音一つ立てずにやって来て扉をノックする。
「旦那様方?いかがなさいました??」
いつもは絶対に返事をしない夫の方が
「入れ」
と、声をかける。これは何かあったな、とニコラスは二人の寝室の扉を開けると割と予想通りのことが起こっている。
「いかが……あぁ……」
「グギっていった、グギって……」
上半身裸のまま、腰を押さえて蹲るディエスと、ガウン姿で憮然と立っているラムシェーブルがいる。
まあ大体全て察したニコラスが湿布や痛み止めの軟膏を塗ってくれたが、回復はしなかった。
「大体、あんな格好出来る訳ないだろ!俺達もう歳なんだから」
「いや、お前は十分若い」
「歳だよ!」
会う度に女性陣からは
「時間を何処に置いて来たのかしら?」
なんて冗談を言われるが、ディエス自身はちゃんとおじさんになっていると思っている。
「しわも増えたし、髪の毛も白髪があるし。なんかかさかさして来た」
「それをいってレーツィアに殴られたのに?」
「ツィアの攻撃力は年々上がってるよ……」
先日また訳の分からない物を売りに来て
「その下着なのかベルトなのか分からない謎の衣服は要らないよ」
「あんたに拒否権はないわ。これでもくらいなさい」
と、冗談気味にお腹をパンチされて、気を失うなんて言う事件も発生したのだ。
「一体何処であんな強烈なパンチを身につけたんだ?ツィアは」
「日々の訓練の賜物だと言っていたな」
それよりと溜息をつくラムシェーブル。彼の心配事はレーツィアの逞しさではない。
「腹より腰だろう?どうなんだ」
「すげぇ痛え……ギックリ腰だよ……触んな!あだだだだ……」
大きな声を出しても響くらしく、大人しくベッドで丸まっているディエス。
「……そうすると、夜は」
「別々のベッドだよ!大体何だよ、この歳なのに毎晩毎晩、底なしかっつーの!腰が痛いんだから昨日は止めようって言ったのに、変な格好させるから……いででで」
腰痛のせいで後ろを振り向けなかったディエスだったので、自分の背後で無表情のままショックで固まっているラムシェーブルに気がつかなかった。
ディエスが来てから一人で寝るのは初めてで、ラムシェーブルは大変混乱を来し、そして無表情のまま暴走しかけて
「火山を買おうと思う」
「旦那様、それを言うなら温泉郷に一つ別荘がありますから、そこに湯治に行ってはどうでしょうか」
後から聞いてディエスはニコラスがいて良かったと心から思ったのだった。
こうしておじさん二人とおじいちゃんと大勢の使用人達で温泉旅行に出かける事になったのだ。
馬車に最高級クッションを引き詰め、温泉郷への道が揺れないように整備された中、そろりそろりと進み誰の首も何とか切られる事なく到着した。
「硫黄くせぇ!最高!!」
痛む腰を押さえつつ、ディエスは飛び回りたい気持ちでいっぱいだった。
「やっと来れたー!温泉だーーーー!」
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