104 / 139
104 宅飲みのお約束*(皇帝ラムシェーブル視点
しおりを挟む
「酔ったのか?」
「酔った、酔った!ウェーイ!まだ飲めりゅぞー!」
ディエスはジョッキで10杯以上は呑んだだろうか?途中ヨタヨタと
「トイレぇ」
なんて言っていたからついて行ったが一人で立っていられない、もう潰れる寸前だ。
「おいしーなぁ!ラムぅ!キンキン最高!キンキンーー!」
「ああ、そうだな」
確かに喉越しが良いとは思うがそれ程ではない。私が味わいたいのは酒よりもお前だから。
まだ飲もうとするジョッキを取り上げて横に置く。
「あー、返せぇ……」
「後でな」
膝の裏を掬ってベッドの上に乗せれば、にやりぃと笑った。いつもならちょっと困った顔をするのにやはり酔っていると大胆になる所が良い。
「する?」
「ああ」
「良いぜー」
ニヤニヤと笑いながら自分から脱いで行くのは少し色気がないが、まあそれも良い。
「ディエス、この傷」
「あーガッツリ残ったなぁ……てぇかさぁーラム、触んなよぉ?」
もたつく指先でシャツのボタンを外せば下腹部には大きな傷痕が広がっている。触るなと言われて触らない奴はいない。つ、と指の腹でなぞれば細い体が大きく跳ねる。
「あっ!やっ、触んなぁっ!感じるんだからぁ!」
「やはりか」
やけに私から隠すと思ったら、そう言う事か。
「ばかぁ、触んなぁ!なぁんかラムに触られるとすげぇビクンってするからぁ!」
止めろと私を押し返そうとしても酔った腕では力が入る訳がない。指で撫でただけで肩で息をしながら涙目でこちらを見ている。とろとろに溶けて拗ねているような、誘っているようなあの瞳が堪らないし、ここに舌を這わせたらどんな声を聞かせてくれるのか楽しみでならない。
薄い腹に顔を近づける。
「ラム……?ラム……、や!やめ!あぁんっ!!」
私を煽るゾクゾクとする良い声だ。暫くいい声を上げさせてやれば、我慢が出来なくなったのか自分から強請ってくる事を覚えたようだ。
「ラム……して」
「どこでそんな痴態を覚えて来た?」
「……う?」
酒精に頭の中を支配され、良く言葉も染み込まぬままでもディエスは私を迎え入れる。
「いれるぞ、カズシ」
少し迷ったがカズシの名を呼んでみた。嫌がるだろうか、ディエスはカズシである場所に私を許すだろうか?
「うん、良いよ」
何の拒絶もなく、カズシでありディエスである私の愛しい人は暖かく包み込んでくれた。
「ぅん……あ、ああ……」
いつものようにゆっくり進めて行く。酔って感覚が鈍くなるのか、いつもより嫌だとかダメだとか言わない。そのくせいい所に掠めると
「んあっ……」
なんていい声を上げるのが、私の事をよく分かっていると思う。
「な、ラム……なんで和志って呼ぶ、の?」
流石に気がつくか?とろんと溶けた目で聞いてくるが、明日になれば忘れてしまうのに。
「お前の全てが欲しい。ディエスである今のお前もカズシであった過去のお前も」
ディエスは少しだけ動きを止めてから吹き出した。
「あはっ!強欲だぁ~~」
「何せ皇帝陛下だからな。欲しいと思った物は全て手に入れなければ気が済まないんだ」
「皇帝陛下にそう言われちゃあ、差し出すしか無いよなぁ?あはは、ラムシェーブル陛下、どうぞ田中和志をよろしくお願い致しまーす」
言ったな、カズシ?もうお前を離してやらんからな?
「酔った、酔った!ウェーイ!まだ飲めりゅぞー!」
ディエスはジョッキで10杯以上は呑んだだろうか?途中ヨタヨタと
「トイレぇ」
なんて言っていたからついて行ったが一人で立っていられない、もう潰れる寸前だ。
「おいしーなぁ!ラムぅ!キンキン最高!キンキンーー!」
「ああ、そうだな」
確かに喉越しが良いとは思うがそれ程ではない。私が味わいたいのは酒よりもお前だから。
まだ飲もうとするジョッキを取り上げて横に置く。
「あー、返せぇ……」
「後でな」
膝の裏を掬ってベッドの上に乗せれば、にやりぃと笑った。いつもならちょっと困った顔をするのにやはり酔っていると大胆になる所が良い。
「する?」
「ああ」
「良いぜー」
ニヤニヤと笑いながら自分から脱いで行くのは少し色気がないが、まあそれも良い。
「ディエス、この傷」
「あーガッツリ残ったなぁ……てぇかさぁーラム、触んなよぉ?」
もたつく指先でシャツのボタンを外せば下腹部には大きな傷痕が広がっている。触るなと言われて触らない奴はいない。つ、と指の腹でなぞれば細い体が大きく跳ねる。
「あっ!やっ、触んなぁっ!感じるんだからぁ!」
「やはりか」
やけに私から隠すと思ったら、そう言う事か。
「ばかぁ、触んなぁ!なぁんかラムに触られるとすげぇビクンってするからぁ!」
止めろと私を押し返そうとしても酔った腕では力が入る訳がない。指で撫でただけで肩で息をしながら涙目でこちらを見ている。とろとろに溶けて拗ねているような、誘っているようなあの瞳が堪らないし、ここに舌を這わせたらどんな声を聞かせてくれるのか楽しみでならない。
薄い腹に顔を近づける。
「ラム……?ラム……、や!やめ!あぁんっ!!」
私を煽るゾクゾクとする良い声だ。暫くいい声を上げさせてやれば、我慢が出来なくなったのか自分から強請ってくる事を覚えたようだ。
「ラム……して」
「どこでそんな痴態を覚えて来た?」
「……う?」
酒精に頭の中を支配され、良く言葉も染み込まぬままでもディエスは私を迎え入れる。
「いれるぞ、カズシ」
少し迷ったがカズシの名を呼んでみた。嫌がるだろうか、ディエスはカズシである場所に私を許すだろうか?
「うん、良いよ」
何の拒絶もなく、カズシでありディエスである私の愛しい人は暖かく包み込んでくれた。
「ぅん……あ、ああ……」
いつものようにゆっくり進めて行く。酔って感覚が鈍くなるのか、いつもより嫌だとかダメだとか言わない。そのくせいい所に掠めると
「んあっ……」
なんていい声を上げるのが、私の事をよく分かっていると思う。
「な、ラム……なんで和志って呼ぶ、の?」
流石に気がつくか?とろんと溶けた目で聞いてくるが、明日になれば忘れてしまうのに。
「お前の全てが欲しい。ディエスである今のお前もカズシであった過去のお前も」
ディエスは少しだけ動きを止めてから吹き出した。
「あはっ!強欲だぁ~~」
「何せ皇帝陛下だからな。欲しいと思った物は全て手に入れなければ気が済まないんだ」
「皇帝陛下にそう言われちゃあ、差し出すしか無いよなぁ?あはは、ラムシェーブル陛下、どうぞ田中和志をよろしくお願い致しまーす」
言ったな、カズシ?もうお前を離してやらんからな?
392
お気に入りに追加
7,216
あなたにおすすめの小説
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします。……やっぱり狙われちゃう感じ?
み馬
BL
※ 完結しました。お読みくださった方々、誠にありがとうございました!
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、とある加護を受けた8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 独自設定、造語、下ネタあり。出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
謎の死を遂げる予定の我儘悪役令息ですが、義兄が離してくれません
柴傘
BL
ミーシャ・ルリアン、4歳。
父が連れてきた僕の義兄になる人を見た瞬間、突然前世の記憶を思い出した。
あれ、僕ってばBL小説の悪役令息じゃない?
前世での愛読書だったBL小説の悪役令息であるミーシャは、義兄である主人公を出会った頃から蛇蝎のように嫌いイジメを繰り返し最終的には謎の死を遂げる。
そんなの絶対に嫌だ!そう思ったけれど、なぜか僕は理性が非常によわよわで直ぐにキレてしまう困った体質だった。
「おまえもクビ!おまえもだ!あしたから顔をみせるなー!」
今日も今日とて理不尽な理由で使用人を解雇しまくり。けれどそんな僕を見ても、主人公はずっとニコニコしている。
「おはようミーシャ、今日も元気だね」
あまつさえ僕を抱き上げ頬擦りして、可愛い可愛いと連呼する。あれれ?お兄様、全然キャラ違くない?
義弟が色々な意味で可愛くて仕方ない溺愛執着攻め×怒りの沸点ド底辺理性よわよわショタ受け
9/2以降不定期更新
無能の騎士~退職させられたいので典型的な無能で最低最悪な騎士を演じます~
紫鶴
BL
早く退職させられたい!!
俺は労働が嫌いだ。玉の輿で稼ぎの良い婚約者をゲットできたのに、家族に俺には勿体なさ過ぎる!というので騎士団に入団させられて働いている。くそう、ヴィがいるから楽できると思ったのになんでだよ!!でも家族の圧力が怖いから自主退職できない!
はっ!そうだ!退職させた方が良いと思わせればいいんだ!!
なので俺は無能で最悪最低な悪徳貴族(騎士)を演じることにした。
「ベルちゃん、大好き」
「まっ!準備してないから!!ちょっとヴィ!服脱がせないでよ!!」
でろでろに主人公を溺愛している婚約者と早く退職させられたい主人公のらぶあまな話。
ーーー
ムーンライトノベルズでも連載中。
【完結】白い塔の、小さな世界。〜監禁から自由になったら、溺愛されるなんて聞いてません〜
N2O
BL
溺愛が止まらない騎士団長(虎獣人)×浄化ができる黒髪少年(人間)
ハーレム要素あります。
苦手な方はご注意ください。
※タイトルの ◎ は視点が変わります
※ヒト→獣人、人→人間、で表記してます
※ご都合主義です、あしからず
推し様の幼少期が天使過ぎて、意地悪な義兄をやらずに可愛がってたら…彼に愛されました。
櫻坂 真紀
BL
死んでしまった俺は、大好きなBLゲームの悪役令息に転生を果たした。
でもこのキャラ、大好きな推し様を虐め、嫌われる意地悪な義兄じゃ……!?
そして俺の前に現れた、幼少期の推し様。
その子が余りに可愛くて、天使過ぎて……俺、とても意地悪なんか出来ない!
なので、全力で可愛がる事にします!
すると、推し様……弟も、俺を大好きになってくれて──?
【全28話で完結しました。R18のお話には※が付けてあります。】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる