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44 なんと不甲斐ない!(公爵令嬢リリシア視点)
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ぽっと出のアレはアイリスの君、そう呼ばれているらしい。
「無理よ、リリシア様。アイリスの君には勝てっこないわ」
「リリシア様はアイリスの君に直にお会いしたことがないから分からないのでしょうが勝ち目はないと思うわ」
「ほほほ、お二人とも何をそんな弱気になっていらっしゃるの?たかが側妃……しかも「無能王子」じゃない!」
わたくしは真っ赤な唇で笑みの形を作る。サファイアもプリネラも嘆かわしい。所詮はたかが侯爵家の娘だという事ね、たった一度の側妃ディエスとのお茶会で尻尾を巻いて逃げ帰るなんて。この国の高位貴族の娘の矜持はないのかしら?
しかし二人は物憂げに視線を下げ、歯切れも悪い。
「アイリスの君は陛下のご寵愛を一身に受けていらっしゃるわ……我がシルビオ家はアイリスの君につくことになりましたし……」
「あら、サファイア様は陛下の愛をお望みにならないという事なのかしら?」
何と不甲斐ない。わたくし達であの正妃ソレイユを引きずり下ろし、正妃と側妃として陛下をお支えして行きましょうと学生の頃に誓い合ったじゃありませんか。それなのにもう「一抜け」ですの?
「あのご様子では……それに我が家の方針ですもの。逆らえませんわ」
「我がリスター家もアイリスの君につくことが決まりました、リリシア様。正妃ソレイユに首を垂れるのは我慢なりませんが、アイリスの君ならばと」
「まあ!リスター侯爵家まで……!?」
なんと、何と言う事!確かに正妃ソレイユに与しない公爵家は我がレジム家だけになってしまいましたが、サファイアのシルビオ侯爵家、プリネラのリスター侯爵家ともう一家のゼオラルド侯爵家の力を合わせれば正妃ソレイユの好きになどさせぬだけの力があったのに!
「ええ……ですから、こうしてレジム家のお茶会に顔を出すのもしばらくは……」
申し訳無さそうに目を伏せるサファイア。なんて事かしら……!わたくし達3人の友情までも、あの突然降ってわいたような側妃ディエスによって打ち砕かれてしまうなんて!
「……全部あの無能のせいね」
怒りの余り、わたくしははしたなくも爪を噛んでしまいます。
「……アイリスの君は……無能では」
「お黙りっ!」
わたくしの発言を否定しようとしたプリネラを睨んで口をつぐませます。
「……」
なによ、負け犬の癖に!私に意見するなんて100年早いわ!
「良いわ、わたくしが陛下の元に参ります。そうすれば陛下はわたくしの方が優れているとすぐにお気付きになるはず。貴女達は指でも咥えて見ていなさい」
ただ少しだけ見た目が良い男より、生まれも血筋も正しい公爵家の金の百合、わたくしリリシア・レジムが素晴らしいと言って下さる。
「何よりレジム家はソレイユ派などに下げる誇りは持ち合わせておりませんからね、貴女方と違って!」
二人は顔を見合わせていたが、令嬢らしく美しくお辞儀をした後
「それではご機嫌よう」
と、去っていきました。ええ、わたくしの友人に負け犬など必要ないのです。我が家は誇り高き公爵家。やはり侯爵令嬢ではその程度だった、公爵家には相応しくなかったという事なのです。
「そうと決まれば……お父様にお願いして新しいお飾りとドレスが必要だわ。陛下の瞳を奪って放さない美しいドレスが」
ちりん、と鈴を鳴らしてメイドを呼び付ける。
「お父様にお会いします」
「確認して参ります」
わたくしの決意、しっかりと伝えさせて頂きますわ!しっかりと「正妃」として立つ覚悟を!
「無理よ、リリシア様。アイリスの君には勝てっこないわ」
「リリシア様はアイリスの君に直にお会いしたことがないから分からないのでしょうが勝ち目はないと思うわ」
「ほほほ、お二人とも何をそんな弱気になっていらっしゃるの?たかが側妃……しかも「無能王子」じゃない!」
わたくしは真っ赤な唇で笑みの形を作る。サファイアもプリネラも嘆かわしい。所詮はたかが侯爵家の娘だという事ね、たった一度の側妃ディエスとのお茶会で尻尾を巻いて逃げ帰るなんて。この国の高位貴族の娘の矜持はないのかしら?
しかし二人は物憂げに視線を下げ、歯切れも悪い。
「アイリスの君は陛下のご寵愛を一身に受けていらっしゃるわ……我がシルビオ家はアイリスの君につくことになりましたし……」
「あら、サファイア様は陛下の愛をお望みにならないという事なのかしら?」
何と不甲斐ない。わたくし達であの正妃ソレイユを引きずり下ろし、正妃と側妃として陛下をお支えして行きましょうと学生の頃に誓い合ったじゃありませんか。それなのにもう「一抜け」ですの?
「あのご様子では……それに我が家の方針ですもの。逆らえませんわ」
「我がリスター家もアイリスの君につくことが決まりました、リリシア様。正妃ソレイユに首を垂れるのは我慢なりませんが、アイリスの君ならばと」
「まあ!リスター侯爵家まで……!?」
なんと、何と言う事!確かに正妃ソレイユに与しない公爵家は我がレジム家だけになってしまいましたが、サファイアのシルビオ侯爵家、プリネラのリスター侯爵家ともう一家のゼオラルド侯爵家の力を合わせれば正妃ソレイユの好きになどさせぬだけの力があったのに!
「ええ……ですから、こうしてレジム家のお茶会に顔を出すのもしばらくは……」
申し訳無さそうに目を伏せるサファイア。なんて事かしら……!わたくし達3人の友情までも、あの突然降ってわいたような側妃ディエスによって打ち砕かれてしまうなんて!
「……全部あの無能のせいね」
怒りの余り、わたくしははしたなくも爪を噛んでしまいます。
「……アイリスの君は……無能では」
「お黙りっ!」
わたくしの発言を否定しようとしたプリネラを睨んで口をつぐませます。
「……」
なによ、負け犬の癖に!私に意見するなんて100年早いわ!
「良いわ、わたくしが陛下の元に参ります。そうすれば陛下はわたくしの方が優れているとすぐにお気付きになるはず。貴女達は指でも咥えて見ていなさい」
ただ少しだけ見た目が良い男より、生まれも血筋も正しい公爵家の金の百合、わたくしリリシア・レジムが素晴らしいと言って下さる。
「何よりレジム家はソレイユ派などに下げる誇りは持ち合わせておりませんからね、貴女方と違って!」
二人は顔を見合わせていたが、令嬢らしく美しくお辞儀をした後
「それではご機嫌よう」
と、去っていきました。ええ、わたくしの友人に負け犬など必要ないのです。我が家は誇り高き公爵家。やはり侯爵令嬢ではその程度だった、公爵家には相応しくなかったという事なのです。
「そうと決まれば……お父様にお願いして新しいお飾りとドレスが必要だわ。陛下の瞳を奪って放さない美しいドレスが」
ちりん、と鈴を鳴らしてメイドを呼び付ける。
「お父様にお会いします」
「確認して参ります」
わたくしの決意、しっかりと伝えさせて頂きますわ!しっかりと「正妃」として立つ覚悟を!
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