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43 その固い誓いは何度も破られる

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「うわぁあああ……ぎぼぢわるぃ二日酔いぃ」

「調子に乗って何本も飲むからだ」

「いや、だって美味かったんだよ……」

 ワインは余り飲む方じゃなかったが、透明で甘すぎもしないし、フルーティなのと、肉に合う赤と……確かに何本もパカパカと開けた気がする……。
 俺はパーフェクト二日酔いマンとしてベッドに転がっている。

「おはようございます陛下、ディエス様。薬湯をお持ちしました」

 侍従のルトが苦笑しながら、なんとも妙な匂いのドロッとした飲み物?を持ってきた。

「うぇえ……絶対不味い奴」

「そう思われたのならば、悪酔いするほど飲まぬ事です」

「最もでぇす……」

 ゔげぇえ……不味い、もうい……らないっ!

「ラムはなんで大丈夫なんだぁ?」

「私は自分の適量を知っているからな」

「くそ……」

 なんか悔しいな、そのうちべろんべろんに酔っぱらわせてこの気持ち悪さを味合わせてやりたい!!
 しかしクソ不味いどろっとした物を飲んだ後は意外とさっぱりして流石「薬湯」と言うだけの事はあった。

 それにしても、昨日の飲み……。

「なぁんにも覚えてない……」

「あれだけ酔っていればそうだろうな」

 ラムがニヤニヤ笑っているが、こればっかりは甘んじて受けるしかないなぁ。本当に何も覚えていないんだ。

「なあ、ラム。俺、なんか変な事言った?」

「何も?ただ酔って腰を抜かして私に縋りついて来るのは非常に良かったぞ?」

「うぎゃっ?!忘れろ!そんなカッコ悪い事、忘れろ、忘れろーー!うぅっ頭いてぇ」

 あー!ラムのニヤニヤ顔がムカつくーー!

「ほっとに、何も言ってないよな?!」

「ああ、

「……なら良いんだけど」

 なんだか知らないけど、ラムの機嫌がいつもより良い気がするんだよな。気のせいかなあ?

「何もないぞ、

「う、うん」

 気のせいかなあ……?流石にその日は執務室の中で大人しく書類に目を通したり簡単な署名入れ作業をしたりあまり労力を使わない仕事をこなしていった。忘れよう、そして酒での失敗は繰り返さないようにしよう。

「絶対あんな飲み方はもうしないぞー」

「知っているか?帝国には色々なタイプの酒が数多く入ってくるぞ。麦を使ったものもあるしなあ……今年の収穫期が楽しみだな?」

「ビ、ビールか!?ビールがあるのか!?」

「さて、どうだろうな?」

「キ、キンキンに冷やして焼き鳥とぐいっといきてぇ……!冷やす……魔法か!?おい、ラム。冷やす魔法ってどうすれば覚えられる!?冷蔵庫……いや、冷凍庫ってあるのか!?ないなら作ってくれ、絶対に!!」

「さて?どうだろうなあ?」

「うわあああああ……!悪魔的だあ!」

 俺がその後懲りずに何度もやらかす事は予想出来るよな……。



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