33 / 139
33 一々ムカつく態度なのだが?(皇帝ラムシェーブル視点)
しおりを挟む
「てってれー」
「何だそれは?」
「ダーツ、ダーツ。ラム、それをこの丸い的に投げて。今から的を回転させるから!3本ね!」
「?」
執務室に変なものをまた持ち込んでいる。言われるままに鋭いダーツを3本、回っている的に向かって放った。的に全部刺さって、ディエスは
「さーて。誰に当たったかなー?」
回転している的を止めた。的には4公爵家、6侯爵家の名前が書かれていた。
「ディエス、なんなのだ?」
「次の俺主催の茶会に招く人よー」
「そんな大事な事をこんな事で決めたのか?!」
この国でディエスの立場はまだまだ危うい。ソレイユと言う大きな後ろ盾はあるが、協力者を見つけ敵を探さなければならぬのに、何を悠長に遊んでいるのだ。
「大事だからだよ!ラムが選んだんだから誰も文句言わないでしょー。それに10人いっぺんの茶会なんて俺無理よー」
確かに誰も選び方に文句は言えないだろう。皇帝が選び、しかもかなり無作為だ……ディエスはもしかして賢いのか?
「これで手紙は3通で済む」
それが目的か?!
「令嬢に出すのか?夫人か?」
側妃なので基本は女性宛に出すのが通例だが、「男の側妃」の場合はそうとも限らない。
「家に出すよ。誰を送り込んでくるかも見たいし」
やはりディエスは賢い。誰が来るかで色々な推測も出来るだろう。令嬢ならばディエスの品定め、もしくは側妃の座を奪おうとする者かもしれん。令息ならばディエスに取り入り、私の部下へと自らを売り込んで来るやもしれぬ。
「どんなのを送って寄越すか楽しみだねー。見に来ても良いよ?席作っとく」
見にこいと?
「ソレイユ様も来てくれないかなー」
どこまでソレイユの威を借るつもりなんだ?私で良いだろう??
「へっ」
心底馬鹿にした顔をしている。ムカつくな。
「ラムはさぁ、女の人の怖さが分かってないよぉーだから駄目なんだよ、分かる?分かんないよねぇ?」
肩をすくめて道化の様に笑っているディエスは本当に良い度胸をしていると思う。この天下の皇帝に向かってそんな態度を取れるのはお前くらいだぞ、ディエス。
「花が一個ない、クッキーが一つ少ないだけでまとまる案件も全部最初からひっくり返されるんだぞ?女性のクライアントほど、気をつけなきゃならん事はないんだからな?」
確かにそう言う事はあるかも知れん。
「さーて、ソレイユ様んとこ行って来るー。こないだお願いしたドレスを譲って貰うのオッケー貰ったからねー」
「ドレス?お前、着るのか?」
冗談で透けているナイトドレスを用意したが絶対に嫌だと言ったのに?また心底私を見下げた様な顔をしている。
「はあ?俺がドレスを着る訳ないだろ……俺は男だぞ」
「だが側妃だ」
「はぁ……これだからラムは」
今日の護衛のアリーチェを連れてソレイユの正妃の宮に行ってしまった。
何か策があるのかも知れんが、兎に角ムカつくので仕返しは今晩たっぷりしてやろうと決めた。
「何だそれは?」
「ダーツ、ダーツ。ラム、それをこの丸い的に投げて。今から的を回転させるから!3本ね!」
「?」
執務室に変なものをまた持ち込んでいる。言われるままに鋭いダーツを3本、回っている的に向かって放った。的に全部刺さって、ディエスは
「さーて。誰に当たったかなー?」
回転している的を止めた。的には4公爵家、6侯爵家の名前が書かれていた。
「ディエス、なんなのだ?」
「次の俺主催の茶会に招く人よー」
「そんな大事な事をこんな事で決めたのか?!」
この国でディエスの立場はまだまだ危うい。ソレイユと言う大きな後ろ盾はあるが、協力者を見つけ敵を探さなければならぬのに、何を悠長に遊んでいるのだ。
「大事だからだよ!ラムが選んだんだから誰も文句言わないでしょー。それに10人いっぺんの茶会なんて俺無理よー」
確かに誰も選び方に文句は言えないだろう。皇帝が選び、しかもかなり無作為だ……ディエスはもしかして賢いのか?
「これで手紙は3通で済む」
それが目的か?!
「令嬢に出すのか?夫人か?」
側妃なので基本は女性宛に出すのが通例だが、「男の側妃」の場合はそうとも限らない。
「家に出すよ。誰を送り込んでくるかも見たいし」
やはりディエスは賢い。誰が来るかで色々な推測も出来るだろう。令嬢ならばディエスの品定め、もしくは側妃の座を奪おうとする者かもしれん。令息ならばディエスに取り入り、私の部下へと自らを売り込んで来るやもしれぬ。
「どんなのを送って寄越すか楽しみだねー。見に来ても良いよ?席作っとく」
見にこいと?
「ソレイユ様も来てくれないかなー」
どこまでソレイユの威を借るつもりなんだ?私で良いだろう??
「へっ」
心底馬鹿にした顔をしている。ムカつくな。
「ラムはさぁ、女の人の怖さが分かってないよぉーだから駄目なんだよ、分かる?分かんないよねぇ?」
肩をすくめて道化の様に笑っているディエスは本当に良い度胸をしていると思う。この天下の皇帝に向かってそんな態度を取れるのはお前くらいだぞ、ディエス。
「花が一個ない、クッキーが一つ少ないだけでまとまる案件も全部最初からひっくり返されるんだぞ?女性のクライアントほど、気をつけなきゃならん事はないんだからな?」
確かにそう言う事はあるかも知れん。
「さーて、ソレイユ様んとこ行って来るー。こないだお願いしたドレスを譲って貰うのオッケー貰ったからねー」
「ドレス?お前、着るのか?」
冗談で透けているナイトドレスを用意したが絶対に嫌だと言ったのに?また心底私を見下げた様な顔をしている。
「はあ?俺がドレスを着る訳ないだろ……俺は男だぞ」
「だが側妃だ」
「はぁ……これだからラムは」
今日の護衛のアリーチェを連れてソレイユの正妃の宮に行ってしまった。
何か策があるのかも知れんが、兎に角ムカつくので仕返しは今晩たっぷりしてやろうと決めた。
594
お気に入りに追加
7,452
あなたにおすすめの小説
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編をはじめましたー!
他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
何も知らない人間兄は、竜弟の執愛に気付かない
てんつぶ
BL
連峰の最も高い山の上、竜人ばかりの住む村。
その村の長である家で長男として育てられたノアだったが、肌の色や顔立ちも、体つきまで周囲とはまるで違い、華奢で儚げだ。自分はひょっとして拾われた子なのではないかと悩んでいたが、それを口に出すことすら躊躇っていた。
弟のコネハはノアを村の長にするべく奮闘しているが、ノアは竜体にもなれないし、人を癒す力しかもっていない。ひ弱な自分はその器ではないというのに、日々プレッシャーだけが重くのしかかる。
むしろ身体も大きく力も強く、雄々しく美しい弟ならば何の問題もなく長になれる。長男である自分さえいなければ……そんな感情が膨らみながらも、村から出たことのないノアは今日も一人山の麓を眺めていた。
だがある日、両親の会話を聞き、ノアは竜人ですらなく人間だった事を知ってしまう。人間の自分が長になれる訳もなく、またなって良いはずもない。周囲の竜人に人間だとバレてしまっては、家族の立場が悪くなる――そう自分に言い訳をして、ノアは村をこっそり飛び出して、人間の国へと旅立った。探さないでください、そう書置きをした、はずなのに。
人間嫌いの弟が、まさか自分を追って人間の国へ来てしまい――
【完結】僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました
楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたエリオット伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。
ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。
喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。
「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」
契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。
エリオットのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。
⭐︎表紙イラストは針山糸様に描いていただきました
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?

急に運命の番と言われても。夜会で永遠の愛を誓われ駆け落ちし、数年後ぽい捨てされた母を持つ平民娘は、氷の騎士の甘い求婚を冷たく拒む。
石河 翠
恋愛
ルビーの花屋に、隣国の氷の騎士ディランが現れた。
雪豹の獣人である彼は番の匂いを追いかけていたらしい。ところが花屋に着いたとたんに、手がかりを失ってしまったというのだ。
一時的に鼻が詰まった人間並みの嗅覚になったディランだが、番が見つかるまでは帰らないと言い張る始末。ルビーは彼の世話をする羽目に。
ルビーと喧嘩をしつつ、人間についての理解を深めていくディラン。
その後嗅覚を取り戻したディランは番の正体に歓喜し、公衆の面前で結婚を申し込むが冷たく拒まれる。ルビーが求婚を断ったのには理由があって……。
愛されることが怖い臆病なヒロインと、彼女のためならすべてを捨てる一途でだだ甘なヒーローの恋物語。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACより、チョコラテさまの作品(ID25481643)をお借りしています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる