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23 安い買い物だ(皇帝ラムシェーブル視点
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ディエスは安い買い物だったかもしれん。私は執務室でものすごい勢いで書類を分別する美貌の側妃を見ていた。 散々、己の欲を発散させた後にあいつが最初に言った言葉は
「じょ、上司に……正妃様に挨拶をしなければ……」
だったのには驚いた。正妃と側妃は大抵仲が悪い。そりゃそうだ、一番の座に座る者とその下の……あわよくば足を引っ張り引きずり下ろし一番の座に座ろうとする者なんだから。しかし、ディエスは過去の王達の側妃のように正妃のソレイユに挑むつもりはまるっきりないらしく、むしろ正妃を立てているようだった。
「て、手土産ェ……な、ない。ま、まずは迅速な対応……行ってきます」
使い慣れていない場所を使ったせいで歩く姿もよろめいていたが、ディエスはフラフラと正妃宮まで出かけて行って、にこにこと帰ってきた。
「いやあ、あの人は良い人だ」
ディエスという人間の調査をソレイユの方でも行っていたらしく、穏便どころか気に入られて帰って来たらしい。中々ない関係を築いたと思う。そのまま執務室へ連れて行ったら酷く怒り出して……やはりいきなり書類仕事を手伝わせるのは早計だったか。まずは貴族達と合わせて夜会へ連れて行くべきなのかと思っていたら
「こんな書類読めるかー!」
……書類への不満だという。鋭い切り口の意見で少し私ですら驚いたが、着眼点が素晴らしいと思う。確かにあの巻物になっている手紙は開くのも億劫だし開いた後も丸くなるのはイライラする。平たい一目でわかる紙の方が良いに決まっている。
「「お手紙」も持ち込ませるな、仕事の要点だけまとめろ」
……なんだ?こいつ。仕事になると妙にテキパキして。無能の癖に仕事が好きなのだろうか……いや、今のディエスが仕事が好きなんだろう。たまに口にする「シャチク」とか言う職業についていたらしいが、「シャチク」とはずいぶんと仕事をするのが好きなんだろうな。
「ソ、ソロバン?」
「ああ、せめて、だ」
訳の分からないモノまで欲しがるが……まあいいだろう。手配してみようじゃないか。ディエスのやり方を取り入れると積んであった書類が半分以下になったが、書記官たちは増えた仕事にてんてこ舞いだろうな。いい気味だ。
そして
「い、いや……ちょ、ちょっと待て」
「お仕度を」
「いや、でもああああうううう」
食事を済ませて夜が来る前にディエスにはやってもらわなければならない事がある。
「で、でもそんな毎日……」
「ディエス、その為の側妃だ。ソレイユもそれを期待してお前を迎え入れたんだぞ?」
「あああう……ああああ上司命令ぃ……理不尽んん……」
執務室での勇ましさはどこへやら、メイド達に渋々連れ去られるディエスをみて苦笑する。そう、側妃は皇帝の欲を満たすために置かれる事が多い。執務の手伝いなど二の次なんだ。だから使いやすい体になって寝室にいるのが仕事だ。
「楽しみだ」
腕力もないくせに嫌がる所もまた良い。いやだいやだ言いながら咥え込んでしまえば大人しくなるところも良い。
「ラム……ラム、駄目だ、ソコ、駄目だ……あ、あー…っ」
かすかに残った理性で抵抗する様もまたそそるし、堕ちながらべたべた抱き着いてくるところも良い。
「あれでわざとではなく、誘っている訳でもないのだから恐ろしい奴だ」
やはりディエスは安い買い物だ。
「じょ、上司に……正妃様に挨拶をしなければ……」
だったのには驚いた。正妃と側妃は大抵仲が悪い。そりゃそうだ、一番の座に座る者とその下の……あわよくば足を引っ張り引きずり下ろし一番の座に座ろうとする者なんだから。しかし、ディエスは過去の王達の側妃のように正妃のソレイユに挑むつもりはまるっきりないらしく、むしろ正妃を立てているようだった。
「て、手土産ェ……な、ない。ま、まずは迅速な対応……行ってきます」
使い慣れていない場所を使ったせいで歩く姿もよろめいていたが、ディエスはフラフラと正妃宮まで出かけて行って、にこにこと帰ってきた。
「いやあ、あの人は良い人だ」
ディエスという人間の調査をソレイユの方でも行っていたらしく、穏便どころか気に入られて帰って来たらしい。中々ない関係を築いたと思う。そのまま執務室へ連れて行ったら酷く怒り出して……やはりいきなり書類仕事を手伝わせるのは早計だったか。まずは貴族達と合わせて夜会へ連れて行くべきなのかと思っていたら
「こんな書類読めるかー!」
……書類への不満だという。鋭い切り口の意見で少し私ですら驚いたが、着眼点が素晴らしいと思う。確かにあの巻物になっている手紙は開くのも億劫だし開いた後も丸くなるのはイライラする。平たい一目でわかる紙の方が良いに決まっている。
「「お手紙」も持ち込ませるな、仕事の要点だけまとめろ」
……なんだ?こいつ。仕事になると妙にテキパキして。無能の癖に仕事が好きなのだろうか……いや、今のディエスが仕事が好きなんだろう。たまに口にする「シャチク」とか言う職業についていたらしいが、「シャチク」とはずいぶんと仕事をするのが好きなんだろうな。
「ソ、ソロバン?」
「ああ、せめて、だ」
訳の分からないモノまで欲しがるが……まあいいだろう。手配してみようじゃないか。ディエスのやり方を取り入れると積んであった書類が半分以下になったが、書記官たちは増えた仕事にてんてこ舞いだろうな。いい気味だ。
そして
「い、いや……ちょ、ちょっと待て」
「お仕度を」
「いや、でもああああうううう」
食事を済ませて夜が来る前にディエスにはやってもらわなければならない事がある。
「で、でもそんな毎日……」
「ディエス、その為の側妃だ。ソレイユもそれを期待してお前を迎え入れたんだぞ?」
「あああう……ああああ上司命令ぃ……理不尽んん……」
執務室での勇ましさはどこへやら、メイド達に渋々連れ去られるディエスをみて苦笑する。そう、側妃は皇帝の欲を満たすために置かれる事が多い。執務の手伝いなど二の次なんだ。だから使いやすい体になって寝室にいるのが仕事だ。
「楽しみだ」
腕力もないくせに嫌がる所もまた良い。いやだいやだ言いながら咥え込んでしまえば大人しくなるところも良い。
「ラム……ラム、駄目だ、ソコ、駄目だ……あ、あー…っ」
かすかに残った理性で抵抗する様もまたそそるし、堕ちながらべたべた抱き着いてくるところも良い。
「あれでわざとではなく、誘っている訳でもないのだから恐ろしい奴だ」
やはりディエスは安い買い物だ。
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