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16 いや、分からんて!

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「い……っ」

「我慢しろとしか言えないな」

 たっぷりの潤滑油を含まされていても痛いものは痛いし、本来出るだけの場所に入ろうとしているのも間違いなんだから。

「う、うぐぅ……っ」

「まだ先端だけなんだがな」

「む、無理……気を失いそう……」

「それならその方が良いかもしれん。入ったら起こしてやろうか?」

「そ、そう言うのもありなのか……?」

「証拠があれば良い」

 どんな証拠だ……血が出たら大怪我だぞ?!

「ホラ、頑張れ」

「ひぎぃっ!」

 ゆっくりだが、じわじわと押し拓かれて変な声が出る。前準備とか言うのでたっぷり塗られて解されているはずなのに、痛くて痛くて体が裂けそうだ。

「ひ、いた、痛い……いたぁ……うう……」

 目からは涙、口からは泣き事しか出なかったが、それでも途中でやめることはなくとうとう奥まで咥え込まされてしまった。

「ここまでしか……入らんな」

「ひぃ……む、無理ぃ……気持ち悪いぃ……口から出そうぉ……」

 内臓が押し上げられてすべてがせり上がってきそうだ。そして痛くて痛くて堪らない。

「良いか?」

「確かに、我ら見届けさせていただきました」

 どこからともなく老人の様な声が聞こえて去ってゆく……見届け人、本当に居たんだ……そんな事よりもう良いだろ?!

「痛いぃ……抜いてくれぇ……」

「駄目に決まってる。きちんと仕事しろ」

「ひっ!?」

 こんなに痛いのに、動こうとするな、馬鹿!!

「ふふ、やっとブチ込めた……やっぱりそそる顔してんなぁ?」

「ど、どういう……」

 見届け人とかがいなくなるとなんだかこいつ少し変わった気がする。この感じ、どこかで……?

「たまにしか入れ替わってなかったからな、気づかなくて当然か。

 聞いたことがある声…‥表情……顔かたちや髪の色目の色も全然違うけれど、これは……。

「ランス……?ランスか!?」

「当たりだ、ディエス様よ。半年も一緒に居てあんなに口説いたのに忘れるとは冷たい人だ」

「いや、分からんて!!」

 分かる訳ないだろう!?なんで騎士のランスと帝国の皇帝が一緒だと思うんだよ!?

「まあ、そう言うわけだから知らぬ仲でもないんだが……詳しい事は後で話してやるよ。今は良い声で啼くことに集中してもらおうか?」

「う、嘘だろ……や、やめろ!痛いっ痛いっ……うーーーっ!!」

 信じられない事に、中を擦り始める。やめろ、やめろ!ただ痛いだけだ!!


「あーっ!ああああっ!!」

「やっと善くなってきたか?」

「ひ、ひいっ……ひいっ!!」

 中に何度出されたか分からないが、こいつは萎えることがなかった。ぐちゅぐちゅと何度も何度もかき混ぜられ、叩きつけられ。気を失っても離して貰えず仕込まれ続けた。

「もう!もう、もう!ゆるして、ゆるしてぇええええっ」

「しっかりケツでイけるようになったら許してやる!!」

「ひ、ひっ!イ、イくっ!イく、イくからぁ……イ、イイ……いやあああんっ!」

 前からは透明な液しか出ないのに、背中をのけ反らせて痙攣を繰り返す。ああ、もう、もう駄目だ……。

「早いな、もうイけるようになったか……仕込みがいのあるやつだ」

 俺はそのまま気を失ったようだが、あいつの満足そうな声だけは切れ切れに聞こえていた。




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