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10 苦しい告白
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「はあ、ジェイデンはさておきとしてランスまで戻れるとか結構意外~~」
「ふふふ!私が戻る前にどうです?イッパツ」
「しません」
半年後に王都にジェイデンとランスが戻る事になった。代わりに1人来るらしい。2人帰って1人来る、まあ俺に金をかけるのも惜しくなってきた、ということか。
半年も顔を合わせていた2人がいなくなるのは少し寂しい。そして何故かそんな2人が俺の部屋に来ていた。
「ディエス様、貴方は本当に人が変わったように良い人になられた。ここ半年とても楽しく暮らせました。だから私も黙っていられない」
ついて来た騎士の中で一番俺を避けていたジェイデンが真面目な顔で告白する。
「私は貴方が何かやらかした時に始末するよう任務を受けて来ました」
「……やっぱりそうなんだ」
何となくそうなんじゃないかと思ってた。ジェイデンは最初からあまり打ち解けようとしなかった。壁のようなものを感じていたんだ。俺を殺すために送り込まれた……納得してしまう。
「しかし貴方は本当に変わられた。とても善良で心優しい。貴方を殺す理由はここ半年見つけられなかった!私は貴方に死んで欲しくないと思う……次に来る騎士は……多分貴方を始末しに来る」
苦しそうにジェイデンは吐き出した。そうか、そうだよな……。
「この半年、中央は貴方の弟のエイダン様が王の器たるか見極める作業をしていたのです。そしてエイダン様は認められ……本格的に貴方は不要になった」
「……」
なんとなくジェイデンの言う事は分かる。俺なんて生かしておいても金がかかるだけ、むしろ弟にとっては邪魔にしかならない。
「貴方が、良い人なのも気に入らないらしい……お気付きでなかったかも知れませんが、中央から何人も貴族が貴方を見に来ていました」
「えっ?!」
それは全然気が付かなかった!
「貴方が善良で、平民にも屋敷の人間にも好かれている。エイダン様より貴方が優っているのは許されないのです」
「……わかる、気がする……」
廃嫡して「療養」送りになった兄が立太子した弟より実は優秀だったら?弟の将来にも影を落とすし、何より俺を廃嫡と決めた貴族連中が無能だと公言するようなもんだ。
「しかし!貴方は良い人だ。田舎に飛ばされた私達を親身に思って下さり、声をかけ手を煩わせる事もない。一緒に笑い同じ飯を食い、冗談も言い合う……酒を飲んで雑魚寝もした。貴方に死んで欲しくないんだ!」
「ジェイデン……」
「任務を捨てて、どこかに貴方を連れて逃げられたらと何度も思いました!でも出来ない、私にも首都に親がいるんです……」
「……ありがとう、ジェイデン……」
俺にはそれしか言えなかった。
「ふふふ!私が戻る前にどうです?イッパツ」
「しません」
半年後に王都にジェイデンとランスが戻る事になった。代わりに1人来るらしい。2人帰って1人来る、まあ俺に金をかけるのも惜しくなってきた、ということか。
半年も顔を合わせていた2人がいなくなるのは少し寂しい。そして何故かそんな2人が俺の部屋に来ていた。
「ディエス様、貴方は本当に人が変わったように良い人になられた。ここ半年とても楽しく暮らせました。だから私も黙っていられない」
ついて来た騎士の中で一番俺を避けていたジェイデンが真面目な顔で告白する。
「私は貴方が何かやらかした時に始末するよう任務を受けて来ました」
「……やっぱりそうなんだ」
何となくそうなんじゃないかと思ってた。ジェイデンは最初からあまり打ち解けようとしなかった。壁のようなものを感じていたんだ。俺を殺すために送り込まれた……納得してしまう。
「しかし貴方は本当に変わられた。とても善良で心優しい。貴方を殺す理由はここ半年見つけられなかった!私は貴方に死んで欲しくないと思う……次に来る騎士は……多分貴方を始末しに来る」
苦しそうにジェイデンは吐き出した。そうか、そうだよな……。
「この半年、中央は貴方の弟のエイダン様が王の器たるか見極める作業をしていたのです。そしてエイダン様は認められ……本格的に貴方は不要になった」
「……」
なんとなくジェイデンの言う事は分かる。俺なんて生かしておいても金がかかるだけ、むしろ弟にとっては邪魔にしかならない。
「貴方が、良い人なのも気に入らないらしい……お気付きでなかったかも知れませんが、中央から何人も貴族が貴方を見に来ていました」
「えっ?!」
それは全然気が付かなかった!
「貴方が善良で、平民にも屋敷の人間にも好かれている。エイダン様より貴方が優っているのは許されないのです」
「……わかる、気がする……」
廃嫡して「療養」送りになった兄が立太子した弟より実は優秀だったら?弟の将来にも影を落とすし、何より俺を廃嫡と決めた貴族連中が無能だと公言するようなもんだ。
「しかし!貴方は良い人だ。田舎に飛ばされた私達を親身に思って下さり、声をかけ手を煩わせる事もない。一緒に笑い同じ飯を食い、冗談も言い合う……酒を飲んで雑魚寝もした。貴方に死んで欲しくないんだ!」
「ジェイデン……」
「任務を捨てて、どこかに貴方を連れて逃げられたらと何度も思いました!でも出来ない、私にも首都に親がいるんです……」
「……ありがとう、ジェイデン……」
俺にはそれしか言えなかった。
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